- 自閉症スペクトラムの子どもたちが水泳を学ぶ際にはどのような支援が必要か?
- 自閉症スペクトラムの子どもたちが水辺で安全に過ごすために何が重要か?
- 自閉症児や成人と水泳インストラクターが効果的にコミュニケーションを図る方法は?
7歳のキアディスは泳ぐのが大好きです。
自閉症スペクトラムのキアディスは、そうでない子どもに比べ、溺れる危険性が3倍もあります。
母親のジョー・レンショウは、キディスが水中で一対一の指導を多く必要とするため、オーティズム・スウィム・プログラムに参加させたと言います。
「息子は危険を察知することがあまりできません。
プールがあれば、すぐに入ってしまいます。
子どもたちがたくさんいる通常の水泳教室に通うのは難しいです。
先生は息子を気にし続けなければならなくなるからです。
下に落ちないように、上に上がらないように、そして他の子どもたちの邪魔にならないように」
2年半前に水泳のレッスンを始めてから、キアディスは成長したと言います。
「始めた当時は、顔に水がかかることさえ嫌がっていました。
今では、水中に潜ったり、息を止めたり、泡を吹いたりする姿を見ることができます。
立派になりました」
豪王立救命協会によれば、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもは、人ごみや騒音などの過度の刺激から逃れようと、水に引き寄せられ、迷子になる傾向が強いといいます。
また、水の危険性を理解していないことも多くあります。
「自閉症スペクトラムの子どもたちが水辺で安全に過ごせるよう、水泳や水の安全に関するレッスンを受けられるようにするべき」
そう研究グループは述べています。
豪王立救命協会によると、ASD を持つ子や青年は、ASD を持たない子と比較すると、溺死する可能性が著しく高くなっています。
全国死亡溺死データベースによると、2002年から2018年の間に、20歳未満の人々の間で667件の溺死がありました。
そのうち、ASDの診断を受けていたのは27人、4パーセントでした。
障害者相談員のエリカ・グリーソンは、オーティズム・スウィムを立ち上げました。
多くのクライアントが溺れる危険性が高まっていることを知り、危機感を覚えたからです。
オーティズム・スウィムは、水泳指導者、水泳センター、セラピスト、その他の水に関わる専門家にトレーニング、リソース、サポートを提供しています。
「水泳インストラクターに、水中で自閉症を持つクライアントのニーズに最適に対応するためのオンライントレーニングを提供しています。
オーティズム・スウィムは、徘徊と溺死防止の専門家であり、異なる学習スタイル、目標、アプローチの複雑さを理解し、すべてのスイマーに水の安全について教育するために必要なサポートの仕組みを理解しています。
親や家族に対しても、徘徊や溺水防止に関する専門的な資料、トレーニング、ワークショップ、個別のプログラムを提供しています」
キアディスの水泳インストラクターのジュリー・マクドナルドは、キアディスはこのトレーニングで大きな恩恵を受けているといいます。
このプログラムでは、主に水への意識を高めるものですが、生徒が自立して泳げるように教えることに重点を置いています。
「自閉症スペクトラムの子どもたちは、一人ひとり教育的ニーズが大きく異なります。
しかし効果的な教材が豊富にあるため、1対1のオーダーメイドのレッスンが可能です。
例えば、視覚教材を使ったり、感覚に問題がある場合は特別な器具を使ってスキルを向上させたり、すべてが楽しくなるように工夫します」
プログラムではまず、必要な安全技術を教え、子どもたちをリラックスさせた上で、機能的な泳ぎ方を教えます。
水中が自分の幸せな場所であり、感覚的な欲求を満たしてくれる場所であると認識し、水中に入る子どももいます。
一旦水に潜ると、戻って呼吸をしなければならないことに気づかないため、私たちは子どもたちと一緒に行動しサポートします。
自閉症スペクトラムの人たちに水泳を教えるのは大変なことであるものの、とてもやりがいのある経験だとマクドナルドは語っています。
キアディスの母親のレンショウは、月曜日はキアディスの大好きな日だと言います。
月曜日の朝、目が覚めると、「今日は月曜日、水泳の授業があるんだ」そう言うんです。
(出典・画像:豪abc)
日本でも、痛ましい事故がありました。
発達障害の子であれば、さらに気をつけて頂きたいと思います。
(チャーリー)