- 音楽療法はコミュニケーション能力を高める手段となるか?
- 自閉症や障害を持つ人々に対して音楽療法はどのような効果があるのか?
- 音楽療法を通じて、どのようなスキルが身につく可能性があるのか?
マイケル・フライは、話す前に歌うことができました。
30歳の言葉を発しない自閉症のマイケルは、コミュニケーション能力を高めるために、生涯を通じて音楽療法を利用してきました。
「マイケルは音楽が好きで、音楽を楽しんでいるので、一緒にするのはポジティブなことでした。
2歳頃から歌うことはできましたが、話すことはできませんでした。
ですから、脳の異なる部分が、歌う機能と話す機能を担っているのです」
そう母親のグレニスは言います。
マイケルは4歳の時に放課後の音楽療法クラスを受け始めました。
「音楽はコミュニケーションを教えるための手段です。
マイケルは長い間、言葉によるコミュニケーションはありませんでしたが、やがてコミュニケーションがとれるようになりました。
そして、順番を守ること、周りで起こっていることを観察すること、他の人と関わることを学ぶことなど、より多くのスキルも身につけていきました」
マイケルが幼少の頃は、ニュージーランド音楽学校の非常勤教授ダフネ・リクソン博士が教えていました。
「私は、娘が生まれつき重度のろう者であったことから、音楽療法に興味を持ちました」
リクソン博士は研究を通じて、音楽療法が自閉症や障害を持つ人々のコミュニケーション能力の向上や健康増進に役立つことを発見しました。
「音楽が私たちの生活に与える影響について考えれば、理解しやすいはずです。
誰でも音楽を聴いたとき、つま先を動かしたり、体を動かしたりします。
日常生活の中で音楽が私たちに影響を与えることはたくさんあるのです」
音楽療法の効果を理解してもらうために、「ニュージーランドの自閉症児の音楽療法」という論文をリクソン博士は発表しています。
「音楽療法が、子どもたちの感情のコントロールやコミュニケーション、人との関わりをどのようにサポートしているかがわかりました。
一言で言えば、音楽療法は子どもたちが成長できるような、自閉症にやさしい環境を作るということです」
マイケルは何百もの映画の主題歌を知っていると母親のグレニスは言います。
「祖母に会いに行くときには、CDを山ほど持っていくんです。
マイケルはそのCDで音楽を流し、歌っています」
(出典・画像:ニュージーランドStuff)
うちの子も小さなころから大きくなった今でも、お気に入りの音楽がかかると笑顔になって、踊りだしたりします。
その姿を見ると、こちらも楽しくうれしくなります。
自閉症スペクトラム障害の子の脳変化も確認できた音楽療法の効果
(チャーリー)