- 自閉症や他の神経多様性をもつ学生の大学生活を成功させるために、どのようなサポートが提供されるのか?
- 自閉症のプログラムに参加する学生には、どのようなスキルやニーズに対応する支援が行われるのか?
- 自閉症の若者が社会的つながりを築くために、どんな取り組みやプログラムが提供されるのか?
この秋、米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に入学する自閉症スペクトラム障害の新入生は、大学生活とその後の人生において成功するためのさまざまなサポートを提供する新しいプログラムに参加することができます。
イリノイ大学神経多様性イニシアチブ試験プログラム(I-N-I)は、学生の学業、社会、職業上の成功を促進するために、自閉症に特化したサービスを提供する予定です。
ニューロダイバーシティは、自閉症のほかに、失読症や注意欠陥多動性障害など、脳の機能、学習、情報の保存が通常とは異なる状態を指すことが多いようです。
自閉症プログラムおよび自閉症の高校生のためのバーチャルサマーキャンプ「I-Ready」のディレクターであるジャニー・L・クレイマーはI-N-Iの目標は、ニューロダイバーシティのある新入生を入居日から就職、卒業までサポートすることだと述べています。
このプログラムでは、学業、社会的スキル、メンタルヘルス、職業スキルの4種類のスキルやニーズに対応します。
このプログラムに参加する学生は、自己認識、自己弁護、履修計画の立案や整理などの実行機能を促進するコース、ソーシャルメンタリング・グループ、心理学科の臨床医と毎週個別に行うメンタルヘルス・チェックインに参加することができます。
自閉症の新入生の中には、高校時代に勉強の手助けをほとんど必要としなかった人もいれば、個別教育計画や504計画(合理的配慮に対する学生の権利を保護する学校との正式な合意)を通じて支援を受けていた人もいます。
サポートサービスが分散化され、親が代行してくれない大学環境に移行することは、こうした学生にとって大学生活を特に困難なものにするとクレイマーは言います。
「大学レベルで学問的に成功するには、多くの新しい社会的スキルが必要ですが、これらの学生のほとんどは自然に身につけることができません。
私たちが始めた最初のクラスは、参加者が学校で成功するための戦略を教えるものです。
その中には、学習グループに参加する、教授とコミュニケーションをとる、課題やプロジェクトの期限を把握する、などの勉強法や戦略も含まれます」
自閉症の若者の多くは社会的なつながりを作るのが難しいため、I-N-Iでは、参加者が他の学生や同じ興味を持つクラブや組織とつながるために必要な社会的スキルを練習するのを仲間が手助けするメンタープログラムを提供する予定です。
雇用の確保と維持にも社会的スキルが必要であり、参加者が社会で活躍できるように準備することが、この取り組みの重要な部分です。
I-N-Iでは、インターンシップやその他のイベントを通じて、参加者に潜在的な雇用者と関わる機会も提供します。
「ニューロダイバースの人材を雇いたいと考えている企業があります。
ニューロダイバースの脳は、適切なサポートがあり、適切な人々が取り囲めば、世界最大の問題を解決できるようにできています。
このような人材こそ、アメリカ企業が本当に求めている人材なのです」
2021年にI-Readyの仮想サマーキャンプに参加した2人の新入生が、I-N-Iの最初の応募者でした。
この秋の第1期生は、5人から12人を目標としています。
「少人数制にするのは、生徒とその家族をよく知り、彼らの要望を理解し、それに応えたいからです」
参加者の両親のためのサポートグループも用意する予定です。
(出典・画像:米イリノイ大学)
すばらしい取り組みですね。
多くの大学にも広がってほしいと期待します。
米ハーバード大学のニューロダイバーシティ、発達障害の学生事情
(チャーリー)