- 自閉症の人が仕事を始める際に最も圧倒されることは何ですか?
- 仕事の面接の方法を変更することは、自閉症の候補者にとってどのような影響を与える可能性がありますか?
- 職場が自閉症の従業員を受け入れた場合、どのような恩恵が期待できるでしょうか?
自閉症の女性が、仕事での経験がトラウマになり、神経多様性を持つ従業員への配慮が必要だと語ります。
25歳のアリス・バンフィールドは、店員として働いていたときに、過度の刺激やコミュニケーション不足が原因で不安発作を起こしました。
「刺激が強すぎてコミュニケーションが取れないため、店員として働いているときに不安発作を起こしてしまいました。
イギリスでは、自閉症の成人のうち雇用されているのはわずか22パーセントといわれています。
卒業後、アリスは季節限定の店員としてパートタイムの仕事をしました。
「それはとてもトラウマになりました」
明確な指示がなく、同僚や顧客のボディランゲージを読み取るのに苦労し、忙しくて明るい環境に刺激されすぎたと言います。
「自閉症であることを明らかにしても何の解決にもなりませんでした。
他人と一緒に仕事をすることへの信頼感の欠如が引き金となって、その後、再び仕事を探す気にはなれませんでした」
アリスは現在、フリーランスのアーティストとして活動しており、作品を通じて自閉症を伝えようとしています。
「自閉症の人の就職に関するサポートはあまりないように感じます」
イギリスでは、7人に一人が発達障害といわれています。
これには、失読症、ADHD、自閉症スペクトラムなどの人たちが含まれます。
29歳のレベッカ・エリスは、英スウォンジー大学の博士課程に在籍しており、24歳のときに自閉症の診断を受けました。
2年前に通常の学校でアシスタントとしてフルタイムで働くと長期的な疲労、そして燃え尽き症候群に悩まされました。
「休憩時間、昼食時間、登校前、放課後、授業の合間、そして授業中、ずっと忙しくしていました。
職員室には8人がいて、とても騒がしく、みんながいつも昼食を取ろうとしています。
とても忙しく、とてもフレンドリーでした。
しかし、フレンドリーであっても圧倒されることがあり、落ち着くために自分の時間を持とうとすると、かなり多くのことに対処しなければなりません。
私は仕事で燃え尽き症候群を経験しました。
燃え尽き症候群とは、信じられないほどの疲労と倦怠感に襲われ、これ以上自分を追い込むことができない状態のことです」
レベッカは、自閉症の人が仕事をする上でのさまざまな便宜を図ってほしいと考えます。
例えば、面接の代わりに書面による評価を行うことや、自閉症の候補者に事前に質問事項を伝えるなど、面接の方法を変更することを希望しています。
「仕事を始めることは、自閉症の人にとって最も圧倒されることの一つです。
なぜなら、知らない人に初めて会うからです」
彼女は、自閉症の人が求めたときには、その負担を取り除いたり、神経多様性のある環境での仕事について学んだ人が、自閉症の人たちの労働を管理することを提案しています。
また、消音ヘッドフォンや、過度の刺激を感じたときに退避するための静かな空間、安心して仕事ができる個別の作業スペースも有効だといいます。
そして、そうした変更のほとんどは、他の誰にとってもメリットがあることも指摘します。
ヴォーン・プライス博士は自閉症スペクトラムの人たちが通う、「ビーチウッド・ファーザー・エデュケーション・カレッジ」の主任心理学者です。
ここでは、コーヒーショップ、オンラインマーケットプレイスでの工芸品の販売、オフィス環境のようなワークスペースの設置などを通して、自閉症の人たちが仕事を体験することができます。
プライス博士は、もし職場が自閉症の従業員を受け入れることができれば、その恩恵を受けることができると言います。
「私が一緒に働いている学生の中には、私がこれまでに出会った中で最も勤勉で、正直で、献身的で、想像力に富み、クリエイティブな人たちがいます。
自閉症の人を働けるようにすれば、圧倒的に生産性の高い、幸せで献身的な労働者になる可能性があります。
その可能性はとても大きいのです」
「ペダル・パワー」のディレクターのシアン・ドノバンはプライス博士から自閉症の人たちをより歓迎するためのアドバイスを受けた後、自閉症のボランティアの人に管理業務を手伝ってもらっています。
「彼は大勢の人や初対面の人とコミュニケーションをとるのが非常に苦手なのです。
しかし、頭脳は優れています。
一度作業内容を説明し、オフィスで静かに仕事をさせておけば、彼は素晴らしい仕事をします」
シアンは、自閉症の従業員やボランティアを雇うことを他の人にも勧めたいと言います。
「貼られたレッテルで、恐れたり、仕事ができないと思わないでください」
自動車保険のアドミラル社には、200人以上の発達障害をかかえる従業員がいます。
従業員の採用段階からキャリアを通じてサポートと調整を行っています。
同社のダイバーシティ&インクルージョン部門の責任者であるシアン・ルイスは次のように言います。
「私たちは、多様なバックグラウンドを持つ人々がもたらす特性を深く理解しています。
全く異なる考え方、全く異なる視点を持つ人を迎え入れることは、非常に重要なことです」
(出典・画像:英BBC)
その人にあわせた配慮をすることで、すごい能力が発揮されます。
人を職場に合わせる、ではなく、職場を人に合わせる。
もう、それができる、そうする時代です。
(チャーリー)