- 自閉症の成人において、LGBTQ+であることと精神衛生問題の関連性はどのようなものか?
- マイノリティであることが持つストレスが、自閉症と精神衛生問題との関連性にどのような影響を与えるのか?
- 精神疾患や体調不良を訴える傾向が高い自閉症の成人と、そうでない自閉症の成人との違いは何か?
研究によれば、マイノリティの性別や性的指向を持つことを自認している自閉症の成人は、LGBTQ+でない成人に比べて、不安、パニック、摂食障害、物質誤用障害、双極性障害、うつ、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害などの精神衛生問題を併発していると診断される可能性が高くなります。
この研究結果は、ジェンダー、セクシュアリティ、自閉症に焦点を当てたものです。
自閉症は、出生時に割り当てられた性別と同一でない人たちの間で、多くの人に比べて3〜6倍多く見られます。
しかし、この重複が健康に及ぼす影響について考察した研究はほとんどありませんでした。
今回の研究結果は、マイノリティグループに属する人々が慢性的なストレスを経験し、それが健康状態を悪化させるとする「マイノリティストレスモデル」を反映している可能性が高いと、米サイモンズ財団のリサーチアシスタント、マラク・エナヤタラは述べています。
「マイノリティであればあるほど、差別や偏見に直面することが多くなります。
このことが、これらの併発症状の有病率の高さを説明できるかもしれません」
この研究のデータは、自閉症の大規模な遺伝子研究であるSimons Powering Autism Research (SPARK)に登録された18歳から46歳の成人980人のデータがベースになっています。
8つの異なる精神疾患の過去および現在の診断に関するアンケートに回答したものです。
また、この人たちは自分が男性か女性か、あるいは非二元か、性別についても報告しています。
55パーセントの人が女性、9パーセントがノンバイナリー、40パーセントがLGBTQ+でした。
LGBTQ+を自認する人たちは、非LGBTQ+の自閉症の成人と比較して、薬物乱用以外のすべての症状について診断を受けたと報告する傾向が有意に多くなっていました。
今回の研究結果は、インターネット調査を基にした2020年の研究結果、性的またはジェンダーマイノリティであることも認識している自閉症の成人は、そうでない自閉症の成人と比較して、精神疾患や体調不良を訴える傾向が高いことを裏付けたものとなっています。
誰もがそのままに楽しく生きていける。
そうなってほしいと強く願います。
(チャーリー)