- ディスカリキュリアとは何ですか?
- ディスカリキュリアの具体的な症状にはどんなものがありますか?
- ディスカリキュリアの診断や対処法にはどんなものがありますか?
「数の計算を理解するのがとても難しい」
そう、「ディスカリキュリア」をかかえる人は言います。
「12+5」が17であることは、ある人にとっては当たり前のことですが、私は意識して考えて数えなければなりません。
私の頭はどうしても自然に数字を処理できないのです。
頭がいいということが、いかに数字の計算と関連しているか思い知らされます」
ディスカリキュリアは「算数障害」と呼ばれ、特定の数学的概念を処理し、理解することが困難であることが特徴です。
発達障害、学習障害の一つとされています。
例えば、数の大きさを区別するのが難しい、計算をするのが難しい、空間認識能力が低い(左と右を区別する)などがその兆候として挙げられます。
ディスカリキュリアは、教室の中だけでなく、日常生活においても、より微妙な形で表れます。
時間を守ること、道順を決めること、金銭的な交渉など、生活のさまざまな場面で、算数障害による困難が生じます。
このために、しばしば怠け者と誤解されたり、さらに悪いことに「頭が悪い」というレッテルを貼られることもあります。
ディスカリキュリアの診断率はまだ低く、自分がかかえていることに気づいていない人が多くいます。
多くの場合、その兆候は早くも小学校で現れ始めますが、単に計算が苦手なだけだと見過ごされることが多いのです。
「最近、同僚が気づいて、
『あなた、赤ちゃんなの?』そう言ってきました。
私がディスカリキュリアであることを告げると、彼はそれを笑い飛ばそうとしました。
多くの人はそれを実際の障害として見ていません」
そう、ディスカリキュリアの当事者であるクリス・ロングは言います。
米国精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-V)」では、読解力や文章表現力の障害とともに、ディスカリキュリアを「特異的学習障害」として認めています。
「知的障害、発達障害、神経・運動障害に起因しない、年齢水準を著しく下回る学習困難や学力習得の問題で現れ、少なくとも6カ月間持続する、学齢期初期に発現する生物学的由来の神経発達障害」
そう定義しています。
ディスカリキュリアは、一般的に脳の発達の違いによるものとされていますが、一部の研究では遺伝的な原因も指摘されています。
ディスカリキュリアの「治療法」は確立されていませんが、ディスカリキュアのある人の学習のギャップを埋めようとする支援はしばしば行われます。
例えば、ディスカリキュアの診断を受けた生徒には、場合によっては、電卓の使用、時間の延長、核となる技能に的を絞った個人指導、基本事項を再確認するためのポスターの掲示など学習ニーズにあわせた対応が行われます。
ディスカリキュリアはディスレクシア(識字障害)や注意欠陥多動性障害(ADHD)とも併発します。
しかし、まだこれらすべての関連性はわかっていません。
専門家によると、ディスカリキュリアの研究はまだ始まったばかりで、症状によってさまざまなタイプがあるのではないかという議論もあります。
このことは、その有病率を確定することが困難であることも意味し、こう指摘されています。
「どのような行動がディスカリキュリアの中心とみなされるべきか。
こうした不確実性が、当然ながら有病率の確立を難しくしている」
ディスレクシアと同様に、ディスカリキュリアについてもよくある誤解は、子どもの発達障害、学習障害であるということです。
しかし、子どもに限りません。
大人になってからも、職場やその他の社会的力学における生活にしばしば影響を及ぼす可能性があります。
診断を仰ぐことが有効です。
他の種類の発達障害と同様に、ディスカリキュリアの診断を受けることは自分の人生を整理し、自分自身をよりよく擁護するのに役立ちます。
ディスカリキュリアの専門家はこう言います。
「この症状は生まれつきのもので、目の色や指の形と同じように、自分ではどうしようもないものなのです。
それを知ることは助けになります」
(出典:印THE SWADDLE)(画像:Pixabay)
“dyscalculia”「ディスカリキュリア(算数障害)」
読み書き障害のディスレクシアは耳にすることが多くなってきましたが、数字に関わる障害もあるのですね。
数学が苦手だと言う人は多くいます。
しかし、
「私は数学が苦手。だからディスカリキュリア」
そんな安易で短絡的な認識、そんな軽い使い方は決してするべきではありません。
国語が苦手。だからといって、ディスレクシアというわけではないのと同じです。
「時間を守ること、道順を決めること、金銭的な交渉など、生活のさまざまな場面で、算数障害による困難が生じます」
本当に困っている方の深刻さを理解してください。
コミュニケーションに困難をもつ人も助けるAI。ChatGPT
(チャーリー)