- 1. メルトダウン時の子どもの内的体験をどう対処するのが効果的か?
- 2. 親がメルトダウンに対処する際に、自身を保つための方法は?
- 3. 他人の判断や社会の認識に左右されず、自分や子どもを大切にする方法は?
自閉症スペクトラムの子どもを持つ多くの親にとって、子どもがパニックを起こしてしまう、メルトダウンへの対処は避けられません。
メルトダウンは親にとって大きなストレスと不安の原因となります。
自閉症の子の困難な行動と親のストレスやうつ病との間に相関があることは研究でこれまでに指摘されています
しかし、自閉症の子どもを持つ親にとって重要であるにもかかわらず、メルトダウンに関する研究は多くありません。
米自閉症研究所は、メルトダウンを「不随意の圧倒体験」と定義しています。
望ましい結果を得るために意図的に試みる「かんしゃく」とは異なります。
自閉症の子は、精神的に引きこもる、刺激を与える、物を投げる、自傷行為などより破壊的な行動に至るまで、圧倒を調整するために、幅広い対処行動をします。
自閉症スペクトラムの症状はそれぞれ異なり、ストレスのきっかけ、落ち着くきっかけ、対処の仕方は子どもによって異なります。
一般的なガイダンスとして、保護者向けに、次にアドバイスをします。
より具体的な支援策については、医療専門家にご相談ください。
1.対処することに集中する
人間は感情的な不調を経験すると、しばしばその困難な内的経験を「取り除く」ことに焦点を当てます。
しかし、それは簡単なことではありません。
さらなる苦痛をもたらす可能性があります。
子どもがメルトダウンを起こしたときには、子どもの内的な体験を「取り除く」ことではなく、対処方法に集中することが有効であると考えます。
対処する際には、適切なトーン(限られた言語入力)とボディランゲージを通して落ち着いた環境を養い、感覚を癒す活動(静かで快適な空間にいるなど)へのアクセスを提供し、魅力ある気晴らし(お気に入りの感覚のおもちゃで遊ぶ時間など)を提供することなどです。
子どもにリラックスをもたらすものを与えたり、心を落ち着かせるような活動をしたりすることも検討しましょう。
メルトダウンを起こすにあたって、感覚処理の問題、状況に対する独特な理解、構造やルーチンに対するこだわりなど、自閉症スペクトラムに特有の要因があります。
対処法を考える際には、それらを考慮しなければなりません。
状況によっては、視覚的なスケジュールで明確さと構造を提供する、子どもの感覚のニーズに合わせて環境を調整する、子どもが他人の暗黙の精神状態に気づくように援助する、などが考えられます。
感情のコントロールは生涯続く学習プロセスです。
親御さんには自分自身と愛する人に忍耐強く接することをお勧めします。
2.まず自分を癒す
カウンセリングのコースでよく教えられる比喩に、セラピストを命綱に例えたものがあります。
セラピストは、クライアントと一緒に圧倒されるプールに飛び込むのではありません。
自分自身を観察し、登るための道具や方法を提供する能力を、セラピストはもっているのです。
自分で自分を調整することが重要なのです。
これまでの研究で、「マインドフル」が、自閉症の子の感情および行動機能の改善と関連していることがわかっています。
その状況を俯瞰する、自分の内なる経験に気づき自分や他の人に思いやりを提供する、その瞬間に存在することを実践する、マインドフルネスの多くの構成要素は、ポジティブな精神状態を提供し、苦痛を和らげるのに役立つと推測されています。
優しさと思いやりをもって今この瞬間に関わることを思い出しましょう。
そのためにこんなつぶやきをすることも有効です。
「優しく、落ち着いて」、「忍耐強く、これと向き合う」、「対処に集中する」。
あるいは、胸に手を当てるなどしてもいいでしょう。
自閉症の子を介助するには、苦痛を和らげる波に乗りながら、忍耐や勇気で呼吸することを想像して自分を落ち着かせ、メルトダウンは一時的な圧倒状態であり、過ぎ去ることを知りましょう。
感情は伝染するものであり、自己鎮静と内なる優しさを実践することを思い出せば、大切な人たちに共鳴し影響を与えることができます。
3.他人の判断を気にしない
自閉症スペクトラムの子どもを持つ親は、メルトダウンを含む子どもの刺激的行動や挑戦的行動に関する他人の判断に対処することが、苦痛の経験に拍車をかけていることが研究でわかっています。
社会がニューロダイバーシティに対しての認識がいまだ限定されている、他人の外見的な行動を限定的に判断し、その根本的な背景を理解していない人もいるなど、外的で判断する要因はたくさんあります。
社会的な生き物である私たちは、拒絶や批判を受けると、当然ながらその影響を受けます。
友人や家族などのつながり、あるいは専門的なつながりなど、支えてくれる人とのつながりやサポートを求めることは、こうした状況下で親がより強い気持ちを持てるようになるための支えとなります。
他人の判断を気にせず、自分の内なるサポートに注意を向け、現在に意識を向ける練習をすることも良いはずです。
要約すると、メルトダウンは子どもの対処能力を超える一時的な圧倒の瞬間であり、日常の変化、感覚の過負荷、疲労、自分の内なる経験を伝えることやサポートを求めることの難しさなど、さまざまな要因の組み合わせと関連しています。
自閉症の子どもを持つ親は、必要となる冷静さ、忍耐、思いやりを大きくするために、自分自身をいたわり、練習することが大きな助けになるはずです。
(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay)
いつまでたっても0にすることはできませんが、
「他人の目は気にしない」
これは重要です。
我が子の安全と笑顔が、何より第一。
そして、そもそも他人に迷惑がかかってしまいそうな場所や機会は遠慮する。
(笑顔で過ごせる場所や機会は他にもあります)
うちの子と私はそうして過ごしてきました。
自閉症が悪い行いの「言い訳」に使われている。それは偏見も生む
(チャーリー)