- この服は、どのような特徴があって、自閉症や感覚処理障害を持つ子どもたちに適しているのか?
- 自閉症や感覚処理障害を持つ子どもたちが服を選ぶ際に直面する具体的な問題は何か?
- この服のデザインにおいて、どのような工夫や配慮がなされていて、なぜそれが重要なのか?
米ボストン市立学校の先生、ジュリア・デネイは、放課後に自閉症や感覚処理障害を持つ子どもたちのために服を作っています。
ジュリアの会社Sense-ational Youでは、4歳から14歳の子どもたちを対象としたインクルーシブでユニセックスなファッションに焦点を当てています。
音を軽減するフードやアイマスク付きのスウェットシャツ、ラベルのない服、マグネットクロージャーと調節しやすいゴムウエストのバンド、圧縮裏地のついたTシャツなどがあります。
2021年に米国疾病予防管理センターは、米国では約44人に1人の子どもが自閉症スペクトラム障害と診断されると報告しています。
学齢期の子どもの最大16パーセントが感覚処理に問題をかかえています。
ジュリアは卒業した米コーネル大学では繊維科学を専攻し、子ども向けのファッションデザインに携わるつもりでした。
しかし、自閉症の子どもたちと働く仕事に就きました。
そこで多くの親たちが、子どもたちが服を着るときに直面する問題について、ジュリアに話しました。
ジュリアは、ある少女が教室で服のラベルを引っ張るのを止められないでいたときのことを思い出します。
「私はすぐにハサミを持ち、ラベルを切り取ってあげました。
その後、彼女は友だちと一緒に並んで、次の授業を受けることができました」
ジュリアは、自分が何かしなければならないと思いました。
そこで、1年以上かけて親たちや自閉症の人たちにデザインのアイデアを聞き、品質を徹底するために、さまざまな専門メーカーを調査しました。
「感覚にやさしい服とは、一般的にタグがなく、縫い目が平らで、柔らかいニットであることを指します。
私はブランドとして、それよりもさらに踏み込んで、ファスナーやスナップが邪魔にならないよう、マグネットで留めるようにしています。
自閉症の子どもたちは手先が不器用なことが多いので、このような工夫をしています。
たとえファスナーやスナップ、ボタンが難しくても、自立した着こなしを促し、子どもたちがそれをできるようにしたいと思ったのです」
ジュリアはデザイン作業のほとんどを放課後、自宅で行っています。
また、製造のコンサルタントパートナーと協力し、公正な賃金の工場探して依頼しています。
ブランドは4月に正式にスタートしました。
ジュリアは、この新商品が生徒たち、そして感覚に問題を抱えるすべての子どもたちの自立を促すことを願っています。
なぜなら、つらい朝は一日を台無しにしてしまうことを知っているからです。
「私たちは、子どもたちにできる限り自立を促したいと思っています。
教室に入ったら、上着を脱いで自分のスペースにしまうことができます。
ジッパーをつかむのが難しい場合、子どもはすぐにイライラしてしまいます。
そうすると、『やってみたい』と思わなくなったり、『もうダメだ』となってしまったり。朝は大変なんですよ」
(出典:米BOSTON GLOBE)(画像:Sense-ational You)
服のこと、感覚に問題をかかえる子のこと、どちらに精通している方が作ったものであれば、ものすごく良さそうです。
(チャーリー)