- 歯科治療における特別な健康管理の必要な子どもたちの不安や恐怖はどのように軽減できるか?
- 歯科医師が特別な医療ニーズを持つ子どもたちにどのように対応すべきか?
- 家庭で特別な医療ニーズを持つ子どもたちの歯科治療について準備やサポートをどのように行えばよいか?
特別な健康管理の必要な子どもたちにとって、歯医者さんに行くことは圧倒的に難しくなることがあります。
多くの人がそうであるように、子どもたちは歯のピックやドリルを不快に感じるかもしれません。
また、日常生活のリズムがくずれることを好まないため、歯科医院を見るだけで尻込みしてしまうかもしれません。
特別な健康管理の必要な方への対応を理解している歯科医師であれば、歯科治療に対する恐怖や不安を軽減し、通院を普通の出来事のように思わせることができます。
米ボストン小児病院歯科部門のシニアアソシエイトであるイザベル・チェイス医師はこう言います。
「明るい光と大きな音は、誰でも怖気づくものです」
複雑な病歴を持つ子どもたちは、とくに採血などの不快な医療体験をしたことがあるため、歯科受診に特に不安を感じることがあります。
そうした、自閉症スペクトラム障害、脳性麻痺、ダウン症など、特別な医療を必要とする子どもたちは、歯科治療に慣れるように少しずつステップを踏んでいく必要があるのです。
最初の訪問は、オフィスのロビーに入るだけでよく、その後の訪問は、歯科医に会ったり、数分間椅子に座ったりすることに焦点を当ててもよいのです。
お子さんが歯科検診を嫌がる場合でも、検査や歯のクリーニングを長く先延ばしにするべきではありません。
お子さんが受診に抵抗したり、家庭で一貫した歯科衛生習慣を身につけないことは、口腔内の健康状態を悪くすることにつながります。
そうした子どもの中には、自ら歯を傷つけたり、唇をかんだり、口の中に異物を入れる習慣をもつ子もいます。
特別な医療ニーズを持つ子どもは歯科疾患のリスクが高いことを示す研究もあります。
ダウン症と自閉症スペクトラムセンターのディレクター、ニコール・ブーマー医師はこう言います。
「すべての体の健康に口腔は影響を与える可能性があります」
お子様の不安や恐怖心を軽減するための第一歩は、特別なケアを必要とするお子様を定期的にケアしている歯科医を見つけることです。
お子さんは、強いにおい、味、感触に対して過敏になっているかもしれませんし、顔や口の近くに人や物があるのを嫌がるかもしれません。
そうした歯科医は、あなたの子どもに対応する方法を知っているはずです。
特別な医療ニーズを持つ子どもに対応できる歯科医は通常、明るいライト、特定の音などに配慮することができます。
なので、歯科医に訪れる前に、子どもが不快に感じることについて親は相談してください。
またそうした歯科医であれば、椅子の姿勢を大きく変更したり、好きな映画や音楽を楽しめるようにしてくれることもあります。
また、お子さんにはノイズキャンセリングヘッドフォン、重いひざかけ、サングラス、手鏡など、お子さんが安心できるグッズが役に立つかもしれません。
なお、チェイス医師は、口の中に痛みや感染症がない限り、初診時に検査やクリーニングを急ぐ必要はないと言います。
「初診ですぐに対応しなければならないことはほとんどありません。
最も重要なのは、子どもから信頼を得ることです。それには時間がかかります」
家庭では、歯医者の写真を見せたり、子供が歯医者の訪問の期待を理解するために作られたビデオを見たりして、子どもが準備できるようにすることができます。
検査や処置の各ステップの概要を示すイラストも役に立つかもしれません。
また、初診では、歯医者さんが歯の数を数えたり、歯を磨いたりするだけで、それ以上のことはしないことをお子さんに伝えておくとよいでしょう。
診察が終わるたびに、お気に入りのおもちゃやアクティビティでご褒美をあげましょう。
歯科衛生のために、おやつを与える場合は、粘着性のないものにしましょう。
チェイス医師はこう言います。
「怖がっていた子どもが、時間をかけて私を信頼し始め、やがて安心する姿を見ることほど、やりがいのあることはありません。
子どもたちが安心できるように、このような小さなステップを踏むことが大切なのです」
(出典:米ボストン小児科病院)(画像:Pixabay)
うちの子は幸い、療育医療センターのすごくいい歯医者さんに通うことができています。
もともと注射などの痛みにも強かったりもするのですが、
嫌がることもありません。本当にラッキーで感謝しています。
米ハーバード大から自閉症の子を歯医者に連れて行くためのヒント
(チャーリー)