- トランスジェンダーや自閉症、ADHDなど、自分のアイデンティティや診断との向き合い方についてどんな喜びや勇気が見つかるのか?
- 親や家族が子どものカミングアウトや診断に対してどのようなサポートをすればいいのか?
- 誰かが自分を理解してくれて、受け入れてくれることの重要性とは何か?
マーテルに「自分であること、自分を見つけること」の喜びと勇気を教えてくれたのは、息子のサムでした。
12歳のサムは、トランスジェンダーであり、自閉症であることを誇りに思っています。
彼の診断をきっかけに、42歳の母親マーテルは自分自身を深く見つめるようになり、昨年、彼女も自閉症と診断されました。
サム
私はメルボルンに住んでいて、6年生です。
兄弟が一人いて、乗馬が趣味で、バンディットという馬に乗っています。
自分がトランスジェンダーであることは、ずっと前からわかっていたような気がします。
いつも頭の片隅にあるものでした。
でも、自分の気持ちを表現する言葉ができるまでは、そのことを口にしたことはありませんでした。
いろいろ調べてみて、その言葉を見つけると気持ちがいいです。
なぜなら、私のような人が他にもいるような気がしたからです。
私は2年前にノンバイナリであることをカミングアウトしました。
これはすべての人に当てはまるわけではありませんが、私にとっては、ノンバイナリであることをカミングアウトすることは、水につま先をつけたようなものでした。
自分がどう感じているのか、試せる中間地点のようなものです。
その後、1年ほど前にトランスジェンダーであることをカミングアウトしました。
10歳のときに自閉症と診断され、その数週間後にADHDとも診断されました。
私はそのことをあまり気にしていません。
誰かが私にレッテルを貼っただけで、あまり変わりませんでした。
なぜなら、私は自分のしていることが奇妙だとか、普通でないとか、三人称で自分を見ているわけではないので、そうは思えなかったからです。
自閉症であることとADHDであることは、私にとって人付き合いをとても難しくしています。
なぜなら、明るすぎたり、うるさすぎたりするからです。
それに加えて、私はトランスジェンダーなので、自分の体に違和感があるんです。
それがすべて同時に起こっているのです。
とくに衣服関係では、感覚がおかしくなることがあります。
トランスジェンダーであることで、さらに困難が増しています。
私は胸を縛るので、服はそれに似合うものでなければなりません。
また、快適で気持ちよく、不快感のない生地でなければなりません。
そして、自分が気持ちよく着られるという意味でも、服は格好よくなければなりません。
どんなに快適でも、パジャマで出歩くわけにはいきません。
時間はかかりましたが、ようやく柔らかくて気持ちのいい洋服に出会えました。
これで快適に過ごせるようになったので、本当にうれしいです。
マーテル
私もパートナーも、サムを尊敬し、誇りに思っています。
なぜなら、彼は自分が何者であるか、何者でありたいかをきちんと受け入れているからです。
彼が自分の道を切り開き、自分のアイデンティティに誇りを持っているのを見ると、ただただ感心するばかりです。
しかし、それはかなりの道のりでした。
サムがカミングアウトする前から、私はさまざまなジェンダー・アイデンティティを意識していたので、少しは理解していたのですが、それはごく基本的なものでした。
なので、この機会にできる限り深く掘り下げて調べてみることにしました。
そして、サムの自閉症診断により、私たちが以前から疑っていたことが確認されました。
それは、彼が経験してきたことのいくつかを説明するものでもあったのです。
サムの診断をきっかけに、自閉症とはどういうものなのか、改めて調べてみることにしました。
読み進めていくうちに、私はこう感じました。
「あら、私はここにあるすべての項目に当てはまるわ。これは私だ」
昨年、私も診断を受けたことで、肩の荷が下りたような気がしました。
ずっと何かがおかしいと感じながら生きてきたのに、その原因を突き止めることができない。
しかし、このレッテルを貼られて、すべての理由がわかったのです。
自分の脳をよりよく理解し、壊れているわけでも、障害があるわけでもなく、ただオペレーティングシステムが違うだけだとわかって、とても心強く感じました。
他の親や家族へのアドバイスするなら、若い人がカミングアウトしたり、診断を受けたりしたときは、とにかく彼らを信じてあげてください。
そして、これは彼らの彼ららしい人生経験であることを信じてあげてください。
疑ったり、質問したり、裁いたり、恥をかかせたりするのは、違います。
ただ、揺るぎない愛を与え、彼らの支えになってあげてください。
また、一人ではありません。
とくに最初のうちは、孤独で、困難で、孤立しているように感じるかもしれません。
でも、世の中にはたくさんのサポートがあります。
子どもが苦しんでいたり、本当につらい日々を過ごしているのを見ると、親としてはかなり心が痛みます。
でも、なかなか思うようにはいきません。
私が望んでいるほど歓迎され、安全で包括的であるとは限らない世界を、サムがどのように乗り越えていくのか、時々心配になります。
なので私たちの焦点は、サムが家で家族と一緒にいて、できるだけ安全で、自分のアイデンティティをしっかりと感じられるようにすることです。
この素晴らしい子どもが私たちの人生にいることを、私はとても幸運に思っています。
彼は毎日、私に何かを教えてくれています。
(出典・画像:豪abc)
子どもから学ぶこと、もらうことはたくさんあります。
私もうちの子からたくさんもらっています。
いつまでも仲良く過ごされることを願っています。
(チャーリー)