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発達障害の子がかかえることが多い「ミソフォニア/音嫌悪」

time 2022/03/23

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

発達障害の子がかかえることが多い「ミソフォニア/音嫌悪」
  • ミソフォニアに影響を与える音はどんな種類があるのか?
  • ミソフォニアのトリガーは子どもの年齢と関連があるのか?
  • ミソフォニアを持つ子どもや大人の周囲の人ができる支援策は何か?

3歳のジャックは楽しそうにおもちゃの車を並べて遊んでいました。
そのとき、赤ちゃんの妹、ジョセフィーヌが昼寝から起きて大声で泣き出しました。
ジャックは圧倒され、パニックに陥りました。

母親が赤ん坊を迎えに駆けつけてくると、ジャックは泣き叫び、前後に体を動かし、両手で耳を強くふさいでいました。
ジャックは赤ちゃんの泣き声で頭がいっぱいになっていました。

おもちゃの車にも集中できない。大好きな映画にも集中できない。
やがて、ジャックの叫び声は妹の叫び声より大きくなりました。

これは、子どもが「ミソフォニア(音嫌悪)」を経験したときに起こりうることの一例です。

感覚変調性障害は、感覚過敏を特徴とする疾患群で感覚情報処理障害の一種です。
音嫌悪は、これらの感覚の問題の1つです。

ミソフォニアの人は、感覚に基づく運動障害があり、引き金が引かれたときには脳と体が何をすべきかがわからなくなっているかもしれません。
この極端な反応は、体が闘争や逃走の反応の仕方を知らないためだと考えられます。
そのため、特定の音に対して、特に音そのものと比較して、他人には極端に見えるような反応をしてしまうことがあります。

ミソフォニアは、簡単に言えば、ある音に対して極端に反応してしまうことです。

赤ちゃんの泣き声が好きな人はいないでしょうが、ミソフォニアの人では、赤ちゃんの泣き声のようなものには耐えられず、圧倒的に気が散ってしまい、極端にパニックになってしまうことがあります。

ミソフォニアの引き金になる音は他にもあります。
赤ちゃんの泣き声には反応を見せませんが、ヘアードライヤーの音で精神的苦痛を感じる人もいます。
ミソフォニアの反応には以下のようなものがあります。

  • 極端な怒り
  • 耳を塞ぐ
  • 圧倒される感じ
  • 逃げ出したくなる
  • 他者に対して過剰な力や暴力を行使することがある
  • パニック
  • 悲鳴
  • 泣く

ミソフォニアの引き金となる可能性のある音の種類をいくつは次になります。
すべてを網羅しているわけではありませんが、一つの目安にはなるはずです。

  • 大きな音
  • 繰り返される音
  • 一度にたくさんの騒音が発生する
  • 耳障りな音
  • ブーン
  • 泣き
  • 叫び
  • 噛む

これまで騒音にさらされたことがない場合には、子どもが騒音に悩まされることに全く気づかないことがよくあります。
ミソフォニアのトリガーとなる可能性のあるイベントの1つにスポーツの試合があります。
スポーツの試合観戦をしたことがない場合、そこでの騒音がミソフォニアの引き金になることがあります。

ミソフォニアは、発達障害の結果として幼児期に始まることもあれば、人生の他の時期に起こることもあります。ミソフォニアは、条件反射的な行動であるという説と、そうでないという説があります。
ミソフォニアに対してはまだわからないことが多くあります。

感覚処理障害が、ミソフォニアの発現に大きく影響します。
そのため、精神疾患、発達障害、その他の精神障害の人がかかえる可能性があります。

トラウマ的な出来事の後にミソフォニアを経験し始める人もいます。
トラウマは脳に永続的な影響を及ぼします。
脳の活動が変化すると、刺激に対する身体の反応も変化します。

トラウマを抱えると、そのトラウマを思い出させるような特定の音が失声症の引き金になることがあります。
これらの音は、脳が音と結びつけている特定の人物に関連している可能性もあります。
例えば、ドアが開く音や、その後に続く一連の音は、その音が過去の人からの虐待やトラウマに関係する場合、闘争・逃走反応を活性化させる可能性があります。

しかし、注意すべきは、ミソフォニアがあるからといって、その人が本当にトラウマを経験したとは限らないということです。
実際、ミソフォニアの原因としてトラウマを挙げることには異論があります。
しかし、人によっては、自分のトラウマと直接関係するミソフォニアが報告されています。
重要なのは、それぞれのケースを個別に検討することです。

知っておくべきことは、子どもがトラウマを経験したり、トラウマ的な背景を持っていたりする場合、それは、ミソフォニアにつながる可能性があるということです。
子どもたちのトラウマを確認するために、歴史を追いかける必要はありません。

年齢が上がるにつれて、ミソフォニアになる可能性は高くなります。
年齢と経験によって、音に対する耐性が生まれます。

しかし自閉症のように、特定の状況や社会的スキルに問題がある場合、引き金となる音に耐える能力が低下する可能性があります。

自閉スペクトラム症(ASD)の人は、感覚処理障害もしばしば経験します。
そのため、ミソフォニアをかかえることも少なくありません。

「普通」の音に極端に反応してしまうことは、社会的スキルを阻害し、友人や家族との関係にダメージを与える可能性があります。
自閉症が人にもたらす困難が、ミソフォニアによって大きく悪化する可能性もあります。
ミソフォニア、自閉症、そしてそれらの複合的な問題を管理することは簡単ではありません。

ミソフォニアは選択的音感の一部です。
すべての音に反応するわけではなく、特定の音に反応します。
そのため、ミソフォニアに対処するための最初のステップは、お子さんがどの音や種類の音に悩まされているかを特定することです。
しかし、音には、避けることができるものと、そうでないものがあります。
その音を防ぐことができるのであれば、そうしてください。

ジャックとジョセフィーヌの場合、生まれたばかりの妹はどうしても泣いてしまいます。
そのために、きっかけを避けることはできません。
この場合、対処法を見つけることが必要でしょう。

イヤーマフ、ノイズキャンセリングイヤホンを使用するのはひとつの方法です。

とくにジャックと彼の家族が置かれたような状況においては、引き金となるノイズが一日中繰り返されるため、ノイズを消して、なおかつその他の音は本人が聞こえるイヤホンは、大きな効果を発揮します。

子どもたちの中には、音の置き換えを好む子もいます。
このような場合、ヘッドホンで心地よい音楽やホワイトノイズを流すと、引き金となる状況に陥ったときに、解決策となりえます。

(出典:米Autism Parenting Magazine

うちの子も騒がしいところは苦手です。

なるべく、そういうところは避けてきました。

知ってほしい。自閉症やADHDなどの人がもつ感覚処理の問題

(チャーリー)


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