- 自閉症の人たちが動物を飼うことで精神的な健康にどのような影響がありますか?
- 自閉症の人がペットを飼うことに対する障壁は何ですか?
- 自閉症の人がペットを飼うためにどのようなサポートが必要ですか?
英エッジヒル大学の心理学者による新しい研究で、動物を飼うことは自閉症と診断された成人にとって複数の利点があることが示されました。
リアム・クロス博士とグレイ・アサートン博士による研究です。
ペットを飼うことが精神的な健康状態の向上に関連するにもかかわらず、自閉症の人はペットを飼うことが少ないこともわかりました。
“Journal of Autism and Developmental Disorders”に掲載された最新の研究結果では、自閉症の人たちが動物から多大な精神衛生上の恩恵を受ける、気分が高揚する、パニック状態から回復する人さえいるばかりか、気分管理や社会性においてより長期にわたる改善を報告する人もいることが明らかになりました。
クロス博士はこう言います。
「ペットの飼育が、自閉症の人たちのメンタルヘルスや生活の質にどのように関係しているかを調べるために、孤独感、社会的孤立、社会不安、社会的支援、生活全般の満足度などを調べました。
ペットの飼育は、より高い生活の質、より少ない不安、そして他のさまざまな利点につながっていました。
また、ペットの種類は関係ありませんでした。
犬、猫、ネズミ、魚でさえもすべて同様の効果があったのです。
ほぼすべての参加者が、ペットとの親密な絆が、生活の質の向上と密接に関係していることを強調していました。
ある参加者はこう言っていました。
『自閉症の人を不快にさせるすべての状況は、動物には存在しない。気まずい会話もなく、予測できない出来事もなく、楽な環境です』
また、別の人は、
『今では積極的な性格になりました』と」
この研究では、動物がもたらす多くの利点にもかかわらず、不適切な住居や不規則な収入など、自閉症の人たちが動物を飼うことが少ない理由となる障壁のいくつかも明らかにされました。
アサートン博士はこう言います。
「自閉症の人は他人と共感する能力が低いとか、感情的でないというひどい誤解があります。
これは多くの自閉症の迷信の一つです。
私たちが行ったインタビューでは、この誤解が障壁となり、動物の世話をすることができないのではないかと心配していることがわかりました。
しかし、ペットを飼うことは、多くの人にとって大きな突破口になります。
不健康な日常から脱却し、解放されることにつながることもわかりました。
“動物の世話ができないという心配があっても、自閉症と診断された人は動物の世話をすることが十二分にでき、そうすることで大きな利益を得ることができます。
何人かの参加者は、ほんの少しのサポートがあれば、これらの障壁を克服することができると言いました。
例えば、ペットの世話の仕方を指導したり、ペットを飼うことを中心としたソーシャルグループを作るといったアイデアです。
そうすれば、ペットと飼い主の両方の健康状態を把握しながら、同じように精神的な健康も手に入れることができるのではないでしょうか」
(出典:米Medical Xpress)(画像:Pixabay)
小動物でも良いのであれば、飼える人も多くなるかもしれませんね。
うちの子の場合には、水槽の魚などには興味をもつことはなさそうなので、かまってくれる犬や猫がやはり適当だと思います。
(チャーリー)