- 誤診や診断されないことによる悩みを抱えた大人の女性や少女はどのようなサポートを受けられるのか?
- 大人が発達障害や精神的な苦しみを抱えることで、仕事や自己アイデンティティにどのような影響を受ける可能性があるのか?
- 発達障害やADHDについての適切な診断を受けることで、個人やビジネスにどんなポジティブな影響があるのか?
ADHD(多動性障害)と自閉症の診断を受けた企業経営者が女性や少女を支援するために発言しています。
45歳のトレイシー・リーブは、子どもの頃からまわりに溶け込めず、いつもまわりの人の行動を真似しようとしていました。
しかし、今年初めに診断を受けて、それまでのことが理解できるようになったのです。
「10代の頃は、自分が周りに溶け込むことができず、いつも何かが間違っているように感じていました」とトレイシーは言います。
「それが何なのか分からず、いつも自分は少し壊れていると感じていました。
もっと若いころにそれを知っていたら、自分のアイデンティティや方向性をもつことができたと思います。
診断を受けて良かったことの一つは、初めて自分自身であることを認めてもらえることです。
自分が何か悪いのではなく、脳の働きの違いによるものだということを、初めて確認できたような気がします」
数年前、トレイシーは自分の精神状態に悩んでいて、不安や鬱のためにセラピストに診てもらうようになりました。
セラピストとのセッションでは、自分自身のこと、自分の心の動き、そしてなぜたくさんのことに悩んでいるのかについて多くのことを学びました。
3年前、彼女はかかりつけの医師に相談したところ、自閉症の診断を受けることになりました。
セラピストからはADHDの検査も受けるように勧められました。
今年になってようやく診断を受けた彼女は、それ以来、自分がどういう人間なのか、そして自分を受け入れることについて学びました。
「45歳になるまで診断を受けなかったことが悔しくて、もっと若いうちにこのことを知っていたら。
そしてサポートを受けるべきだったのに、なぜ自分がこんなに変わっていて、どこにも馴染めないのかわからず一人で悩んでいたことを思うと、悲しくて仕方がありませんでした。
世の中には、誤解や調査不足のために、誤診されたり、診断されなかったりする大人の女性がたくさんいます。
ビジネスウーマンである私は、批判を恐れ、自分の評判やビジネスにダメージを与える可能性があるため、自分の診断については黙っていました。
しかし、診断はとても重要で、私の一部であり、これまで私が成し遂げてきたことは、絶対に自閉症やADHDのおかげです」
トレイシーは、自分の体験談を語ることで、他の女性や少女が早期診断を受け、自分のような苦労をしなくて済むようになることを願っています。
「自分の脳と常に戦っているので、精神的に疲れるし、次から次へと新しいことが出てきます。
見るもの、聞くもの、頭の中でフィルターをかけることができないので、文字通り洪水のように押し寄せてくるのです。
メールを開いた瞬間に、これをやるべきだったと思い出すまでに、他の3つのことをやってしまったりします。
私の脳は一度にすべてのことをやろうとするので、やるべきことの優先順位をつけるのが難しいのです」
もし、もっと若いときに診断を受けていたら、人生は違ったものになっていたかもしれないと彼女は考えています。
「学校のレポートには、私は聡明だが集中力に欠け、気が散りやすいと書かれていました。
それが私の人生を表しています。
自閉症は、社会性に影響が出てきて、社会的な合図を受け取るのがとても難しくなります。
何を言えばいいのかわからないんです」
トレイシーは現在、サポートワーカーと連絡を取り合い、自分のことを考えてしまうときは、複雑な症状を理解しているサポートワーカーに悩みを打ち明けることができます。
トレーシーは現在、ADHDの治療のために薬を服用しています。
自分に合った量を得るために数ヶ月間試行錯誤を繰り返しましたが、今ではその効果を実感しています。
「ソーシャルメディアも素晴らしいです。
自分と同じような経験をしている人がたくさんいますから」
トレーシーは自分の神経多様性を利用して、自分のビジネス、「The Cut Back」をオープンしました。
The Cut Backは、より持続可能なライフスタイルをサポートするために、さまざまな製品を提供するショップです。
「これまでの人生で経験したすべての仕事では、9時から5時までの労働時間に合わせることに苦労しました。
でも、この仕事では、自分の強みを生かして、夢のような仕事をすることができました」
夏の間はビジネスモデルを変えなければならないと思ったこともありましたが、今では状況が好転し、最近ではショップの裏にワークショップ用の「Eco Hub」をオープンし、コミュニティベンチャーとしての活動も行っています。
発達障害の子の母でもあるトレイシーは、発達障害の人は苦難を乗り越えて、どんなことにも成功できるというメッセージを広めています。
「自閉症やADHDの人たちには、たくさんの誤解があります。
他の親たちは、子どもが自閉症であることにショックを受け、大学に行ったり仕事をしたりすることはできないだろうと考えていました。
しかし、ひとりひとりが違うのです。
自分が悩んでいることに対する強みや対処法を見つけることが大切なのです」
トレイシーの二人の子ども、21歳のタトゥーアーティストのデイジーと、大学進学を希望している15歳のチャーリーも、どちらも発達障害をかかえています。
トレイシーは、夫のジョンや家族、そして素晴らしい友人たちのサポートのおかげで、自分の診断について話すことが容易になりました。
ADHDと自閉症であることを伝えたときは、誰も驚きませんでした。
そして、トレイシーは今は、発達障害の人たちがビジネスの場で求めれるエキサイティングな時代だと考えています。
「Google、IBM、Appleなどの企業は、発達障害の人を積極的に採用しています。
彼らは、発達障害の人たちがビジネスにもたらすメリットを理解しています。
自閉症やADHDであっても、人生で何かを成し遂げることを妨げることは決してありません」
(出典・画像:英Teesside Live)
ご活躍される姿に、勇気をもらう方もいらっしゃると思います。
ますますのご活躍を期待しています。
(チャーリー)