- 1. 医療関係者の間で自閉症の割合が他の集団と比べて高いのはなぜか?
- 2. 自閉症や神経多様性を持つ医師や研修生に対する偏見や障壁は具体的にどのようなものか?
- 3. 自閉症や神経多様性を持つ医師が求める配慮や支援は、実際の職場でどのように実現できるか?
私たち精神科医には自閉症の人が多いように思います。
この分野の研究は多くありませんが、これまでのところ、自閉症は少なくとも一般集団と同様に医療関係者にも多いことが示唆されています。
イギリスで過去5年間に行われた2つの調査によれば、開業医の1パーセント、精神科医のほぼ同数が自閉症であると報告しています。
発達障害を含むニューロダイバース(神経多様性)な人が働くことは、大きな価値があります。
米シリコンバレーのテクノロジー企業を含む多くの産業では、ニューロダイバースの従業員を積極的に採用しています。
しかし、医学の世界では、ニューロダイバーシティに対する考え方は古いままです。
少なくとも最近までは医師が自信満々に次のような発言をするのを耳にすることはよくありました。
「自閉症の人は、精神科医になるには共感力が足りない」
正直なところ、昨年、王立精神科医会の「自閉症チャンピオン」に私が任命されたとき、発達障害の専門家を目指す人たちのための研修ルートを開発することに注力できるとを胸を躍らせました(王立精神科医会の主な役割の一つは、発達障害の専門家の育成です)。
しかし、研修や日々の診療の中で、偏見、障壁を経験したという多くの自閉症精神科医から話を聞くたびに、悲しくなりました。
そして、自閉症や神経多様性のある精神科医や研修生を認め、認識し、支援しなければならないことが明らかになりました。
私と同僚は、自閉症の医師をよりよく支援するために、神経多様性を持つ同僚やAutistic Doctors Internationalなどの組織と相談しながら3つの目標をもちました。
労働条件の調整、平等性の表明、包括性を高める努力、です。
他の医療機関もこれらの取り組みを採用し、職場における自閉症の医師のためのより進歩的で包括的な環境を整え、雇用者が平等法を遵守して従業員のニーズを満たし、それによって最良の患者ケアを保証することを望んでいます。
誰かが自分が自閉症であると宣言し、職場の便宜を図ることを要求するとき、その人は言い訳をしたり、障害の陰に隠れたりしているのではありません。
配慮(英国では「合理的調整」と呼ばれる)は多くの国で法律で義務付けられています。
そして、それは医師がサービスを提供している相手である多様性のある人たちが有能であることを示す機会にもなります。
精神科の外来患者における自閉症の高い有病率(スウェーデンの2022年の研究によると、少なくとも18.9パーセント)を考えると、発達障害の生活経験を持つ精神科医が活躍することは理にもかなっています。
自閉症の医師が求める配慮は、通常、仕事の医療的な側面以外に関するものです。
ほとんどコストをかけずに簡単に実施できるものです。
たとえば、上司やマネージャーが仕事の役割や期待を明確に伝える、オフィスや病棟が特に忙しく騒がしい場合は耳栓やヘッドホンを使用する、などです。
これらの多くは、すべての人にとってもメリットがあります。
しかし、共通するニーズも多いですが、それぞれの医師の個性に合わせた対応が必要です。
管理職、監督者、同僚が自閉症と神経多様性についてしっかりと理解することが重要です。
医療研修プログラムの特定の要素に変更を加える必要もあります。
たとえば、臨床ローテーションで職務や職場環境が頻繁に変わることは、自閉症の人たちにとって特に困難なことです。
また、職場は発達障害を含む障害者の平等な参加を歓迎し、組織として可視化され、活発でなければなりません。
すべてのメンバーにとって包括的であるように努めるべきです。
たとえば、学習教材や出版物、カンファレンスやイベントを含むすべてのオンラインコンテンツは、障害者にとっても利用しやすいものになるべきです。
こうした取り組みやその他の努力により、英王立精神科医カレッジが英国で最も神経多様性に配慮した王立医療カレッジとなり、他の組織にも影響を与えることが私の望みです。
自閉症やニューロダイバージェンスに対する理解と受容が医療界全体で進むよう、私たちはその一翼を担っていきたいと思っています。
コナー・デビッドソン
英リーズ自閉症診断サービス 臨床リード
同じような経験をしているからこそ、頼りになる。
それは大いにあるはずです。
本当の自閉症スペクトラム障害の医師はテレビドラマとは違います
(チャーリー)