- マスク着用を拒否することで愚か者と見られる可能性はどう思われるか?
- 自閉症の人がマスクを着用することで感じる安心感や煩わしさはどのようなものか?
- 自閉症の人がオンラインでの仕事や学校に利点を感じる一方で、社会的な孤立や必要なサポートが得られなくなったとき、どのように感じるか?
新型コロナウィルスの感染拡大により、私たちの多くがマスクを着用しなければならなくなりました。
これは、私たちの大きな混乱の種となりました。
マスクをつけることを拒否すれば愚か者と判断されるかもしれません。
発達障害である自閉症の女性として私には、良いことと悪いことがあります。
それは私がこれまでの人生で「マスキング」、つまり自閉症であることを隠さなければならなかったことが理由です。
私が自閉症と診断されたのは28歳のときです。
自閉症でないように仮面をかぶることは、私が社会的に生きていく上で必要不可欠でした。
しかし、それは精神的・感情的な健康には有害なことでした。
中学生の頃、私は自分が話し方から服装、歩き方まで変だということを知りました。
少なくとも集団の一員であるふりをしなければ、取り残されてしまうことを理解しました。
そこで、私は上手にモノマネをして、カモフラージュを始めました。
嘲笑された自分の特徴を隠し、自分の発言が奇妙であったり不快であったりしないように事前に分析し、発達障害などでない人たちが見せる「適切な」行動のレパートリーを憶えました。
大人になってからも苦労は続きました。
私が自閉症であることを伝えても、「普通に見える」と言われることがありました。
それも負担でした。
今回のパンデミックの中で、私は物理的なマスクが妙に安心感を与えてくれることに気づきました。
私の感情を隠すのに役立つのです。
自分がどう見られているかを気にする必要がなく、目の前の仕事に集中することができるのです。
しかし、その一方で、大きなマイナス面もあります。
多くの自閉症の人は、自分の感情表現だけでなく、他人の感情表現にも苦手意識を持ち、誤解したり、見逃したりしがちです。
そのため、社会生活に支障をきたすことが多くあります。
相手がマスクで顔を隠している場合は、さらにそれが困難な状況になります。
また、感覚的な問題もあります。
布地が肌に触れると紙やすりのように感じる人にとっては、苦痛でしかありません。
しかし、ソーシャルディスタンスを求められることで、それらの問題が減りました。
社会的な交流が減ったことで、マスクをする必要がなくなったのです。
また、仕事や学校、医者の診察をバーチャルに行うことでも、私たちの感覚的な問題が軽減されました。
家庭環境を離れなくても、日常生活に支障をきたすことがありません。
それでも、自閉症の人にとって、社会的な距離を置くことは絶対的に良いこととはいえません。
自閉症の人は、そうでない人に比べて、新型コロナウィルスによる症状が重篤になったり、死亡したりするリスクが高いのです。
しかし、バーチャルで仕事ができるようになったのは良いことです。
私は、就職難のためにすでにオンラインでフリーランスとして活動していたので、大きな変更もは必要ありませんでした。
オンラインでの仕事は自閉症の人にとって理想的です。
ですが、自閉症の人でも孤立に疲れ、外部の人との接触を求めます。
新型コロナウィルスによって、私たちのために存在していたソーシャル・グループやライフスキル・グループのような限られたサポートが、閉鎖されたり中断されたりしています。
こうした集いは、私たちが日常生活に対処し希望をもつのには必要なのです。
今回の新型コロナウィルス感染拡大は、自閉症など発達障害をかかえる人たちへのこれまでの態度や社会を改善するための機会にもできるはずです。
(出典:米Miami Herald)(画像:Pixabay)
大きな変化が求められた時となりました。
良かったと思える変化はますます進捗してほしいと思います。
発達障害の人の「マスキング」大きな代償が必要なマスクはとろう
(チャーリー)