- 言葉を話すことのできない子どもの安全確保にはどのような支援が必要か?
- 自閉症や発達障害を持つ子どもたちを持つ家族が地域社会で直面する課題は何か?
- 道路標識や周辺環境の工夫が、自閉症や発達障害を持つ子どもたちの安全にどのように寄与しているのか?
自閉症の男の子の母親は、ある道路標識によって自分の住む地域が少しでも安全になることを願っています。
米イリノイ州サウス・ロクサナに住むアリ・ハリスには、6歳の息子キレンがいます。
キレンは自閉症です。
言葉を話すこともできません。
キレンは車が大好きで、近くの通りはスピードを出した車が走っているので、事故に巻き込まれないかアリは心配です。
「ドアにはボルトを付けています。
それでも、怖いことが起こる可能性は常にあります。
キレンは道端の石や土を拾うのも大好きで、砂時計のように砂を手から流すと落ち着くことができます。
しかし心配なのは、車がクラクションを鳴らしても理解できないからです」
母親のアリは、道路標識のようなものを作ればドライバーにも、そして自宅の向かいにある公園で、なぜキレンはしゃべらないのかと尋ねる家族にも息子に対する認識を高めてもらえると考えました。
しかしそれをどう実現していいのかわかりませんでした。
アリが勤めているレストランに地元警察のボブ・コレス署長が訪れてきたときに、少し話をしました。
「自閉症の子どもについて知っていますか?
私には言葉を話すことができない子どもがいて、それを伝える道路標識のようなものがあれば助かるのですが」
コレス署長は、アリだけではなくメリットがあることだと考えました。
こう言います。
「言葉を話さない子どもがいる家庭で、家庭内暴力の事件がありました。
そうした標識があれば助けになったでしょう」
それから数日のうちに、アリの家の前に明るい黄色の「自閉症児エリア」の標識が立てられました。
ドライブから帰ってきたときに、アリはこれを見つけました。
「ああ、神様ありがとうございます」
同じような道路標識を求めて運動を続けている他の家族もいます。
2020年、米ニューヨーク州運輸局は、自閉症の3歳の子どもを守りたいという家族の要望を受け、「Child With Autism」の標識を認可しました。
2021年には、米オハイオ州の母親によって、中学1年生の息子を守るための「盲目の子どもエリア」の標識が認められています。
これらの標識が機能するかどうかは、米国知的発達障害協会の事務局長兼CEOであるマーガレット・ニグレンは状況によると言います。
「倫理的に難しい場合があります。
プライバシー法、特に差別や嫌がらせの可能性、景観を乱すことへの懸念を禁止している自治体では、標識の設置を思いとどまる可能性があります」
また、標識が適切に設置されていなかったり、子どもが道路の別の場所に飛び込んだりした場合、安全性について誤った期待を抱かせる可能性もあると言います。
また、誰もが標識に従うとは限りません。
「人々が互いに知り合い、近所に住んでいるような小さなコミュニティであれば、標識に従う可能性は高くなります。
子どもを守ろうとして、取り組んでいる家族には拍手を送りたいと感じます」
母親のアリは、ニーズや行動が大きく異なる自閉症の子どもたちの家族のすべてに、この標識が役立つとは限らないことはわかっています。
しかし、この標識が設置されて以来、車の交通量が減っていることに気づき、彼女の家族はこの結果に感謝しています。
(出典・画像:米TODAY)
すべての家族の要望に応えることはできないと思いますが、よかったですね。
うちの子も小さなころに、自宅からいなくなってしまったことが数回あります。
幸い、当時は前の道はそんなに車は通っていませんでしたが、車が多かったらと考えると、このお母さんの気持はよくわかります。
(チャーリー)