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知的障害などのアーティストが主役。完璧よりも情熱や喜びが重要

time 2022/08/02

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

知的障害などのアーティストが主役。完璧よりも情熱や喜びが重要
  • 障害を持つアーティストが自信やスキルを身につけるためには何が必要なのか?
  • 障害を持つ人がアートを通じて自分を表現し、成長することの意義は何か?
  • 障害のある人がアートで活動する際に最も重要な要素は何か?

ヴィンセント・ジェラルド・ウォルターズは、プロのミュージシャンになる夢が破れた時のことを思い出します。

「若い頃、私はオペラ歌手になるための訓練を受けていました。
しかし、深刻な障害を持つようになり、人生に支障をきたすようになりました。
プロの歌手になるチャンスが失われてしまったのです」

診断を受けても、ウォルターズは音楽が人生の大きな部分を占めていることを確信していました。

「ひどい状況から解放されるのは、ギターを抱えて歌うときだけでしたし、そうすれば症状も治まるのです」

豪ニューサウスウェールズ州中北海岸の新しい包括的なアートプログラムが、ウォルターズにステージで夢を実現する機会を与えました。

WRAPとして知られるWauchope Regional Art Programは、障害を持つアーティストが自信とスキルを身につけることを支援するために作られたプログラムです。
WRAPは、障がいのあるアーティストが自信とスキルを身につけられるよう、プロのアーティストとの出会いの場を提供しています。

WRAPの演劇クラスに参加したウォルターズは、次のように言います。

「ここの受け入れ態勢は、本当に素晴らしいものです。
このようなグループは、他のどこにもない機会を与えてくれます」

ウォルターズは、シンガーでミュージシャンのイアン・キャッスルの指導を受けています。
キャッスルはこう言います。

「これは、彼らが個人として持っている強みを生かした共同作業です。
私は刺激を与えているのです」

ウォルターズたちは、ArtWalkと呼ばれる地域の主要な芸術祭のステージで、大勢の観客の前でパフォーマンスを行いました。
夢のような出来事でした。

「観客が応援してくれると、パフォーマンス全体がまったく新しいレベルに引き上げられるんです。
観客の顔や歓声、手拍子を見れば、それがわかる。本当に気分が高揚するんです」

カースティ・ジョージズは、両親や家族が番組と自分の演技に興奮していると語りました。

「胸の中でそれを感じています。幸せな気分です」

このインクルーシブ・プログラムで成功を収めたのは、ステージパフォーマーだけではありません。

ケリー・カインズにとって、ビジュアルアートを創作することは常に喜びの源です。
しかし、つらい経験もしてきました。

「知的障害があるため、なかなか相手にされないことが多かったのです。
でも、いつも絵を描くことは私の情熱でした」

カインズは、このプログラムとそのワークショップに参加できることを大変喜んでいます。

「このような包括的な場所を見つけるのは難しいです。
このアートクラスでは、特に、私たちがただ脇に追いやられるような感じはしません」

カインズの作品はWauchope Art Galleryで開催されたArtWalkイベントの一部として、正面中央に展示されました。

「家族や友人、町の誰もが私の作品を見ることができるのです。
障害者と芸術が、このように素晴らしい形で融合しているのを見るのは嬉しいです」

カインズは、グラフィックデザイナーのミッシェル・ケイとペアを組み、指導を受けました。
ケイはこう言います。

「美しく、謙虚で、リアルで、人生そのもの。
誰にも見る価値があるものです」

WRAPを立ち上げたヴィッキー・マッキーはこう言います。

「この地域には、非常に活発なアートコミュニティーがあるにもかかわらず、障害者とのつながりがなかったのです。
障害のあるアーティストが、隔離されていました」

マッキーは、障害のあるアーティストをメインにできたことは、素晴らしいことだと言います。

「彼らの多くが人前でパフォーマンスをするようになったのは、これが初めてです。
彼らの自信の成長、そして自分自身を保持する方法、見知らぬ人とコミュニケーションをとる能力、それが急上昇しています」

マッキーは、障害を持つ自分の娘が、取り組むきっかけになったといいます。

「私はいつも、娘が最高の人生を送れるよう、最善を尽くしています。
そしてこれは、この子たちに機会を与えるということなのです。

芸術の世界では、完璧であるとか、最高であるとかいうことが重要なのではありません。
その人が作品やダンスに込める情熱や喜びが重要なのです。
完璧である必要はないのです。
それが素晴らしいのです」

(出典・画像:豪abc

障害のある人によるアート。

それらの多くは独創的ではあるものの、すごく下手なものかもしれません。

しかし、すごい笑顔で取り組んでいたり、一心不乱に取り組んでいたり、それを目にしたり想像することができて、その純粋な情熱にも心動かされ、圧倒され、そこにもすごい価値を私は感じたりします。

たとえば私にとっては、うちの子が描いた、なんだかわからないすごく下手な絵なのかなんなのかわからないものであっても。

日本でもそうした障害のある方のアートでの取り組みをよく目にしますが、いつしか、アートを作られている方たちがわき役になっていき、周辺の人のほうが主役のようになっていくのを見ることが多くて、悲しく、残念な気持ちになります。

自閉症の兄弟と父はアートと技術で「能力」を知ってもらいたい

(チャーリー)


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