- シェークスピアの演劇が自閉症の子どもの社会的スキルやコミュニケーション力にどのような影響を与えたのか?
- 自閉症の子どもが「ハンター・ハートビート・メソッド」を通じてどのように成長したのか?
- 演劇を取り入れたプログラムが自閉症の子どもやその家族にどのような変化をもたらしたのか?
自閉症の子どもが体を動かして、シェークスピアの演劇を行うことで、社会的、コミュニケーションスキルが向上したという研究結果が発表されました。
自閉症の子どもは、離すことができなかったり、コミュニケーションすることに困難を抱えることがよくあります。
アイコンタクトができない、ものを見ていない、そのために他の人とやりとりをすることが難しいのです。
最近発表された研究論文では、それを実践した結果として、自閉症の子どもが話すことや表情がよくなったと述べています。
「シェークスピアのテンペストを演じることを学び終えると、
発達障害の子どもたちに社会的なスキルやまわりとのやりとりに顕著な向上が見られました。」
オハイオ州立大学のマーク・タッセ教授は言います。
14歳の自閉症の子どもは、システム化されたドラマ仕立ての内容で役を演じていきます。
これは「ハンター・ハートビート・メソッド」として知られるロンドンのロイヤルシェークスピア劇団の女優、ケリー・ハンターにより作られたものです。
この物語による療法は、自閉症の人の社会的なスキル、話し言葉、表情を読み取る力を向上させるものとして考えられたものです。
「基本となるスキルをとてもリラックスできて楽しい環境で、子どもたちは教えられていきます。
教わっているという感じもしないようなものです。」
教授のタッセは言います。
それぞれのハンター・ハートビート・メソッドのセッションは、床の上にみんなで丸くなって座って、腰を軽く叩きながら「ハロー・ハートビート」と言って始まります。
指導者はテンペストの筋書きにあわせて複数のゲームを行っていきます。
そのゲームを通じて、表情を読み取ること、アイコンタクト、体をつかって動きをまねること、人の感情をまねること、言葉によるやりとり、パーソナルスペース、感情表現、ユーモアやちょっとした即興を学んでいきます。
最初にふたりの指導者が子どもたちの輪の中で、ゲームをしてみせます。
その次に、指導者と子どもたちがペアを組んで、そのゲームを行っていきます。
指導者と子どもが、輪の中に戻って、他の子どもたちに演技を見せます。
これを何回も行った後、テンペストの筋書きにそって、演じていきます。
「ハンター・ハートビート・メッソッド」はそして、「グッバイ・ハートビート(心拍音・緊張)」
と言って終わります。
「誰かとこれをすれば、楽しくなって、発達障害の子どもたちが経験できなかったことを経験させているのがわかります。」
協力しているオハイオ州の心理学者のマギー・メリンがそう言います。
それぞれの子どもの情報を得て、研究は進めらました。10週間にわたり、週に一時間の聞き取り面談調査をおこないました。
その実験期間が終わりに、親と子どもにこの、演劇の取り組みを行って来た結果についての質問もされました。
「子どもたちは期待を超えることができるのです。いつもそれを目にしました。」
メリンはそう語りました。
(出典・画像:英MedicalXpress)
「演劇」は、人のおかれた状況をわかりやすくした上で、まわりの世界、人とのやりとりを誇張して行うので、きちんと進めていってくれるガイドがいれば、たしかにとてもよい療育方法になるだろうと察します。
なにより、子どもたちが楽しめるのであれば、それは一番です。
(チャーリー)