- 自閉症やADHDを持つ人は、面接で不利になりがちですか?
- AIベースの採用システムは、発達障害のある求職者に対してどのような問題を引き起こしますか?
- AI採用ツールをもっと包括的にする方法はありますか?
求人に応募したところ、実際に面接を受ける前に、あらかじめ録音された質問にウェブカメラに向かって答えなければならなかったりすることを知っていますか?
採用のコンピューターによる自動化は、ここ10年ほど前から行われていましたが、新型コロナウィルス感染拡大のために、ここ最近になってイギリスでは急激に利用されるようになりました。
これは、企業が求職者をより簡単に選別できるようにするため、また、人間と対面する前にその求職者の適性をテストするために設計されたものです
しかし、英BBCの番組が明らかにしているように、自動化されたアルゴリズムベースの採用技術は、受け入れるようにプログラムされたプロファイルに適合しない候補者、とくにに神経多様性のある候補者を不当に不利にする可能性があります。
「私のような人に対する差別です」
そう、自閉症とADHDをかかえる24歳のオリーは言います。
オリーは、長時間アイコンタクトを維持することが難しく、話すときに一時停止して言いたいことに集中しなければなりません。
「アイコンタクトや話の間が、問題になるんです。
コンピューターが私の目の動きを見たら、その人は仕事に興味がなく、集中できない、長時間会話に集中できないと判断します。
私はときにはペースを落として、集中し直さなければならないこともあります。
私が就職に成功する可能性がゼロになったような気がします」
人と話しているときのほうが、オリーは会話の流れを維持するのがずっと簡単だと言います。
「声のイントネーションを聞いて、どこに行けばいいのか、いつ説明をやめればいいのかがわかるような人がそばにいないと、私は苦労します。
自分が信じている本当の自分、本当の能力を発揮するのは、コンピューター相手ではとても難しい。
なぜなら、自分は言い過ぎだろうかと考えすぎている状態になるからです。
そうすると、話しが途切れてしまいます。
コンピュータが、そのようなところを減点すれば、もうそれきりです」
イギリスの国家統計局(ONS)が先月発表したデータによれば、自閉症、特定の学習障害、精神衛生上の問題をかかえる人たちの就業率が最も低いことが判明しました。
英自閉症協会の調査によると、自閉症の成人の3分の1以下しか雇用されていません。
一方で失業中の自閉症の成人の4分3以上が働くことを希望しているといいます。
同協会が自閉症の人に対する雇用格差と呼ぶ背景にはいくつかの要因がありますが、オリーは、話し方や態度の多様性を許容しない採用プロセスがとくに障害になっていると感じています。
神経障害のある求職者と組織の両方に採用プロセスに関するアドバイスを提供する組織、Exceptional Individualsのコミュニティ責任者であるナット・ホーリーは、この技術をもっと包括的にすることができると述べています。
「発達障害のある人の中には、自動面接を好む人もいます。
しかし、私たちは、これらのものが完全なものにでないのに、使用されていることを認識しておく必要があります。
AIをどのように使うのか、ソフトウェアが何を認識するのかを考えるよう、企業に助言したいと考えています。
それらをもっと包括的なものにすることができるからです」
採用ソフトウェアの開発会社、アークティック・ショアーズは、求職者に仕事に必要な性格特性をテストするインタラクティブなタスクを与えることで、採用ソフトウェアにおけるこうした無意識の偏見を取り除いたと主張しています。
アークティック・ショアーズの共同設立者であるロバート・ニューリーはこう言います。
「もし、このような評価を受けることを阻害する何かがあると感じる人がいたら、私たちに知らせてください、そうすれば私たちはアドバイスできます。
発達障害の方向けにも調整することは可能です」
しかし、オリーは遠慮しています。
ニューリーが提案するように、採用担当者に直接連絡して調整を依頼したことがあるかと尋ねました。
「連絡して、面接を直接アレンジしてもらうよう頼んだことはありません。
なぜなら、なぜ私がそのような負担を受けなければならないのか、なぜ彼らのプロセスが正しくないのに、私が手を差し伸べなければならないのか、と思うからです」
別の開発会社であるハイアビューは、何人かの人が懸念を表明した後、2020年初めにすべての顔分析機能を削除しました。
(出典・画像:英BBC)
私は、AIシステムの開発もしていたりするのですが、
AIはすでに起きたこと、「過去」のデータから知見を得ることは人間に勝るかもしれません。
しかし、まだ起きていないことについては人間よりも、予測することは苦手です。
例えば、よくあるAIの「予測」は、過去にあった状況と似た状況になったときに、またその過去が起きるだろうという前提で、その過去を示してくれるものです。
つまり、これまでに起きていなかったことを、予測をすることはできません。未来はわかりません。
どんなに優秀なAI予測でも、高性能なバックミラーでしかありません。
今までに採用したことがないようなタイプの人を採用するなら、AIは使えません。
AIを正しく認識し、可能性のある人たちを阻害するような誤ったAIの使い方はやめてください。
(チャーリー)