- 発達障害の女性がサイバーセキュリティの職務でどのような役割を果たすことが期待されているのか?
- 発達障害を持つ人々が職場環境において直面する課題は何か?
- 自閉症やADHDなどの発達障害を持つ女性たちが、雇用主や大学に障害のことを知らせることに抱く懸念や不安は何か?
英国の諜報機関の一つである政府通信本部(GCHQ)とBAEシステムズが、サイバーセキュリティの仕事でより多くの発達障害の女性を求めています。
労働力不足に対処するために、自閉症スペクトラム障害、失読症、注意欠陥多動性障害(ADHD)の女性たちをサイバーセキュリティの職務に積極的に招こうとしています。
発達障害の人たちは、職場環境において課題をかかえています。
英国家統計局は昨年、自閉症の人の22パーセントが仕事に就いていると報告しました。
これは、他の障害の人たちと比べると最も低いものでした。
しかし近年、一部の業界では、発達障害の人たちが積極的に求められています。
GCHQやBAEシステムズと協力して女性の採用を増やしている社会的企業、コード・ファースト・ガールズ社は、雇用主が「迅速なパターン認識、より鋭い正確さ、細部へのこだわり」を必要とするサイバーセキュリティの職務でとくに発達障害の女性が求められていると述べています。
BAEシステムズは、発達障害の女性は「私たちが埋めたいと強く思っている業界のギャップに応える」代表であると述べています。
GCHQは2019年に発達障害の人たちの採用を増やすと発表しました。
現在ではとくに、発達障害の女性に呼びかけています。
GCHQはテロ対策、サイバーセキュリティ、組織犯罪への対策に重点をおいています。
GCHQの戦略、政策、エンゲージメントのディレクターであるジョー・キャヴァンは、こう言います。
「ニューロダイバーシティは、英国の安全を守るための鍵です。
GCHQでは、最も有能で創造的な人の中に、失読症、自閉症、算数障害など、発達障害をかかえる人たちがいます。
多様な人たちでのチームでさまざまな考え方を持つことは、私たちが任務を遂行し、テロリスト、犯罪者、敵対国家がもたらす新たな脅威に取り組む上で、より有利に働くのです」
BAEシステムズのデジタル情報部門の多様性と包括性の責任者であるテレサ・パーマーは、サイバー産業はとくに発達障害の人から恩恵を受けることができると言います。
「私たちは、世界観をもつ人たちの考えを含めることで、ユニークな製品やサービスを提供することができます。
『違い』があることで、創造性、革新性が向上します」
BAEシステムズの成長しているデジタル・インテリジェンス部門は、サイバーセキュリティやデータ分析サービス、ソフトウェアを他の企業や政府機関に販売しています。
コード・ファースト・ガールズ社が1250人の女性プログラマーを対象に行った調査では、約5分の1が発達障害をかかえていることがわかりました。
さらに、そのうちの5分の2は、雇用主や大学にそのことを知らせていないと答えています。
場合によっては不快に感じたり、批判されることを恐れたりしていることが理由です。
また、3分の1は、それを知らせることが自分のキャリアに影響を与えるかもしれないと考えていると答えています。
コード・ファースト・ガールズ社は、雇用主に対して、思考プロセスやプロジェクトをマップ化するソフトウェア、ノイズキャンセリングヘッドフォン、音声テキスト化または音声テキスト化ソフトウェアなどの支援ツールを発達障害をかかえる従業員に提供するように奨励しています。
(出典:英The Guardian)(画像:英国GCHQ)
日本でも、進んでほしいと願います。
すごい人たちなのですから。
(チャーリー)