- 自閉症の子どもたちの顔に特徴はあるのか?
- 顔の特徴から自閉症と識別できる可能性はあるのか?
- 自閉症の子どもたちが持つ独自の顔の特徴は、親や他人にとってどのように役立つのか?
幼い子どもに自閉症の可能性がある場合、親はその対処の難しさをよく口にします。
少しでも兆候が現れると、親は自分自身を疑うようになります。
自分の子ども観察し、行動のあらゆる側面を分析します。
このような状況のなか、不確実性を減らす明確な自閉症の特徴があれば楽だと考える親もいます。
それだけではなく、自閉症の子どもが苦労している理由を、他人が見てわかればもっと楽に過ごしていけると考える親もいます。
例えば、子どもがパニックを起こしたときには、他人もその子に注意しますが、その理由を自閉症であると考える人は少なく、ほとんどの人がしつけの欠如だと考えるからです。
自閉症の子どもたちの症状、示す特徴は一人ひとり異なります。
見た目もそうなのでしょうか?
顔の形やその他の顔の特徴から,自閉症と識別できる可能性はあるのでしょうか?
最近の研究では,自閉症の子どもによく見られる顔の特徴があることが示唆されているようです。
2011年のある研究では,自閉症の少年の顔面形態の違いを,定型発達の少年と比較調査しました。
この研究は、脳の発達と顔面組織の発達は連動しており、それぞれが他方の発達に影響を与えるという考えに基づいて行われました。
8歳から12歳までの男の子のステレオフォトグラメトリ画像を取得しました。
そのうち65人が自閉症で、41人が定型発達の男の子でした。
その結果、この研究では自閉症の男の子たちの顔面形態に,定型発達の男の子と比較して有意な差があることがわかりました。
しかし、その顔の違いは人の目からすると微妙なものでした。
そして、この研究で得られたもう一つの興味深い発見は,自閉症の男の子たちのグループにサブグループが存在したことです。
これらのサブグループは,特定の行動特性に対応する明確な顔の形態がありました。
重度の自閉症症状(言語障害、発作、知的障害)を呈する参加者からなるサブグループでは、口が広く、口の上部と目の下部の間の距離が短いといった顔の特徴が共通して見られました。
もう一つのサブグループの顔の特徴は、男の子は上顔面が広く、鼻の付け根と上唇の境目の距離が短い傾向がありました。
このグループは、アスペルガー症候群(現在は正式な診断名ではありません)と診断される可能性が高く、認知機能や言語機能の障害が少ないという特徴がありました。
しかしこれらの違いは、親でも気づかない可能性があります。
この結果は、3次元立体写真を取得し統計的に比較できるようにしたことで、顔の微妙な違いが明らかにしたことで、導かれました。
2017年の別の研究では、思春期前の自閉症の男の子と女の子を、そうでない子たちと比較し、より顔が男らしいかどうかを調べました。
この研究は、テストステロンへの出生前の曝露の上昇が自閉症スペクトラム障害および顔面男らしさと関連している可能性があるという前提に基づきました。
(自閉症と出生前のテストステロン曝露との関連性に関する現在のエビデンスはさまざまで、さらなる研究が求められています)
その結果、年齢をマッチさせた定型発達の対照群と比較して、自閉症の男の子と女の子はより筋骨隆々とした顔の特徴を持っていることがわかりました。
2015年の研究では、自閉症的特徴が高い女の子と男の子の両方が、自閉症的特徴が低い子どもに比べて、より中性的な顔の特徴をもっていることを示しています。
つまり、女の子は女性的な顔の特徴が少なく、男の子は筋肉的な特徴が少ないということです。
自閉症は、「脳の配線の違い」や「神経多様性」と呼ばれることが多くなりました。
神経多様性を受け入れることは、異なる考え方やユニークな視点から社会が恩恵を受けることを意味します。
上記の研究によれば、自閉症の人は考え方が異なるだけでなく、顔にも特徴があるある可能性があります。
このような違いは、自閉症の人をより深く理解するのに役立つかもしれません。
しかし顔に特徴があるとしても、自閉症の子への優しい対応を期待する親たちは、子どもよりも他人や社会のほうを気にします。
社会は、自閉症の子の顔に特徴がなければ、困っている子を見ても自衛症が理由であることを考慮できないのでしょうか?
(出典:米Autism Parenting Magazine)(画像:Pixabay)
うちの子も小さな頃の検診のときに、顔について言われたことがあります。
けれど、それが最初で最後、一回きりです。
言われても、うーん、そうかな。そりゃうちの家系、みんなそんな顔でしょ。
そんなに特徴的でもないでしょ。
と思ったものです。
特別支援学校の子どもたちを見ても、自閉症特有の顔というのはあるようには思えません。
ただ、自閉症の子とかに限らず、長く生きていけば性格や習慣は顔に現れます。
それはよく思います。
顔の筋肉や皮膚のしわがそれにあわせて変化しますからね。
暗く怖い顔よりも、明るく優しそうな顔になりたいものです。
(チャーリー)