- 自閉症スペクトラムの人が心代謝系疾患を発症するリスクは高いのか?
- 自閉症の人が糖尿病、脂質異常症、および心臓病を発症するリスクは、どれほど高いのか?
- 自閉症の人が心臓病のリスクが高い要因には、どのような行動やライフスタイルの要因が関係しているのか?
自閉症スペクトラムの人は、糖尿病や心臓病などの心代謝系疾患を発症するリスクが高いことが、JAMA Pediatrics誌に発表された研究で明らかになりました。
研究チームは、合計すると自閉症の人276173人、自閉症でない人7733306人を含む、これまでの34件の研究を分析しました。
その結果、自閉症の人は糖尿病、脂質異常症、および心臓病を発症するリスクが高いことがわかりました。
しかし、高血圧や脳卒中のリスクは高くありませんでした。
今回の研究対象は自閉症の子どもと大人でしたが、糖尿病や高血圧を発症する確率は自閉症の子どもの方が高くなっていました。
詳細は次の通りです。
- 自閉症の人は、そうでない人に比べて糖尿病を発症するリスクが57パーセント高く、1型糖尿病では64パーセント、2型糖尿病では146パーセント高くなっていました
- 脂質異常症の発症リスクは、自閉症の人はそうでない人に比べて69パーセント高くなっていました
- 動脈硬化性心疾患の発症リスクは、自閉症の人は46パーセント高くなっていました
- 中性脂肪値は自閉症の人で有意に高くなっていました
- 低密度リポ蛋白(LDL)およびコレステロール値は、自閉症のない人と比べて、自閉症の人に有意な差はありませんでした
- 「善玉コレステロール」は自閉症の人は有意に低くなっていました
- 自閉症の人は、大血管疾患のリスクは高くなっていませんでした
研究チームは、1型糖尿病のリスクが高いのは、自閉症の人たちでは自己免疫疾患のリスクが高いためであろうと指摘しています。
また、心代謝系疾患の可能性が高まるのは、自閉症の人の寿命が短い傾向に起因している可能性があります。
そのため、高齢者を対象とした研究では、自閉症の人の割合が少ない可能性があります。
心臓病のリスクの高さに影響を与える可能性のある行動やライフスタイルの要因には次のようなものがあります。
- 食物の選択性、特に非健康的な食物が好んで食べられる場合
- 運動不足につながる身体的制限
- 座りっぱなしの行動
- 睡眠障害
- 非定型抗精神病薬など、挑戦的な行動を修正するために使用されることがある薬物による副作用
今回の研究で、自閉症をの人は糖尿病、脂質異常症、動脈硬化性心疾患のリスクが高くなっていることが示唆されました。
「自閉症の子どもは、自閉症でない子どもと比較して、糖尿病と高血圧を発症する高いリスクを持っているようです。
幼少期に心代謝系疾患を発症すると、罹患率や健康への懸念、医療の必要性、死亡率が高まるため、臨床医は、心代謝系疾患とその合併症の初期兆候について、自閉症患者を注意深くモニターするべきです」
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、発達障害の一つです。
症状には次のようなものがあります。
- 社会的なコミュニケーションや交流に問題がある
- 行動や興味が制限されたり、繰り返されたりする
- 言語、運動、認知、学習スキルの遅れ
- 多動性、衝動性、および不注意な行動
- パニック発作
- 異常な睡眠または食習慣
- 胃腸の問題
- 異常な気分や感情反応
- 不安または過度の心配
- 恐怖心の欠如または恐怖反応の亢進
米国では、44人に1人の子どもが自閉症スペクトラムだと推定されています。
「私は、この研究結果に驚きません」
そう、小児循環器専門医のカルロ・ゼイデンウィバー博士は言います。
「社会として、我々は自閉症を理解するのに長い道のりを歩んできました。
自閉症の診断は、悪い結果を示すわけではありません。
現在では、言語療法、理学療法、作業療法があり、子どもたちがスキルや対処法を学ぶのを助けています。
しかし、食べることの困難さは依然として困難であり、親が疲弊することもあります」
将来の心臓・代謝系疾患に対する最も重要な警告サインは、太り過ぎだとゼイデンウィバー博士は言います。
「親は子どもの体重に影響を与えることができます。
ジャンクフードや高カロリー食品へのアクセスを制限することができます。
親は駄菓子を買うか、リンゴを買うか、選択できるのです」
しかし、子どもの自閉症は親にとって困難であることも理解しています。
「学校、政府のプログラム、民間企業を通じて、支援を受けてください。
親はあらゆる支援を活用すべきです」
(出典:米healthline)(画像:Pixabay)
うちの子は話すことができないため、体調不良を伝えることができません。
さらに、ここ数年、太ってきました。
本当に気をつけなければなりません。
(チャーリー)