- マスクが自閉症を公表したことによって、自閉症に対する認識が変わる可能性はあるか?
- マスクの自閉症についての話題が彼について新たな洞察をもたらす可能性はあるか?
- マスクの自閉症が彼自身の行動やコミュニケーションスタイルにどのような影響を与えているのか、理解することの重要性はあるか?
実業界の大物でTwitterの新オーナーであるイーロン・マスクは、少し前に自分が自閉症であることを明かしています。
世界一の富豪であるマスクは自閉症です。
権威ある王立協会のフェローであり、タイム誌の2021年パーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれたマスクは自閉症です。
地球上で最も有名な人物の一人が、自閉症なのです。
そのことはもっと注目するべきことではないでしょうか?
自閉症に対する認識を高め、態度を改善することは重要です。
現在、社会、特に科学技術の分野では、「ニューロダイバーシティ」に対する評価が高まってきています。
それなのに、マスクの自閉症についてこれほどまでに語られていないのは驚きです。
このことは、今や影響力のある人物でありながら批判を受け続けているマスクを理解するために有益であるだけでなく、自閉症に関連する長所と短所を浮き彫りにする上でも大きな意味を持つかもしれないのです。
マスクの話は、彼、自閉症、神経多様性について学ぶチャンスです。
社会における彼の決定的な位置を考えれば、公の場での言説がさらに悪化するのを放置しておくだけではなく、マスクを理解しようとすることは価値があるはずです。
マスクは、子どものころの社会的苦悩を語っています。
人と違うという理由でいじめられ、「死ぬほど殴られそうになった」と述べています。
ドキュメンタリーの中で、マスクの母親は彼が「若き天才」であると同時に、内気で友だちのいない不器用な子どもであったと語っています。
マスクは、自閉症の特性とそのために幼少期に受け入れられなかったという経験をもっているのです。
しかし、マスクが自閉症であることに向けられた罵倒は大人になっても続きました。
Twitterの幹部は彼を「特別支援が必要な人」などと称しました。
しかし、この発言を非難した人はわずかでした。
悲しいことです。
自閉症の人たちが職場やより一般的に直面しているいじめを反映しているように思います。
このような敵意は、自閉症の人が障害者グループの中で最も高い失業率に直面している理由の一部だと考えられています。
マスクは、他の人たちよりもはるかに強力に自分を守ることができる立場にあります。
しかし、マスクがTwitterで防衛的になったり、喧嘩腰になったりするのは、彼が人生を通して経験してきたいじめが関係しているのかもしれません。
マスクは感情的に頑健に見えますが、自閉症や発達障害の人たちには、しばしば表面下でより多くのことが起こっていることも覚えておいてください。
研究によれば、自閉症の人たちは「マスキング」や「本当の自分を隠す」といった心理的に疲弊する対処法を用いており、それが精神衛生を悪化させる可能性があることが分かっています。
また、自閉症は、文字通りの思考につながることもあります。
これは、マスクが最近所有権を取得したTwitter本社に洗面台(シンク)を物理的に運び込み、英語での一般的なフレーズ “let that sink in”(よく考える)をもじって表現したことにも象徴されるでしょう。
もちろん、それは宣伝のためもあるはずですが、多くの慣用句が文字通りの意味をなしていないという事実をコミカルに指摘したのかもしれません。
このような非文字通りの言葉の使い方は、自閉症の人たちにとって必ずしも自然なことではないからです。
また、このような型破りなユーモアを理解し評価する人がいる一方で、多くの人は奇妙に思ったり、不適切に思ったりするようです。
米国のヒット番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演したマスクは、自分の自閉症によるコミュニケーションスタイルがいかに変わっていてユーモアがあるかについて、
「私はいつもイントネーションや話し方のバリエーションが単調です。
それが素晴らしいコメディだと言われています」
そう、コメントしています。
変わった話し方は、これまでの研究の中でも自閉症との関連が指摘されています。
例えば、自閉症の人の話し方は、ピッチなどの音響的な特徴が異なるため、ぶっきらぼうに見えたり、無礼に思われてしまうことがあります。
ソーシャルメディア大手のツイッターを買収したマスクは、公的な場面ではそのように映ってしまうのかもしれません。
マスクの功績は、科学技術における自閉症の強みを反映しているとも考えられます。
昨年のインタビューでは、
「ただ独りきりで、コンピューターのプログラミングに一晩中費やすことにやりがいを感じます」
そう語っています。
子どものころに友だちと遊ぶような社会的にありふれた活動ではなく、特定の関心事に専念することで、一部の自閉症の人が並外れた才能を持ち、特定の分野で自閉症でない人を上回ることがあるのには、このような理由があるでしょう。
世界で最も有名な人物の一人が自閉症であることは、必ず自閉症に対する認識を高めることになります。
これは、研究者、慈善団体、自閉症コミュニティが何十年にもわたって試みてきたことです。
マスクが自閉症であることを思い出すことで、この取り組みが前進するならば、それは価値のあることかもしれません。
(出典:英THE CONVERSATION)(画像:Pixabay)
良いイメージ、良くないイメージ、
Twitter社買収の件で、ますますどちらもありそうですが、本当にすごい人です。
ただもちろん、自閉症、発達障害の人たちみんながみんなそうではありませんので。
(チャーリー)