- 自閉症の人がイスラエルの軍隊で働くことは、どのようなメリットをもたらすのか?
- 自閉症を持つ人が兵役に参加するためのサポートは、どのような形で行われているのか?
- 軍隊で獲得した経験やスキルを活かして、将来どのようなキャリアを築いていく可能性があるのか?
イスラエルの兵士ナタン・サーダは、テルアビブの陸軍基地で、自閉症の軍人のために作られた特別なプログラムの一員として、コンピュータに向かって忙しくしています。
2021年7月に自閉症の人を採用するプログラムが始まって以来、高機能自閉症の約200人が隊員に加わっています。
「私が入隊したいと思ったのは、イスラエルでは兵役が重要だからです。
イスラエルでは兵役は重要で、若者一人ひとりがしなければならないことですし、私もこの経験をしたかったのです」
そう、20歳のサーダはカーキ色の制服にこのプログラムのバッジを誇らしげにつけて言います。
イスラエルでは、18歳以上のほとんどの人に兵役が義務付けられており、男性は32カ月、女性は2年間兵役に就きます。
入隊した人にとって、兵役は通過儀礼のようなものです。
1948年の建国以来、イスラエルでは軍隊は社会の中心的な役割を担っています。
2008年からは短期コースへの参加も認められているものの、自閉症の人は基本的には兵役を免除されています。
軍の人事部のアミール・ヴァドマニ准将はこう言います。
「申し込んでくる、自閉症の人はほとんどいませんでした。
しかし、自閉症の将校の発案による採用プログラム『ティトカドムー』の設立で変わりました。
今では戦闘部隊以外にも、すべての部署で彼らを見つけることができます。
空軍、海軍、陸軍、情報部、あらゆるところで活躍しています。
自閉症の兵士は大きな可能性を持っています。
軍隊の真の財産です。
この若者たちは、自分たちが成功できること、他の人たちと同じであることを証明しています。
とても助かっています」
ヴァドマニ准将は、自閉症と診断される人の数が増加しているため、自閉症の人たちを軍隊に統合することはその面でも重要になっていると述べています。
イスラエルの自閉症協会(ALUT)によると、自閉症と診断される人の数は毎年平均13パーセント増加しています。
ALUTの広報担当者リタル・ポラトは、これは診断基準の幅が広がったことが一因だといいます。
イスラエルでは78人に1人の子どもが自閉症と診断されています。
世界保健機関(WHO)の推計によれば、世界では100人に1人の割合です。
軍隊は「できるだけ自立した生活を送るための枠組み」を提供します。
そのため、自閉症の人たちは軍隊に入ることで成長することができると、ポラトは言います。
このプログラムの一環として、軍は訓練方法を変更し、サポートネットワークも整備しました。
リリ・シャハールは、自閉症の人たちのフォローアップを任務としています。
シャハールは、サーダと上司である指揮官との仲介役です。
「その週はどうだったのか、何か特別なことがあったのか、指揮官と共有してくださいね」
「はい、何でも話します」
4歳で自閉症と診断されたサーダは、社会的な交流やコミュニケーションに悩むことがあります。
「頼れる人、アドバイスしてくれる人、助けてくれる人がいることは、とても助けになります」
この自閉症の人を採用するプログラム「ティトカドムー」はまだ始まったばかりですが、ヴァドマニ准将は長期的な目標を持っていると言います。
「軍で働き、そこで身につけた技能を生かして、他でも働けるようにすることです」
サーダは、来年除隊したときの生活について、すでに明確な野望を抱いています。
笑顔でこう言いました。
「映画監督になりたいんです。
すでに脚本も何本か書いているんですよ」
(出典・画像:AL-MONITOR)
ご希望される仕事でますますご活躍されることを祈っています。
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(チャーリー)