- ロボットを使ったカリキュラムは発達障害や自閉症の生徒の社会性や感情面のスキルの向上にどのように役立つのか?
- 自閉症スペクトラム障害を持つ子供に対する教育方法として、ロボットを使用することの効果は?
- 特別支援教育におけるロボットを活用したカリキュラムの具体的な進行方法は?
米オハイオ州のヤングスタウン州立大学教授らによる新しい研究によれば、ロボット主導のカリキュラムは生徒の社会性や感情面のスキル向上に役立っています。
ヤングスタウン州立大学(YSU)の教師教育およびリーダーシップ研究の教授のカレン・ローウィンはこう述べています。
「初年度の結果は良好です。
生徒が著しい成長を遂げたことを示しています」
ローウィン教授とリッチセンター執行役員でYSU学校心理学プログラムの教員であるグレゴリー・ボエリオが米国評価学会年次総会でこの研究発表を行いました。
この新しいカリキュラムのプロジェクトは、リッチセンターとYSU、そして教育技術会社であるロボカインド社とのパートナーシップによるものです。
自閉症スペクトラム障害を持つ生徒の社会性指導を促進するために、人間に見える、顔で表現する支援ロボットを利用しています。
同センターでは、3歳から21歳までの生徒を対象に、「ミロ」と「ジェミ」という名前のロボット3台をカリキュラムに導入しています。
「すべての教師が新しいカリキュラムの研修を受けていますが、主に学校心理学プログラムの大学院生アシスタントを利用して、このカリキュラムを実施しています。
指導者と生徒の双方がiPadを使い、ロボットが簡単な説明やモデリング、一般的なファシリテーションをすることでレッスンを行います。
例えば、ロボットのミロは、興奮したり喜んだりする適切なタイミングについて生徒に尋ねたり、誕生日パーティーへの参加など、特定の環境や状況における適切な反応を教えるためにシナリオを実行します」
約90パーセントの生徒が週に1回以上、個人セッションを受けています。
教師はこのデータをもとに、社会性と情動の学習目標や進捗状況の確認など、生徒の個別教育プログラムの作成に役立てています。
この研究の目的は、教育者、家族、実務家が、ビデオモデリング、支援技術、応用行動分析療法、遊戯療法などの分野で、自閉症の生徒に対するエビデンスに基づく療育介入方法を支援することです。
「私たちは、自閉症スペクトラム障害の生徒の指導方法に関連して幅広い分野で研究を続けたいと考えています。
私たちのハイレベルな実践を共有し、地域社会を越えて、ベストプラクティスを伝えることが重要です」
(出典・画像:米ヤングスタウン州立大学)
学校に子どもたちが戻ってきて、再び活躍の機会が増えるのでしょうね。
日本ではどうなんでしょう。
特別支援学校の廊下にいる自閉症の子たちと一緒に過ごすロボット
(チャーリー)