- 自閉症とてんかんの関連性はどの程度なのか?
- 自閉症と消化器系疾患との関連性は何か?
- 自閉症が他の健康状態とどのように関わっている可能性があるのか?
自閉症というと、神経疾患や発達障害というイメージが強くありますが、さまざまな身体疾患との関連性も指摘されています。
自閉症が他の健康状態と関連している理由は、まだ完全には解明されていません。
これまでの研究によれば、中枢神経系の基礎的な異常と関連している可能性が考えられます。
自閉症と一般的に関連する健康状態には以下のようなものがあります。
1.てんかん
自閉症とてんかんの関連性は、自閉症が初めて病態として認識されたときから明らかになっています。
自閉症患者のうち、てんかん患者の割合は、5パーセントから46パーセントと推定されています。
自閉症に伴うてんかんの発症は、小児期および青年期に多く見られます。
2.消化器系疾患
自閉症の子どもには、慢性的な下痢や便秘などの消化器系疾患が多く見られます。
自閉症と胃腸障害の両方を持つ子どもが示す症状には、過度の咳、嚥下拒否、顎を打つ、過度の咀嚼などがあります。
消化器系の問題と自閉症の関連性は完全には解明されていませんが、人によっては食物アレルギーが関係している可能性があります。
また、自閉症の人の免疫の問題と消化器系の問題には関連があるかもしれません。
またこれまでの研究で、自閉症の子どもにおける腸内フローラの違いも指摘されています。
3.頭痛、偏頭痛
ある研究で、自閉症と子どもの片頭痛との間に有意な関連性があることが明らかになりました。
自閉症児の間で片頭痛のリスクが高まる理由は完全には解明されていませんが、いくつかの証拠から、感覚の過敏さや高いレベルの不安に関連しているのではないかと考えられています。
4.湿疹と皮膚疾患
自閉症の子どもはそうでない子供に比べて、乾癬、湿疹、アレルギーを持つ可能性が高くなっています。
自閉症の子どもの湿疹の有病率は、7パーセントから64パーセントと推定されています。
興味深いことに、湿疹や乾癬を持つ女性は自閉症の子どもを持つ可能性が高いようです。
5.自己免疫疾患
自己免疫疾患は、免疫系が体の組織を攻撃することが特徴です。
2009年、米国国立精神衛生研究所とデンマークのオーフス大学研究財団の研究により、自閉症と特定の自己免疫疾患(1型糖尿病、セリアック病、関節リウマチなど)との間に関連性がある可能性が発見されています。
6.気管支喘息
ある研究によると、自閉症やその他の発達障害の子どもは、一般の人に比べて、喘息になる確率が2倍以上高いと指摘されています。
しかし、その他の研究では、自閉症と喘息の間に決定的な関係はないとされています。
7.食物アレルギー
食物アレルギーは、体が「敵」と認識した食物タンパク質と接触することで発症します。
これらの食品タンパク質には何の問題もないにもかかわらず、アレルギーを持つ人の免疫系は化学物質を放出して、これらを撃退しようとします。
ある大規模な研究では、食物アレルギーのある子どもは、アレルギーのない子供に比べて、自閉症スペクトラム障害になる可能性が2倍以上高いという結果が出ています。
8. エーラス・ダンロス症候群(EDS)
EDSは、靭帯、腱、皮膚、骨、血液、脂肪組織などの結合組織の成長と修復が遺伝的に阻害されることによって起こる結合組織疾患です。
結合組織は体をつなぐ接着剤のような役割を果たしているため、EDSは運動能力に問題を生じさせ、生活の質に深刻な影響を与えます。また、EDS患者には一般の人よりも自閉症の割合が高いと言われています。
自閉症とそれに関連する健康状態に関する研究の多くは、子どもに集中しています。
成人の自閉症の女性の多くは、関節リウマチ、喘息、偏頭痛、EDS、湿疹などの健康状態を経験しているという話もあります。
現在進行中の研究により、自閉症と健康状態との関連性が明らかになり、自閉症とその併存疾患の管理方法が正しい方向に向かうことが期待されます。
(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay)
自閉症であり、そして話す子ができない子は少なくありません。
うちの子も話すことはありません。
伝えることができない一方で、思っている以上に困難や不快を抱えているのかと心配になります。
ますますの研究を望みます。
自閉症の子の多くがもつ、睡眠や行動の問題と関連する胃腸の問題
(チャーリー)