- 職場でニューロダイバーシティを受け入れることは、どのような恩恵をもたらすのか?
- 自閉症スペクトラムの人たちが直面する雇用の壁は具体的に何か?
- 自閉症の人が面接で直面する課題や困難は何か?
ニューロダイバーシティを受け入れることで、職場の誰もが恩恵を受けます。
ニューロダイバーシティのある人材が持つユニークなスキル、認知力、思考の多様性、新鮮なアイデアは、まさに企業が進化し、成功するために必要なものです。
私たちの時代の最大の問題を解決したいのであれば、異なる視点を取り入れることが必要です。
そこで私たちは、自閉症スペクトラムの人たちのユニークな才能を活用し、彼らをテクノロジーコンサルタントとして世界中の企業に雇用する素晴らしい企業「オーティコン」に投資しています。
2016年に投資して以来、より多くの企業がニューロダイバージェントの労働力の利点を理解し、信じられないほどの成長を目撃してきました。
しかし、オーティコン・カナダとデロイト・カナダによる新しい報告書は、自閉症コミュニティが今日でもいかに多くの雇用の壁に直面しているかを示しています。
この報告書によれば、自閉症の従業員の約半数は、雇用主に自分のニューロダイバーシティを開示することに抵抗を感じているとのことです。
このことから、採用担当者、リーダー、マネージャー、チームメンバーに対して、自閉症に対する誤解を解き、仲間はずれにされるのではなく、その違いを尊重し合えるような職場環境を作るための教育が必要であることが浮き彫りになりました。
そこでオーティコンは、オーティコンの顧客企業の技術コンサルタントとして働く250名の自閉症の従業員をサポートしているジョブコーチに連絡を取りました。
コーチ陣の多くは、臨床心理学、パフォーマンスコーチング、不安障害管理、特別支援教育、職業リハビリテーションなどのバックグラウンドを持っており、「自閉症を覆い隠す」行動から発達障害の方など向けの面接の開発まで、実に示唆に富む話を聞くことができました。
私は彼らの洞察をいくつか共有したいと思います。
あなたの職場も自閉症スペクトラムの人たちにとってより包括的なものにすることができます。
オーティコン・ドイツのジョブコーチであるノラ・エイリッヒは、企業が自閉症にやさしい環境を作るためにできる簡単な方法をいくつか紹介してくれました。
彼女はこう言っています。
「小さな変化で、自閉症にやさしい職場環境を作ることができるのです。
例えば、流れに乗るための十分な時間を確保した体系的な日課や、明確な議題を設定した会議などは、本当に有効です」
また、アメリカの自閉症ジョブコーチであるレシュマ・ダワンは、フレキシブルな働き方、文書での情報送信、新しいチームメイトとの信頼関係の構築、処理時間の確保、納期変更の事前通知などを提案しました。
このような小さな変化が、大きな変化をもたらすことは驚きです。
面接に関しては、アンケート参加者の40パーセントがそのプロセスが大きな課題として残っていると回答していました。
実際には高い能力を持ち、その仕事に適した候補者が排除されている可能性が高いという結果です。
面接は、自閉症の人の最大の課題が試されています。
候補者が本来の能力を発揮できるよう、できる限り柔軟に対応する必要性をオーティコンチームは強調しています。
オーティコン・イタリアのジョブコーチであるアリス・ノヴァは、こう語っています。
「物理的な観点から言うと、面接を受ける人の感覚的なニーズに合わせて環境を調整するのがよいでしょう。
強い光や騒音、視覚的な刺激をできるだけ減らすようにします。
また、オフカメラ・インタビュー、事前に質問を送るアプローチ、カジュアルにする、自閉症の人は自分を過小評価する傾向があることを理解する、などが考えられます。
重要なのは、候補者が必ずしも話してくれないような隠れたスキルや強みを見つけることです。
オーディコンの採用プロセスは、まさにこれを実現するために慎重に設計されているので、頼りになるリソースとなります」
また、報告書によれば45パーセントの自閉症の人が、仕事を乗り切るために自分の自閉症を隠していることがわかりました。
企業が真にニューロインクルーシブであろうとするならば、これらの「自閉症を覆い隠す行動」に対処する必要があります。
このマスキング行動を発見するのは簡単ではありませんが、企業が取り組むべき課題です。
オーティコンのダイバーシティ&インクルージョン・サービスのグローバル・ディレクターであるカースティ・クックは、次のように説明しています。
「マスキングは、雇用主が気づかないうちに行われるものです。
多くの自閉症の人は、これを完璧にデザインしています。
そのため、どこでマスキングが始まり、どこで終わるのかがわからない人もいます。
これは、とくに女性に当てはまります。
何人かの女性の自閉症コンサルタントが、自閉症は最初から開示し、生活の中ではもはやマスクする必要がないことを知っています。
マスキングをしないということは、怖いことではありますが、解放されるチャレンジです」
職場でニューロダイバーシティを受け入れることは、ビジネスにとって非常に多くの扉を開き、人々がその可能性を最大限に発揮することを可能にします。
ニューロインクルーシブな職場の作り方を教えてくれたオーティコンに感謝し、社員が成長し、ビジネスも成長するような職場を作っていきたいと私は思います。
リチャード・ブランソン
(出典・画像:英Virgin)
一代で英巨大企業グループ「Virgin」を築いた、大富豪で冒険家、ナイトの称号も授与されたその人、リチャード・ブランソンが直々にこうして話されていることは本当にうれしく、心強く思います。
法定雇用率のためでなく、ビジネス成長のために必要なのです。
(チャーリー)