- 誕生日が祝えなかった子どもや大人にとって、「誕生日でない」パーティーはどんな意味を持つのか?
- 自閉症やADHDを持つ子どもたちが、このパーティーでどんな気持ちや行動を見せたのか?
- 誕生日パーティーに参加した親たちは、どんな感想や体験を抱いていたのか?
新型コロナ感染拡大などさまざまな理由で誕生日を祝うことができなかった何百人もの子どもや大人が、カナダのオンタリオ州ブラントフォードで「誕生日でない」パーティーを楽しみました。
ヘザー・アトキンソンは、10歳の息子のケレンと9歳の娘のカンジーを連れてきました。
ケレンは自閉症で言葉を話せず、カンジーは注意欠陥多動性障害(ADHD)です。
「ケレンの笑顔は、彼はバスを見て、私たちはどこか楽しいところに行くんだと気づいたときからです。
息子はとても楽しんでいました。
いつもはただ外に座っていて、他の子どもたちが楽しんで遊んでいるのを見て満足しているだけなのですが、自ら立ち上がって歩き回り、すべてを見に行きたがっていました」
この日は、ゲームや工作、乗り物、コスチュームを着たキャラクターが参加者と触れ合うエンターテイメントが行われました。
ケレンはパーティーで吸血鬼のキャラクターが大好きになって、何度も後ろをついて回りました。
母親のヘザーはこう言います。
「普段は後ろに隠れてみんなが楽しんでいるのを見ているような子なんですが、今日は一日中笑顔が絶えませんでした」
一方、娘のカンジーの姿を見ることはあまりありませんでした。
「娘は友だちと行ってしまいました」
この誕生日パーティーは、出席者に「批判を気にすることなく、ありのままの自分でいられる」機会を与えてくれました。
「子どもらしく、楽しく過ごせる場所にいることは、本当に重要なことです。
私の子どもたちは、少し変わっています。
子どもたち自身もそれを知っているからです」
2018年にニコル・カランダーが医学的な問題や社会的な困難をもたらす遺伝的疾患であるウィリアムズ症候群の娘、ケイトリンを祝うために、「誕生日でないパーティー」を開催しました。
18歳になったケイトリンには友だちがいませんでした。
そして、母親のニコルは、ふだんパーティーに招待されないオンタリオ州中の子どもや大人にも、このパーティーを開放しました。
圧倒的な反響がありました。
カランダーは「Friends 4 Kindness」を設立し、これまでに、オンタリオ州内の異なる都市で6回このパーティーを開催し、約800人の子どもと大人を祝いました。
新型コロナウィルス感染拡大のために休止していましたが、3年ぶりに開催されました。
カランダーはこう言います。
「オンタリオ州各地から、みんなやってきました」
この「誕生日でないパーティー」に参加している人の多くは障害をもつ人たちです。
「彼らは家に一人でいて、友だちからの電話もなく、道で会う人もなく、文字通り社会的なつながりから孤立していました。
多くの子どもや大人にとって、社会的なつながりを持ち、友人を持つことができるイベントなんです。
参加した親たちは、うちの子にはこれが必要だったんですと泣いていました。
多くの人が私のところに来て、私の子どもに友だちができましたと言ってくれます。
ある親は、私の子どもは12歳で、初めて友だちができました。
このパーティーの後も遊ぶ約束をしているんです、そう言っていました」
マイク・ガトプロスは、ウィリアムズ症候群の6歳の息子、ジャックと3人の子どもを連れて参加しました。
「子どもたちはハイタッチして回っていました。
子どもたち全員にとって素晴らしい時間でした。
特別な支援を必要とする子どもがいると、誕生日パーティーを開いても誰も来てくれない、友達もいない、そんなことが心配になるものです。
こうした機会に、基本的なことを学び、また他の子どもたちとハイタッチできることは、素晴らしいことです。
このイベントを開催してくれたことに、とても感謝しています。
時代が変わって特別なニーズのある子どもたちへの接し方が変わってきたことは、素晴らしいことだと思います。
しかし、誕生日を迎えるにあたって、他の子どもたちは来てくれるのか、友だちはいるのか、という親の心配はまだあります。
そんな心配を忘れさせてくれる、みんな仲良しでいるのを見られるのは、本当に素晴らしいことです」
(出典・画像:カナダCBC)
うちの子と私にとっては、特別支援学校の「夏祭り」がそんな楽しいイベントでした。
高校生になってからは、新型コロナウィルスのためにずっと開催されず卒業となりました。
再び、増加しているので今年もどうなるかわかりませんが、開催されたら、卒業生として行けることを楽しみにしています。
(チャーリー)