- 自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断数が増えている理由は何だろうか?
- ASDの診断はどのように行われるのか?
- 米国ではASDの子どもたちに必要な支援やサービスはどのように提供されているのか?
米国では、自閉症スペクトラムの子どもたちが増加傾向にあり、その数はますます増えています。
JAMA Pediatricsに掲載された新しい研究によれば、2017年から2020年の間に、米国の子どもと10代の若者たちの間で自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断される人が52パーセント増加していることがわかりました。
中国の広東薬科大学の公衆衛生研究者らによる新しい研究によれば、30人に1人の子どもがASDだと伝えています。
研究者たちは、米国疾病管理予防センター(CDC)が毎年行っているNational Health Interview Surveyのデータを調べました。
このデータによれば2014年以降、自閉症の診断の増加が徐々に上昇していることがわかりました。
2016年から2017年にかけてはわずかに減少しましたが、その後、再び増加傾向にあります。
2014年には、子どもと10代の子どもの2.24パーセントがASDと診断されました。
2020年には、その数値は3.49パーセントに増加しています。
また、米国では女児よりも男児の方がASDと診断される確率が高く、男児の4.64パーセント、女児では1.56パーセントがASDと診断されています。
ASDの診断は簡単ではありません。
医師は、子どもの発達歴や行動歴を見て、ASDであるかどうかを判断する必要があります。
ASDに関連する症状や徴候には、アイコンタクトを避ける、感情の合図を誤解する、強迫的な行動や興味を示すなど、さまざまなものがあります。
この研究自体は、このような急増の潜在的な原因について推測していませんが、専門家は、この増加は、医療と一般社会の両方でASDを取り巻く認識が高まっていることに関連していると考えています。
診断ツールが充実し、症状が軽いケースも含まれるようになれば、診断される子どもたちが増えるのは当然のことです。
CDCは、できるだけ早く診断することで、
「子どもたちが自分の可能性を最大限に発揮するために必要なサービスやサポートを受けることができるようになる」
とも述べています。
自分の子どもが自閉症かもしれないと疑っている親は、米国では早ければ生後18ヶ月で診断を受けることができます。
(出典:米Scary Mommy)(画像:Pixabay)
増加が続いているのは、これまでは見過ごされてしまった人も、見過ごされなくなったから。
概ね、そうした見解が多くなされています。
必要とされる方には必要な支援がなされるように、診断が正しくなっていことは良いことです。
(チャーリー)