発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

犬は自閉症の人の幸福度を大幅に向上させ、自殺も防ぐ。研究

time 2021/12/22

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

犬は自閉症の人の幸福度を大幅に向上させ、自殺も防ぐ。研究
  • 自閉症の人にとって犬を飼うことはどのような効果がありますか?
  • 犬がいることで自殺のリスクは低減しますか?
  • どんな犬でも自閉症の人の精神的な健康に良い影響を与えますか?

犬には人を落ち着かせる素晴らしい効果があります。
そして、自閉症の人たちにはその効果はさらに増幅されます。

ペットを飼うことの効果、そして犬の愛情と保護者としての責任が、自閉症の人を自殺から守ってきました。
新しい研究により、それが明らかにされました。

この英リンカーン大学の研究では、36人の自閉症の飼い主に、愛犬との関係や、それが精神的な健康にどのような影響を与えたかをインタビューしました。
そのうちの6人が愛犬のおかげで自殺を免れたと答えています。

研究者たちは、さまざまな集団におけるペット飼育のポジティブな影響を理解するために、この調査を実施しました。

抱っこや散歩など、犬と飼い主の愛情あふれる触れ合いが、犬の自閉症の飼い主の感情や気分を最もよく改善し、ペットへの餌やりなどの日常的な活動も、日常生活を特に向上させることがわかりました。

なお、犬のポジティブな影響は、犬の年齢、犬種、大きさとは特に関係がないようだと指摘しています。
つまり、犬と飼い主の間に愛情があり、行動上の問題など、犬を飼うことのマイナス面を最小限に抑えることができれば、どんな犬でも飼い主の幸福度を向上させる可能性があることを示唆しています。

一方で、犬の健康状態の悪化、死、その他の特定の義務を伴う精神衛生上のコストが発生することで、自閉症の人に悪影響を及ぼす可能性もあります。

人間とコンパニオンアニマルの相互作用を専門とするリンカーン大学の獣医行動医学教授、ダニエル・ミルズは、次のように述べています。

「自閉症の人が飼っている犬は、その人たちの何千もの命を救う役割を担っている可能性があります。
これは、これまで取り上げられることがなかった本当に重要な発見です。

私はこれまで、犬が人間に与える影響について研究してきましたが、人と犬との関係は、自閉症の人々にとって特に大きな影響を与えると信じています。

自閉症の大人は社会的な人間関係に悩むかもしれません、孤独かもしれません。
犬は人を失望させたり裏切ったりしないので、多くの人がそれを心強く感じることができます。
犬がそこにいるだけで、人はあらゆることに対して安心することができるのです」

英国では、自閉症でない人では約25パーセントであるのに対し、自閉症の人では約80パーセントが精神衛生上の問題をかかえています。
うつ病と不安は、自閉症の人たちが経験する主要な精神衛生上の問題であり、自殺は自閉症の人々の早すぎる死の主要な原因でとなっています。

サイエンティフィック・リポーツ誌に掲載されたこの研究は、犬を飼うことで多くの自閉症成人の幸福度が大幅に向上し、このリスクの高いグループの自殺予防策に役立つ可能性があることを示唆しました。

ルース・グレゴリーは、犬のおかげで久しぶりに笑顔を取り戻した自閉症の女性です。
20代前半には家から出るのもやっとだった彼女の人生を変えたのは、犬のおかげだと彼女は感謝しています。

5歳のこのセラピー犬は、4年前に彼女の母親が連れてきました。
犬がどのように彼女の生活と健康を改善したかについて、ルースは次のように述べています。

「犬のサポートは、私を落ち着かせ、最初の不安や感覚の過負荷を防ぐのに役立っています。
私がパニックを起こしてしまう前に、ほとんどいつも助けてくれます。

救急車に乗ったり、大きな手術を受けた病院のベッドで、一緒にいてくれました。
私が苦痛で泣いているときに涙をなめてくれたり、侵入を知らせてくれたこともあります。

私が体調を崩すと、水や薬を持って来てくれます。

私はコミュニケーションに困難を感じており、数カ月間、無言だったこともあります。
家族と話すことができないこともありましたが、犬が助けてくれることで、見知らぬ人とでも話すことができるようになりました」

セラピー犬が助けているのは大人だけではありません。
自閉症の子どもたちも助けています。

家族の生活を一変させた犬の一匹ファーンは、5歳のレオン・カービー=ブルナーと驚くべき絆で結ばれました。
レオンは、脳の病気を患っており痛みを伴う頭痛を引き起こすことがあります。
また、幼児期に自閉症とも診断されています。

しかし、ファーンが家に来てから、母親のヘイリーが「もう息子が静かであることはなくなった」と冗談を言えるくらいに変わりました。

「息子は犬を見たとたん、目に星が輝きました。
そんなことは今までありませんでした。
息子ははよく隅に座ってずっと揺れていました。
ずっと一人のままでいることを好んでいました。

しかし、この小さな子犬が、息子に笑顔と微笑みを与えました。
そして2週間もしないうちに、仲良くなっていました」

今回の研究を率いた大学の博士課程の学生、アナ・マリア・バルセロスはこう言います。

「一般的な犬の飼い主は、犬との関係を楽しんでいますが、自閉症の飼い主は、この関係からより多くの利益を得ているようです。

例えば、買い物に行ったり、定期的に散歩をしたり。
自閉症の人はペットの犬がいることで、一般により自信を持てるようになるようです。

そして、犬の存在、犬の世話をする習慣、犬との触れ合いは、自閉症の人々の精神的な健康を向上させる重要な要素であるようです。

この研究を基にすることで、自閉症の人の自殺を減らすことができると考えています」

(出典:英Wales Online)(画像:Pixabay

ありがたく、素晴らしい存在です。

本当にたくさんの人を助けてくれているのですね。

自閉症の子たちには犬よりも猫が良いペットになるという研究

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから
福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。