- メルトダウンとシャットダウンの違いは何か?
- 自閉症の人の感覚処理は他の人とどのように異なるのか?
- 自閉症の人が感覚の過負荷に直面した際、周囲の人がどう対処すべきか?
感覚や感情の過負荷に直面したとき、自閉症の人は危機に陥ることがあります。
自閉症スペクトラム(ASD)は、本人だけでなく、その家族や親しい友人にも影響を与えます。
彼らの行動や症状の中には混乱させたりするものがあります。
「メルトダウン」と「シャットダウン」がそうです。
どちらも、自閉症の人が感覚の過負荷から身を守るために起こす反応を指す言葉です。
それらは、自閉症の人が圧倒される状況に対処する方法です。
自閉症の人の家族や身近な人は、こうした危機的状況はめずらしいものではなk,対処は難しいものの、理解することはできます。
しかし、他の人たちには、これらの現象は偏見や誤解、拒絶を引き起こしがちです。
そうならないためには、なぜこのような行動が起こるのかを多くの人が理解する必要があります。
メルトダウンやシャットダウンに対処するためには、まず自閉症の人たちの感覚処理について話をする必要があります。
感覚とは、環境から関連する情報を捉えて、それを処理し、利用するための手段です。
音、光、香り、味…これらの感覚入力はすべて私たちの感覚から入り、私たちがそれに対して適切な反応を起こす前に脳によって組み合わせられ、変換されます。
自閉症の人たちは、環境からの刺激を違った形で処理します。
そのため、知覚過敏や過敏症になることがあるのです。
それは、痛みを識別することが困難であったり、刺激を求める行動を誘発したりします。
また、特定の環境刺激に対して極端に敏感になり、感覚過敏を促進します。
大きな音、明るい光、強烈なにおい、ある種の衣服や素材など、これらの要素は、ほとんどの人にとっては無害です。
しかし、自閉症の人にとっては本当に迷惑で、苦痛なものとなります。
これらは、自閉症の人に過負荷を与え、圧倒し、危機を誘発します。
メルトダウンとシャットダウンは、感覚の過負荷に対する2つの結果または反応です。
その現れ方は正反対ですが、同じプロセスによって引き起こされます。
これらは、主に「感覚」の飽和によって起こりますが、「感情」の過負荷やオーバーフローによっても起きることがあります。
たとえば、フラストレーションやストレス、過労を経験したとき、敵対的な環境に置かれたとき、変化や不確実性に直面しなければならないときなどです。
メルトダウンとシャットダウン、この2つの用語の違いは何でしょう。
メルトダウンは、患者が経験している不快感に対する外在化した反応です。
悲鳴をあげたり、泣いたり、自傷行為をしたり、物に当たったり、最終的には、一時的にコントロールを失うことがあります。
これらは、見ていて非常に不安になるものです。
シャットダウンは、不快感の内面化です。
欲求不満や飽和状態が続くと、内部が「ショート」してしまい、環境から切り離されてしまうのです。
その結果、どこかへ行ってしまったり、引きこもったり、うつ状態のように見えることもあります。
これらは、本人以外には気づかれないこともあります。
違いはあっても、メルトダウン、シャットダウン、どちらの反応も特定の状況を処理できないことに起因しています。
どちらの場合も、基本的な能力が一時的に失われてしまうのです。
実際、これらの危機のいずれかに陥ると、コミュニケーションや社交ができなくなり、考えがまとまらず、靴紐の結び方さえ思い出せなくなることがあります。
このような危機の原因を理解し、危機に直面したときにどう行動すべきかを知ることは、自閉症の人の親族や日常的に彼らと接する人々にとってはとても重要です。
そして、私たちは皆、自閉症の人に対して共感と敬意をもって行動し、対応できるよう、知識と意識を高めておく必要があります。
このような自閉症の人がかかえる危機を完全にコントロールしたり回避したりすることはできません。
しかし、一定の対策を講じることでその出現を抑えることは可能です。
たとえば、環境が刺激的でないようにする、挑戦的でないようにする。
また、自閉症の人たちに対処法や感情管理法を提供することです。
自閉症の人のこうした場面に出会ったときには、冷静さを保ち、怒ったり怒鳴ったりせず(これは状況を悪化させるだけです)、敏感に行動することが重要です。
自閉症の人の感情を認め、敬意を示すことが重要です。
そのためには、自閉症の人の非言語のサインを読み取る方法を知り、相手が介抱を求めているときや、黙っていることが望ましいときなどを理解することが必要です。
(出典・画像:米Exploring your mind)
「冷静さを保ち、起こったり怒鳴ったりせず」
実際のところ、親であってもこれができなくなってしまうこともあり、その度に申し訳なく深く反省します。
しかし、これはいつでも、そして多くの人にできるはずです。
「自閉症の人の感情を認め、敬意を示す」
どうかお願いします。
(チャーリー)