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知的障害、発達障害の人とバディを組んできた彼女は大学でも活躍

time 2021/10/21

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

知的障害、発達障害の人とバディを組んできた彼女は大学でも活躍
  • 自閉症や発達障害を持つ子供でもスポーツに参加できるプログラムはあるの?
  • 子供が障害を持っていても友達を作る方法はあるの?
  • 障害者が利用しやすい社会にするにはどうすればいいの?

アレクシス・ワードの子ども時代の思い出といえば、いとこたちとの大家族の集まりです。
集まれば、子どもたちはみんな興奮して駆け出しました。

そんな中、ワードのいとこの一人であるコリーは一人でいることがありました。
車椅子に乗っているので、いつも仲間に入れなかったのです。

それがワードには気に入りませんでした。
小学生だったワードは、年上のいとこを仲間に入れたいと思っていました。

それ以来、ワードは包括的な考え方を持っています。
現在は米バージニア大学の教育・人間開発学部で適応型体育の修士号取得を目指しています。
ワードは、障害を持つ人たちを助けたいと考えています。

先日、ワードのバージニア大学ラグビークラブのチームメイトは、障害をかかえる人たちのためにアダプティブ・ラグビー・クリニックを開催しました。

「ラグビーが私の人生の重要な部分を占めるようになった今、私の2つの情熱を融合させることができたら素晴らしいと思ったんです」

そう語るワードは、チームのキャプテンです。
大学2年生から、に初めてラグビーを始めました。

クリニックでは、参加者にラグビーのフィジカルな部分を減らしたフラッグフットボールのようなプレーをしてもらいました。
これはタックルするのではなく、お互いのウエストバンドからフラッグをつかむというものでした。
ワードは、アダプティブ・ラグビーのリーグ戦を定期的に開催することを目標にしています。

教育・人間開発学部のマーティン・ブロック教授は、ワードは特別な存在だと言います。
障害者のための運動学のプログラムディレクターであるブロック教授はこう言います。

「彼女はたった一人でこのアダプティブ・ラグビー・プログラムを立ち上げ、地元のスペシャル・オリンピックスやシャーロッツビルの公園・レクリエーションと連絡を取り合い、アスリートたちに興味を持たせました。
この地域でアダプティブ・ラグビーが行われたのは今回が初めてです。
おそらくバージニア州でも初めてのことだと思います」

ワードは、いとこの他にも何人かの障害をかかえる人たちに囲まれて育ちました。
小学生の頃には、スペシャルオリンピックスのラクロスプログラムに参加したり、知的・発達障害のある人と障害のない人がペアを組む「ベストバディーズ・インターナショナル」のボランティアを始めました。

障害のあるクラスメートと一緒に給食を食べました。
このベストバディーズ・プログラムは、ウォードの友人の妹であるローザ・マーセリーノが2009年に当時のオバマ大統領と共同で制定した「ローザの法律」に端を発しています。ローザの法律とは、「精神遅滞」を「知的障害」に置き換える法律です。

高校生になってからは、ラクロス、サッカー、バスケットボール、バレーボールの選手として活躍しました。
高校3年生のときに肩を痛め、ラクロスはできなくなりましたが、すぐにアダプティブ・ボッチ・チームに参加しました。

「私の学校は非常に包括的でした。それが私の活動を支えてくれたと思います」

ワードはここバージニア大学でも活動を続けました。
ベストバディーズ・プログラムでは、全く話すことができない60歳の男性とペアを組みました。

「多くの人がボランティア・クラブだと思っていますが、そうではありません。
友だち作りです」

ウォードさんは、この4年以上の間に、その男性との友情が深まったと言います。

「最初に付き合い始めたときは、つながりをつくることが大変でした。
でも、2年目になると、私が部屋に入ると、彼が私に気づくようになったんです。
私たちが仲間であることは間違いありません」

ワードは大学3年になって、ルーク・ケリー教授の「障害者のための運動学」を受講し、それがきっかけでこの分野の修士号を取得することになりました。
課題の一環として、学生たちは車椅子を使ってグラウンド内の特定の場所に行くことを課されました。

「これは、障害をかかえる人がアクセスできないのではなく、私たちの世界がアクセスさせていないということを理解するためのものでした。
そうしたことをたくさん学ぶことができました」

ワードは、自分が入学したときよりも大学のグラウンドがよりアクセシブルになったといいます。

「以前は階段しかなかった芝生広場にスロープが設置されました。
素晴らしいことです。
この地域は坂が多く、そしてバージニア大学はとても広いので、車椅子に乗って移動するのがとても大変でした」

ワードは、ケリー教授とブロック教授から多くのことを学んだと言います。
学んだなかで、一番重要なことは、人々は身体的な能力のために障害を持っているのではなく、社会が彼らを参加させようとしていないために、障害をかかえていることだといいます。

「私たちが彼らに障害を与えているのです。
インクルージョンの観点から、彼らが私に話してくれたことは、本当に素晴らしい視点でした」

教授の指導のもと、ボランティアやインターンの経験を重ねるうちに、ワードは障害を持つ子どもたちを助けたいという情熱を持つようになり、この夏、障害者のための運動学の修士プログラムに参加することになりました。
このプログラムの一環として、この辺りの学校やおよびバージニア自閉症研究所で障害のある子どもたちを指導しています。

「バージニア大学で優秀な成績を収めることができたのは、彼女の情熱と目標に向かって努力する姿勢が見て取れたからです。
情熱と決意が、彼女がクライアントの目標達成のために努力するよう、良い意味で後押ししてくれることでしょう。
彼女が学校で子どもたちと一緒に取り組んでいるところを見たことがありますが、もっと頑張ろうと優しく背中を押してくれるものでした」

そうブロック教授は言います。
ワードの最終的な目標は、小児作業療法士になって、子どもたちが身体的な目標を達成できるようにサポートし続けることです。

ワードは手足の不自由ないとこのコリーが、子どもの頃にどれほど大変だったかを今でも覚えています。
それは大人になってからも続いています。
現在30歳になったコリーは、人生のほとんどを理学療法や作業療法に費やしてきました。
コリーは、常にワードの最大のインスピレーションの源です。

「もし私を見かけたら、ワードは大声で私の名前を叫ぶでしょう。
ワードはとてもにぎやかで、とても面白い人」

(出典・画像:米バージニア大学

一緒にすごして来たからこそ、身についた距離間などがあるはずです。

障害をかかえる人と社会を結んでいって頂きたいと期待しています。

発達障害や知的障害の子どもたちを支援する「バディ」の取り組み

(チャーリー)


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