- 医療従事者が自閉症の患者を適切に理解するためにはどんな点に注意すべきか?
- 自閉症や知的障害を持つ患者とのコミュニケーションを円滑にするためにはどのような工夫が必要か?
- 医療従事者が自閉症の患者と向き合う際に、どのようなサポートが役立つだろうか?
医療関係者が自閉症の患者を前にして、とまどうことはよくあることです。
驚くほど多くの医師が、強烈な感覚の問題、コミュニケーションの障壁、言語処理障害など、あまりにも多くの潜在的な課題があるために、自閉症の人たちを治療することに躊躇していたり、準備が整っていません。
私の息子のナットは、かなり重度の自閉症と言語処理の問題、そしてコミュニケーション障害をかかえる成人です。
例えば、彼は「イエス」と言うだけで人が安心し離れていくと学習しているため、正確な返答をすることが難しいのです。
そこで、「オペレーション・ハウスコール」のブレーンの一人であるマウラ・サリバンから、ナットともう一人の自閉症の若者に、ハーバード大学の医学生向けの講演を依頼されたときに、私たちはその機会に飛びつきました。
オペレーション・ハウスコールは、1991年からArc of Massachusettsが始めたもので、発達障害や知的障害のある患者さんに対応する医療従事者を養成するために、実際に直接体験してもらう機会です。
講演の前に、夫のネッドと私はナットが治療を必要とするときに医師と遭遇する特別な問題について話しました。
そして、医学生たちに配布する「ヒントシート」を作成し、重度の自閉症のナットのために何が有効かを説明しました。
私たちが思いついた、その8つのヒントを説明します。
1.あなたが扱っているのは、一人の人間です
医療従事者は自閉症の患者を、他の患者と同じように見ないことがあります。
目の前に完全にユニークで、そして複雑な人が立っていることをわかっていません。
ナットの場合、ナットはすでに大人なのです。
「いい子だね」と言うのは、侮辱的とまでは言わないまでも、不適切です。
ナットは32歳です。
患者の名前と介助者の名前も覚え、その家族に合わせた質問を行ってほしいです。
2.普通か静かな声のトーンで話す
自閉症の一部である感覚的な問題について知らない人は少なくありません。
ナットは誰かが大きな声をあげると不安に感じるかもしれません。
患者によっては、静かな部屋で非常に静かに話すことが、患者の注意を引き、あなたが彼らに話していて、答えを必要としていることを示す最良の方法となります。
3.質問をした後、考える時間を確保する
質問を投げかけ、その返答を待ちます。
他の患者よりも時間がかかるかもしれません。
例えば、ナットに質問をしても、返事をしないことがあります。
そうしたときには、質問を繰り返し、名前を言っての注意を引いてください。
可能であれば、患者が理解できない場合に備えて、質問の言い方を変えてみてください。
4.すべての会話に患者を含める
患者が自分の言っていることを理解していないように見えても、理解していると思ってください。
介護者に尋ねる必要があると感じたら、本人にその旨を伝えてください。
「ナッツさん、介護者さんにあなたの健康についてお聞きしたいのですが」
5.毛布やぬいぐるみ、人形など、何らかの愛用品を持ち込むこともあります
プログラム・ディレクターのマウラ・サリバンは、彼女の息子がディズニーの『トイ・ストーリー4』に登場するキャラクター「フォーキー」を持ってきて、医師が息子と一緒にフォーキーを診察したことを話しています。
このテクニックは驚くほど効果的です。
6.余計な言葉は丁寧だが混乱を招くかもしれない
丁寧な言葉遣いをするために、余計なことを言い過ぎることがあります。
雑談は必要ありません、あるいは望ましくないかもしれません。
息子のナットには、雑談は混乱を招きます。
簡潔な言葉を使い、そして決めつけないことを考慮してください。
7.チェックリストを使って話したり、書き出したりする
自閉症の患者は、質問の目的、物事の順序、そしていつ終わるかがわかれば安心しやすくなります。
多くの自閉症の人は、スケジュール、カレンダー、箇条書きのリストが好きです。
診察の際に簡単なチェックリストがあるとよいです。
また、可能であれば、絵なども使って、新しい診察のたびに何が起こっているのかを患者に正確に示すようにしてください。
「ナットさん、まず、あなたとあなたの介護者にいくつか質問します。
次に、体重を測定し、心臓の音を聞いてみます。
その後、あなたの目と耳を診ます。
注射が終わったら、家に帰ることができます」
何をすれば終わるのか、いつ帰れるのかをしっかり伝えましょう。
息子はナットは、言われたことを気持ちよく行うためには、最初と中間と最後を聞く必要があります。
また、伝えたことを繰り返してください。
毎回、できるだけ同じような方法で、患者さんに手順を伝えてください。
8.質問の順序を簡単する、言い直せる機会を作る
正確な回答を得るために、質問を言い換えたり、言い換えたりしてください。
言い換えたり、回答の選択肢の順番を逆にしたりすることが良いです。
2回、質問することで正確性を確保することができます。
正確な回答が得られない可能性があるため、他の患者より多くの質問をする準備をしてください。
介護者に確認し、問題点も把握してください。
触れてもよい理由を説明してください。
あなたが医師であり、安全であることを安心させてください。
すぐに終わるから、好きな活動に移ってもいいし、家に帰ってもいいということを忘れずに繰り返してください。
どんな患者にもうまく接することができる方法は一つではありません。
しかし、試行錯誤し、戦略やテクニックをもつことは重要です。
常に患者さんに最初にすべてを尋ね、必要であれば介護者も含め、患者さんを会話に参加させることを忘れないでください。
全体としての一般的なルールは、シンプルで、敬意を払い、包括的で、一貫性のあるものにすることです。
(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay)
うちの子も鼻の中を診ようとすると暴れますが、
耳から診て、鼻とすると、暴れなかったりします。
いろいろ面倒なことが多く、診療はすごく大変だとは思いますが、どうかよろしくお願いします。
(チャーリー)