- 自閉症の人が自分の行動や精神状態を隠すために薬物やアルコールを使用する理由は何か?
- 自閉症の人が医師などから適切なケアを受けていないという問題は何か?
- 自閉症の人がカモフラージュをすることが自尊心やリスクにどのような影響を与える可能性があるか?
英ケンブリッジ大学の新しい研究によれば、自閉症の10代および成人は、自分の行動を管理したり、精神的な症状を隠したりするために、娯楽用の薬物やアルコールを使用する傾向が他の人よりも強いことが分かりました。
自閉症の人は、社会的な状況で快適に過ごすために、自閉症の特徴を隠す戦略であるカモフラージュを用いることがあります。
ケンブリッジ大学自閉症研究センターの博士課程学生で、本研究の共著者であるエリザベス・ワイアはこう言います。
「集中しようとするために薬物を使っていると話す人がかなりいました。
他の人とつながるために使っている。快適に過ごすために使っている。
そう、何人かの人はとくに、自閉症を管理するために使っていると言っていました」
この研究では、16〜90歳の自閉症の人1183人と、自閉症でない1203人を対象に薬物使用の頻度や経験について尋ねました。
その結果、自閉症の人は、精神疾患の治療のために娯楽用の薬物を使用する確率が3倍高いものの、薬物の乱用は少ないことがわかりました。
例えば、自閉症の人は、アルコールを定期的に飲んだり、暴飲暴食をしたりすることは多くありませんでした。
また、自閉症の人の中には、幼少期に騙されたり、強制的に薬物を使用させられたりするなど、薬物の誤用につながりやすい要因があったことを報告しました。
ワイアによれば、今回の研究調査で自閉症の成人が医師などから適切なケアを受けていないという複数の問題も浮き彫りになったといいます。
例えば、自閉症の人の中には、医師や精神科医から症状を隠すように教えられている人もいるかもしれません。
障害や健康状態に対処する方法を見つけることは有益です。
例えば、自閉症の人は感覚過敏に対処するために、手で叩いたり、言葉を繰り返したりといったスティミングを行うことがあります。
しかし、それをカモフラージュをすると、精神状態が悪化し、自殺のリスクが高まります。
自閉症の人たちは、社会的状況や職場で神経質な人たちに溶け込むために、自閉症の特徴を隠さなければならないというプレッシャーを感じることがある、ということが2017年の研究で明らかになっています。
この動機の現実的な側面は、仕事や資格を取得したいという願望であり、より目に見える「自閉症」であるとそれらが難しくなると感じていたと研究者は述べています。
精神科医のリーラR・マグナビ医学博士は、カモフラージュをする自閉症の人者は「より燃え尽きて落ち込んでいるように感じる」と語っています。
また、初期の段階でマスキングを行うと、適切な支援やリソースを得られなくなる可能性があることも指摘します。
「その結果、自尊心に大きな影響を与え、さらには自殺願望につながる可能性もあります」
自閉症の人は、発達障害でないように見せるために薬を飲まなければならないと感じるべきではありません。
しかし、中には精神科のサポートを受けることが有益な場合もあります。
イライラ、攻撃性、不安、ADHD、その他さまざまな併存疾患を治療する薬が役立つ場合もあるとマグナビ博士は言います。
(出典:米verywell health)(画像:Pixabay)
「隠す」ためにかかるストレスで必要になるのだろうと察します。
乱用にだけはならないことを願います。
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(チャーリー)