- 自閉症や発達障害の子どもが興味を持つものを見つけることはなぜ大切なのか?
- 恐竜が自閉症の子どもや家族にどのような影響を与えることがあるのか?
- 自閉症や発達障害の子どもを持つ家族にとって、子どもの興味や特性を尊重することの意義は何か?
恐竜が自閉症の少年の人生を変えました。
そして今、彼の家族は恐竜が他の家族にも喜びをもたらすことを願っています。
テッド・カートライトは2歳のときに自閉症と診断されました。
「一生しゃべらないかもしれないと言われました」
そう、母親のローレンは言います。
しかし、ローレンはテッドが恐竜に夢中になっていることを知り、テッドが見る世界を覗き見て、恐竜が言葉の発達を助けるチャンスだと考えました。
「テッドはわずか2歳で自閉症と診断されました。
私たちの毎日はメルトダウンとヘッドバンギングの繰り返しでした。
私たちは助けになるものを求め、テッドの美しい小さな心を刺激するものを探しました。
それは幼いころから大好きな恐竜だとわかりました。
我が家は少しずつ恐竜に囲まれていきました。
『ジュラシック・ワールド』がいつもテレビに映っていて、私たちの生活には恐竜の鳴き声が流れていました。
恐竜はテッドを喜ばせるだけでなく、テッドの世界を私たちに覗かせてくれました。
そして、テッドの笑顔を見ることができ、目を合わせることができ、最終的にはテッドは言葉を得ることができました」
恐竜の旅を続けるうちに、一家はテッドのために2体の素晴らしいアニマトロニクス製の恐竜の赤ちゃん人形を購入しました。
そして、母親のローレンはそれら恐竜の人形を使ったパーティビジネスを立ち上げ、他の家族たちも子どもと一緒になって恐竜を楽しめるようにしています。
7歳になったテッドは、最小限のサポートを受け、通常学校に通っています。
母親のローレンはこう言います。
「私は息子が自閉症であることを気に入っています。
息子を変えたいと思ったことはありません。
息子の自閉症がどんな意味を持っていても、私は息子の幸せだけを願っていました」
ローレンは自分の体験談を伝えることで、自閉症の子どもを持つ他の家族の助けになればと考えています。
ローレンはテッドが1歳の誕生日を迎えた直後に自閉症であることの兆候を見つけました。
テッドの場合、生後13カ月頃まではすべてが典型的に見えましたが、その頃から興奮し始め、言葉が出なくなりました。
「それまでママ、パパと言っていたのに、声を出さなくなり、以前のように私を見なくなったのです。
私は母に、何かおかしい、息子が離れていくような気がする、と言いました。
しかし、母は私を安心させようと、大丈夫よ、子供はみんな違うのよ、と言っていました。
その翌年から2歳になるまでの間、息子はパニックを起こすようになり、自分の頭を叩くようになりました。
また、家にある火災報知器に執着し、それを手に入れようといつも壁を登ろうとしました。
スクランブルエッグなど特定のものしか食べず、さらに決まった場所に置かないと食べられませんでした。
おもちゃの車を並べて、つま先立ちで踊る姿もよく見ました。
息子は他の子とはまったく違う子どもになっていきました。
息子はとても不幸で不満そうでした。
自分が何をしたいのか伝えられず、私を引きずり回されました。
息子が成長し始めていたのに、母親としてはどうしていいのかわからなくなりました」
ローレンは、医師や保健所の職員、医療関係者などに助けを求めようとしましたが、誰もが 「見守るべき」と言いました。
「しかし、このような場合、早期の対応が重要であることはわかっていました。
私は、今すぐ診断を受けたいと言いました。
みんな私の言うことに否定的でしたが、最終的には私の言うことを聞いてくれるようになりました。
そして、息子が2歳半になる前に、自閉症と診断されました」
家族はサポートを求め、そしてテッドのやる気を引き出すものを探しました。
テッドがどれほど恐竜を愛しているかを知りました。
「テッドに限らずどんな子どもにも言えることですが、親に必要なのは、子どもが興味を持ち、話を聞いてくれるものを見つけることです。
自閉症と診断されたとき、特別支援学校の話が出ましたが、私は息子には向いていないと思いました。
息子には自閉症の特徴がたくさんありますが、一方でコミュニケーションをとり、社交的で、最も愛情深く、思いやりのある少年なのです」
テッドの4歳の誕生日パーティーを企画するにあたり、ローレンは、以前のイベントで見た恐竜の模型を借りられないかと考えました。
テッドは誕生日パーティーに参加することはこれまでできませんでした。
他の子どもと一緒にいることは大きな負担になってしまうからです。
「テッドが4歳の誕生日を迎えたとき、私は小さな恐竜でパーティーを開くことにしました。
大きな恐竜を貸してくれる会社は見つけました。
しかし、とても高額でした。
もっと小さく、安い恐竜はないものかと考えました。
そして、私は小さな恐竜を作ってもらいました」
母親のローレンは、自分の貯金を使ってモデルを購入しました。
テッドはこのモデルたちを、トリケラトプスのタルラとTレックスのタイソンという、自分のペットのように思っています。
そして今年の初め、ローレンはこれらの恐竜を使ったビジネスを始めました。
子どもたちのパーティーに恐竜のモデルを連れて行きます。
「どれほど興味をもってもらえるかは、わかりませんでした。
しかし驚くほどの反応です。
もっと自閉症の子どもたちに恐竜を連れていけるようにしたいと思っています。
そして、このビジネスを立ち上げた主な理由の一つは、息子のテッドがいつの日か自分の好きな恐竜で、仕事ができるようになることです」
(出典・画像:英Manchester Evening News)
大好きなことを一緒に見つける。
親として、一番大事なことだと私も思います。
自閉症の息子は大好きなパン作りを徹底的に研究しビジネスにした
(チャーリー)