- 音楽レッスンは自閉症の子供にどんな効果がありますか?
- 発達障害を持つ子供が集中力を向上させるための方法はありますか?
- 特別支援が必要な子供にとって音楽教育が有益な理由は何ですか?
ジョージナ・ジョハンナ・スコット先生は、「ぴちょんくん」のマグネットで課題を表示したり、クレアちゃんの大好きなキャラクターを使って、ピアノのレッスンに集中できるような工夫を凝らしています。
7歳のクレア・リムは自閉症で、言葉を話すことができません。
また、長時間楽器の前に座っていることもできません。
母親のエスター・ワンは、スコット先生がいる「ラディアント・スペクトラム」の音楽レッスンが、クレアちゃんの注意力を高めたと感じています。
「ピアノのレッスンだけでなく、学校での授業にも役立っています」
さらに、運動能力や自信が高まったといいます。
クレアは2021年5月から音楽のレッスンを受け始めました。
ワンさんが偶然見つけたこの学校、ラディアント・スペクトラムは、特別支援を必要とする子どもたちのための、シンガポール初の音楽学校です。
ラディアント・スペクトラムは2018年に、サマンサ・ソータンが設立しました。
以前から音楽を教えていたサマンサは、2017年に初めて特別支援を必要とする生徒、自閉症で言葉を話さない男の子に出会いました。
やがて、最終的にサマンサは特別支援を必要とする16人の生徒を抱えることになりました。
「彼らの中には、音楽に対して、生まれながらの鋭さを持っている人がたくさんいることに気づきました。
もし私が学校を始めたら、同じ志を持つ教師たちのチームを作ることができたら、もっと多くの人たちを助けることができるはずです」
現在、この学校には3歳から20歳までの100人以上の生徒が在籍しています。
自閉症やADHD、脳性まひ、運動や言葉の遅れなどをもつ生徒たちです。
先日、生徒たちによるショーケース・コンサートを開催しました。
「大小の差はあっても、皆の功績を称えたかったのです。
なぜなら、最終地点と比較するのではなく、過程が重要だからです」
その中に、11歳のアンドリュー・エンがいました。
2020年8月からピアノのレッスンを受けています。
アンドリューの母親は自らピアノを弾き、アンドリューに興味を持たせようとしましたが最初はうまくいきませんでした。
「でも、リズム感もいいし、音感もいいんです」
この学校に通うと、30分たらずで簡単なメロディーを弾けるようになりました。
今では、大好きな曲を演奏するのが楽しくて仕方がありません。
アンドリューはこう言います。
「ピアノを弾いていると、いつも幸せな気分になります」
そして、以前は指でピースサインを作るにも苦労していましたが、できるようになりました。
また、音楽が音やリズムを通してさまざまな気分を伝えることを学ぶことで、表情が豊かになり、感情を理解するようになったと、母親は言います。
レッスンは、母子の関係にも新たな一面をもたらしました。
「息子と一緒に演奏したり、デュエットをしたりすることもあり、それは私にとってとても特別なことです」
臨床心理士であるクリスティン・クウェックは、音楽を学ぶことは、自閉症など特別支援を必要とする子どもたちにさまざまな恩恵をもたらすことができると語っています。
彼女はセラピーの実践にも音楽を使っています。
「音楽は、私たちの脳内にある特殊な神経細胞を刺激し、私たちのコミュニケーションを助けてくれます。
これは、社会的な合図を読み取るというコミュニケーションの面で必要なものです。
また、共感力を高め、言語を発達させることができます」
臨床心理士のライネット・タンも、音楽を学ぶことで、特別支援を必要とする子どもたちは、欲求不満や楽しさなど旅の途中で経験する感情や、音楽に共鳴したときの感情を通じて、自分の感情とつながり、それを調整することを学ぶことができると述べています。
「特別支援を必要とする子どもたちは、自分の気持ちを簡単に表現できないかもしれません。
適切な指導と精神的なサポートを受けながら音楽を学ぶことで、そのスキルを磨くことができるんです」
また、音楽を聴いたり、踊ったりすることで運動能力を高めたり、グループで音楽を楽しむことで社会性を身につけることもできるとタンは述べました。
(出典・画像:シンガポールTHE STRAITS TIME)
音楽は本当にいいですよね。助けてくれます。
うちの子はノリノリの音楽を聞くと、大きな笑顔で踊りだします。
それを見る私にも、大きな笑顔を作ってくれます。
(チャーリー)