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「かわいそう」「治す必要がある」自閉症の人に対しての間違い

time 2022/10/08

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

「かわいそう」「治す必要がある」自閉症の人に対しての間違い
  • 何が自分を理解するのに苦労させているのか?
  • どうして他人との関係や社会的な手がかりをつかむことが難しいのか?
  • 自閉症や他の障害が自分や家族に与える影響は何か?

ジェニファー・ブラントンは、学業では常に優秀でしたが、社会的には自分は底辺にいると考えていました。
ジェニファーは日常的な交流に困難を感じ、人と人との関係を理解するのが難しく、簡単な社会的手がかりをつかむのに苦労していました。

ジェニファーは、自分の考え方が変わっていることは分かっていましたが、どうしてそうなのか、その理由を明確にすることはできませんでした。
大学4年生のとき、心に残る出来事が起こりました。

「私のパソコンが壊れたので、親しい友人に彼女のパソコンを貸してほしいと頼みました。
すると、友人たちは私のことを嫌いになったようでした。
私が彼らを本当に怒らせてしまったのは明らかでした」

ジェニファーは、自分が何をしたのか理解するのに苦労しました。

「今にして思えば、友人が何度も言っていた『パソコンを返してほしい』という言葉を聞き逃していました。
私の人生の中で最も辛い時期となりました。
ひどく孤独で、『普通』になって愛されよう、人を信じようとする努力がすべて失敗したように感じました」

数年後、米コロンビア大学で社会学の博士号を取得するために勉強していたとき、ジェニファーはようやく、何が自分を変えてしまったのかに名前をつけて説明できるようになりました。

「自閉症の女性、ドナ・ウィリアムズが書いた回想録を読んだんです。
生まれて初めて、自分が何者なのかがわかったんです」

ジェニファーは、卒業後に短期間、コミュニティカレッジの教授として働き、その後、作家や編集者として活躍しました。
結婚して二人の子どもに恵まれ一見、「普通」に見えることから、ジェニファーの問題は自分だけの問題でした。

しかし、息子が自閉症と診断され、学校での差別に直面するようになってから、

「息子のユニークな特性を受け入れ、祝福する」

ことの重要性を認識するようになりました。
そしてジェニファーはこう言います。

「私はその過程で、ニューロダイバーシティの擁護者、活動家になりました」

そして二人の子どもについて、行動、感情についての対極にあるように感じたことから、「フルスペクトラム・ママ」というブログを始めました。

「ブログは、家族が経験していることへの対処法、何がうまくいき、何がうまくいっていないのかを共有する場でした。
私にとっては、とても良い方法でした。
時が経つにつれ、何十万人もの読者を持つ素晴らしいコミュニティとなりました」

今年、ジェニファーは本を出版しました。
この本は、100人以上の自閉症の人たちの経験をもとに、彼らの心の働きがどのように違うかを示すとともに、彼らのためにもっと機会を開くための方法を提案しています。

自閉症でない人が自閉症の人と接するときに犯しがちな間違いには、次のようなものがあるそうです。

「自閉症の人よりも、自閉症の専門家を優遇する」
「自閉症を治す必要があると考えたり、治したいと思い込む」
「自閉症の人をかわいそうと思う」
「自閉症の人を子どものように扱う」
「自閉症でない人たちの考えのほうが優れていると思う」

こうした偏見の例として、ジェニファーは目にした、自閉症の「予防」研究の記事についてこう言います。

「自閉症は多くの自閉症者のアイデンティティを構成する不可欠な側面です。
自閉症予防の取り組みは、この集団の人格や基本的な価値、妥当性を直接的に脅かすものです。
自閉症のすべての人の代弁になるものではありませんが、『予防』されることを望む人はほとんどいないはずです」

自閉症の人の視点や経験は千差万別であることから、ジェニファーは、自閉症スペクトラムの人たちの意見に耳を傾け、一人ひとりをユニークな個人として扱うことを勧めます。

「さまざまなコミュニケーションのあり方を尊重してください。
私たちは、多様な人たちは、他の人たちと同じように長所と短所を持つ貴重な人間であり、それゆえに完全に受け入れる価値があるという事実を認めるようにしたいのです」

(出典:米コロンビア大学)(画像:Pixabay

多様であるから、生き残り、進化してきました。

誰しもが尊重される存在です。

ディスレクシアの強み「探求」で人類が繁栄。英ケンブリッジ大

(チャーリー)


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