発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

自閉症の成人の子をもつ親に知っておいてほしい3つの主な困難

time 2021/12/30

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

自閉症の成人の子をもつ親に知っておいてほしい3つの主な困難
  • 自閉症の診断を受けていない成人の子供はどうすればいいですか?
  • 自閉症の子供がタスクを完了できるようにするにはどうしたらいいですか?
  • 自閉症の子供が感情をコントロールするのを手助けするにはどうすればいいですか?

28歳のキャメロンは高機能自閉症です。
大学には4回挑戦したがうまくいかず、半年以上仕事を続けるのも難しい状態です。
その結果、うつ病や不安神経症になり、自分を見失い、孤独を感じています。
彼が両親に怒りをぶつけるのは(そして不満をぶつけるのは)、心の底では、何があっても自分を愛してくれるからだと知っているからです。

悩める自閉症スペクトラム障害の成人になった子どものために両親はしばしば私に相談します。
私は30年以上心理学者として、自閉症の成人(とその親)が直面する計り知れない精神的苦痛について、多くの話を聞いてきました。

たしかに、生産的で満足のいく人生を送ることができる自閉症の成人もいます。
しかしとても多くの場合、多くの人たちとは異なる経験をするために、周りの(そして内側の)世界は、非常に圧倒的でストレスなものになります。

自閉症と診断される人は増えています。
米国疾病対策予防センターによれば、2018年、米国では8歳の子どもの44人に1人が自閉症スペクトラム障害(ASD)と確認されました。

自閉症は、症状の種類や組み合わせ、その重症程度は、診断された人たちの間で大きく幅があります。
そのため、自閉症の成人の困難は多様ですが、比較的共通した困難もあります。

米国精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)によると、30年以上にわたる私の臨床観察と合わせて、成人によく見られる自閉症スペクトラム障害(ASD)の主な兆候は以下です。

  • 他人の考えや気持ちを理解するのが難しい。
  • 社会的な状況に対して強い不安を感じる。
  • ある話題に執着し、それについて執拗に話す。
  • 友達を作るのが難しい、または一人でいることを好む。
  • 自閉的惰性(ASDの人は、ある作業をやめると、それを再開するのに苦労するという考え方)。また、一度やり始めたらなかなかやめられない。
  • 無愛想に見える、無作法に見える、他人に興味がないように見える。
  • 自分の気持ちを言いにくい。
  • ある物事を非常に文字通りに受け取ってしまう。
  • 人の上に乗って話してはいけないなどの社会的な “ルール “を理解しない。
  • 目を合わせない。

これらの課題はすべて、スペクトラムの成人の3つの主要な困難に集約されます。

 

1.自閉症について理解できていない

私はこれまで、自閉症の強い兆候を示す多くの子どもや成人と関わってきましたが、彼ら(そして悩める親たち)は、ASDに関する課題の核心を見過ごしがちです。
これは様々な理由で起こります。

小児科には神経発達障害などの専門科があります。一方、ASDの成人はそうした支援サービスを受けていないことが多くあります。
残念ながら、これらは成人の自閉症関連サービスが不足しているためです。
さらにこのジレンマに拍車をかけるのは、成人期を迎える自閉症の人の数はますます増えることです。

そして、関連する無数のストレス要因や課題による、自閉症に関連しての苦悩は長年にわたって親や本人を消耗させ、燃え尽きたように感じさせます。

しかし、自閉症と診断されても親はそれを最小限に抑えたり否定したりすることがあります(「子どもを動揺させたくない」)
自閉症の成人本人も、自閉症出ない自分を望み、自分の自閉症を否定したり、最小限に抑えたりします。(「私は自閉症でなくADHDです」)
そのため、正式には自閉症と診断されたことがない。
学校の誰かに自閉症であることを示唆されても、正式な診断はされていないということが少なくありません。

 

2.必要なタスクに関わるコミュニケーションと、それをやり遂げることができない

多くの自閉症の成人にとって(そして親にとっても)、発達障害でない人たちの世界の要求をナビゲートすることは困難なことです。
そのため、自立するための目標を達成するのは難しくなります。

自閉症の大学生のうち、高校を卒業してから5年後に卒業した、あるいは卒業の見込みがある者は20パーセント未満です。
高校を卒業してから7年後までとなれば、それは39パーセントにまで増加します。

自閉症は多くの場合、直接的な興味や活動以外のことに集中できないことも特徴です。
ペースを守ったり、長時間同じ作業を続ける必要がある仕事は、一般的に自閉症の人の能力を超えるものです。

意欲の問題は、自閉症の成人に大きく立ちはだかります。
また、自閉症の惰性は、タスクを開始し、中断されたときにそれを再開し、それを完了するのに邪魔になります。

そのため、「できない」のか「しない」のかを見極める必要があります。

ゆっくり一歩下がって、自分で解決する必要があるのか、それともあなたのサポートが必要なのか、親は客観的に自問することに全力を尽くしましょう。
ただ急いで、できるようにすればいいわけではありません。

3.不安・悲しみ・怒りの感情をコントロールするのが難しい

自閉症の人は、自分自身の感情や、イライラしている両親を含む他人の感情を理解するのが難しいと感じるかもしれません。
他人の感情は、表情、アイコンタクト、ボディーランゲージによって送られる微妙なメッセージによって解釈されます。

自閉症の成人は、他人のこうした感情を追跡できないことで、自分自身を苛立たせていることに気づくかもしれません。
自閉症の人は感情を見逃したり、間違って解釈したりすることが多いため、他人から失礼な人、無愛想な人と誤解されることがあります。

自閉症の成人が直面する課題の複雑さを考えると、明らかに即効性のある解決策はありません。
しかし、親には次のようなことができます。

子どもの発達障害による困難を受け入れ、その葛藤に耳を傾けることで、親は知らず知らずのうちに非難や恥を表現してしまうことを減らせます。
必要であれば、子どもがカウンセリングや精神科の治療を受けられるよう、できる限りの手助けをしましょう。

子どもの自閉症が必ずしも否定的なものであるとは考えず、忍耐強く、彼らがかかえる違いに共感してください。

ストレスに対処するために健康的にできることとできないことの境界線、ある課題を受け入れるために必要なこと、そして、フラストレーションを乗り越えて障害を克服するために努力することを励まし続けることが、あなたの自閉症の成人の子どもに対する最大のサポートとなります。

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

うちの子は重度で話すこともできないため、こうしたレベルの悩みはむしろありません。

親子ともに笑顔で過ごせることを第一に考えてきました。

私がなくなるまではそれはそのままで、なくなった後のことをより考えなければと思っています。

自閉症の成人は診断を受けたことで力を得るが支援が必要。研究

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから
福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。