- 自閉症の人が警察に呼び止められるとき、どんなストレスがかかるのか?
- 警察官が自閉症の人を評価する際、どのような行動を基準にするのか?
- 自閉症やコミュニケーションが困難な人が運転免許証に状態を記載することのメリットは何か?
米ニュージャージー州の議員たちが、自閉症スペクトラムやその他のコミュニケーションの問題をかかえる人たちが、運転免許証や運転免許証以外の身分証明書に自分の状態を自主的に記載できるようにするための超党派の法案を検討しています。
自閉症の人が警察に呼び止められるのはどんな感じでしょうか。
誰にとってもストレスになることですが、自閉症の人にはとくにストレスとなるはずです。
言葉でのコミュニケーションや他の合図を拾うことが困難な人にとっては、そのストレスから、さらに安全でない状況に陥る可能性が非常に高くなります。
警察と接するときはいつでも、第一印象が重要です。
警察官は、誰かの行動がいつもと違うか、不審なものであるかを、非常に迅速に判断しなければなりません。
自閉症の人の場合、その評価で典型的な行動をとらないことがあります。
目を合わせないかもしれません。
通常の速度で話さないかもしれません。
彼らはあまりにも遅く、または早すぎる話をするかもしれません。
命令にすぐには従わないかもしれません。
こういったことを警官がチェックリストで調べて、「これは普通じゃないな」と思います。
「これは異常なことなのか?それとも、何か別の視点が必要なのだろうか?」
自閉症やコミュニケーションが困難な人は、すぐに反応が高まるだけでなく、バックミラーに映るライトを見て、いろいろなことが引き起こされるのかもしれません。
自閉症の人の言語的・非言語的なコミュニケーションの障害に基づき、多くの誤解が生じる可能性があります。
ひとつの例です。
自閉症の青年が運転していて車を止められ、警官がやってきて、「免許証と車検証を見せてください」と言いました。
彼はそれを提出しました。
第一段階はOKです。
そして、警官が「よし、あの駐車場に車を止めてくれ」と言いました。
そのとき、自閉症の青年はこう考えました。
「免許証がなければ車を運転できないのに、もう免許証は取り上げられている。
警官が自分を騙して違法なことをさせようとしている」
そう、思い
「できません」
と答えました。
しかし、彼はストレスで、できない理由を説明することができませんでした。
自閉症スペクトラムやその他のコミュニケーションの問題をかかえる人たちが、運転免許証や運転免許証以外の身分証明書に自分の状態を自主的に記載できるようにする法案は、ここ数年の間に何度も提出されています。
オーティズム・ニュージャージーのエグゼクティブディレクター、スザンヌ・ブキャナン博士はこう言います。
「今回の法案は強力な支持を得ています。
自閉症コミュニティの多くの人々にとって最も重要なことはもちろん、記載が『任意』であることです。
本人の意思で、そして必要に応じて、両親や保護者、介護者など、本人のことを一番よく知っている人たちと協力して行うのです。
運転免許証は警察で使われるだけでなく、地域住民や他の人々とのあらゆる交流の場で使われます。
私たちは、誰もが自分の利益や選択につながらない状況で、診断を公表しなければならないと感じるようなことがないようにしたいと考えています」
この法案では、警察官が自閉症やその他の障害を持つ人と効果的にコミュニケーションできるようにするためのガイダンスも求めています。
「自閉症に関する警察の訓練には、2つの基本があると思います。
1つは、自閉症の症状とその現れ方、そして自閉症の人がどのように日常生活を送るかについて学ぶことです。
自閉症といっても、その範囲は非常に広いのです。
平均あるいはそれ以上の知能を持つ人もいれば、重度の知的障害を持つ人もいます。
自閉症の現れ方は千差万別なのです。
ですから、基本的な症状を理解し、その個人に自閉症がどのように現れるかを理解しなければなりません。
そして、自閉症の人についてよく知っている人たちと一緒に、よくあるシナリオをロールプレイする機会を設けることです。
そうすることで、そのような状況に陥ったときの自閉症の人を想像し、それを実践し、さらに助けを求めるにはどこに行けばよいかを知ることができます。
そして、そのような状況に陥ったときに、どこに連絡すればいいのか、本人や家族をつなぐのは誰なのかがわかるようにすることが重要です」
(出典:米Gothamist)(画像:Pixabay)
伝えたくない方もいらっしゃるので「任意」であるなら、伝える必要がある自閉症、発達障害の方には誤解や不安を減らす大きなメリットがあると私も思います。
(チャーリー)