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「私も苦労した」自閉症の青年が開発した感情を顔に出すロボット

time 2022/09/25

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

「私も苦労した」自閉症の青年が開発した感情を顔に出すロボット
  • 自閉症スペクトラム障害の子どもたちが感情や社会的適切性を教えることは、なぜ重要なのか?
  • オービットは、どのように自閉症スペクトラム障害の子どもたちと関わっているのか?
  • オービットを通じて、ASDの子どもたちがどのような成長を遂げることが期待されるのか?

「やあ、こんにちは。あなたの新しい仲間を紹介しましょう。
オービットです。一緒に遊んだり、話を聞いたりできるロボットです。
オービットはあなたの声を聞くことができるだけでなく、あなたのことを感じることもできます」

手のひらサイズのロボットが微笑みながら背中のボタンを押すように促し、優しく押せばにこやかに反応し、インタラクションが難しければ悲しそうな顔で反応します。

「あら、強く押しすぎたみたいね。
オービットは悲しんでいて、元気が欲しいみたい。
お腹をくすぐってみたら、うまくいくかもしれませんよ」

オービットは、ストーリーテリング、身体的インタラクション、ビジュアルコミュニケーションを通して、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもたちに感情や社会的適切性を教えることを目的とした対話型ロボットです。

英ラフバラ大学で製品デザインとテクノロジーを専攻し、最近卒業したベン・パウエルが開発しました。

ベンは、自身が高機能自閉症と診断された経験から、ASDの子どもたちが社会性を身につけることがいかに困難で恐ろしいことか、身をもって体験しているのです。

「ASDの子どもたちに共通する困難は、感情認識の問題から、他者と社会性を築くのに苦労することです。
彼らは、人が何を感じているか、何を言っているかを察知できないことがあり、私もそれに苦労しました」

ASDの子どもたちに感情認識を教えることを目的とした、言語療法士が主導する既存の療育方法はいくつかあります。
学校向けにそうした機能を持つロボットも開発されていますが、高価なものとなっています。

ベンは、自身の経験に触発され、市場のギャップを認識し、ASDの子どもたちが文脈の中で感情を理解し、社会的スキルを独自に開発できるよう、最終学年のプロジェクトの一環としてこのロボット、オービットを開発しました。

宇宙をモチーフにしたこのロボットは、物語を語り、語られている内容に対応した感情を「顔」に表示します。
ユーザーがロボットに触れ、関わることを促し、社会的に許されない行動には、言葉や視覚的な合図で反応します。

「ストーリーテリングは便利ですが、多くの場合、ナレーターがストーリーを語り、ASDの子供にとっては、感情を読み取るのに音声の手がかりに頼らなければならないため、これが問題になることがあります。
オービットは実際に顔の表情を変えることで物語の感情を表現しています。

二次的な機能として、オービットと言葉や視覚によるインタラクションを促します。
オービットに個性を与えたことで、子どもたちはロボットとの関係を築き、共感することができるのです。

例えば、オービットを強く押したり叩いたりすると、ロボットは悲しそうな顔をしたり怖がったりします」

ベンは、これまでにいくつかの機能を試すためにプロトタイプを作成し、音声認識、前面のタッチセンサー、背面の力検知抵抗器などを搭載しました。

ベンは、ASDの子どもたちを本当に助け、彼らの自信と社会的スキルを向上させたいと考えています。

「最終的には、このロボットで子どもたちが話すようになることを願っています。
自閉症の子どもたちは、お互いに話したり感情を解読するのに苦労します。
ロボットと話すことで自信がつき、やがて子どもたちは自信を持って他の人と話し、友情を築くことができるようになればと思います」

(出典:米Medical Xpress)(画像:YouTube

もっともっとロボットには活躍してほしいと期待しています。

特別支援学校の廊下にいる自閉症の子たちと一緒に過ごすロボット

(チャーリー)


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