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発達障害など神経多様性に配慮したマーケティングの大きな効果

time 2021/07/02

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害など神経多様性に配慮したマーケティングの大きな効果
  • マーケティングを行う際、神経多様性を持つ人々のニーズを考慮していますか?
  • ブランドのマーケティングが包括的かどうか、人々が興味を持つかどうか関係していますか?
  • 神経多様性を持つ人々が自分のストーリーを表現しやすい環境を提供していますか?

神経多様性に配慮したマーケティングを行っていないブランドは、オーストラリア人の約12パーセントにリーチできていない可能性があります。

ニューロダイバシティ・メディアのCEOであるレイチェル・ウォースリーによれば、失読症、自閉症、ADHD、トゥレット症候群、計算障害、書字障害などをかかえる人たちは、オーストラリア人の8人に一人です。

発達障害など神経多様性を持つ人の多くは複数の症状を持っているため、神経多様性人口に関する数値を正確に定義することは困難です。

しかし、世界の神経多様性人口は全人口の少なくとも10パーセントに上ると推定されています。
2019年のデロイト・オーストラリアの調査によっても、ADHDだけで15歳以上の人の3パーセントが該当していることがわかっています。

大人になってからADHDと自閉症の診断を受け、法学部を首席で卒業したウォースリーはこう言います。

「企業が私たちにマーケティングを行うのは当然のことですが、。日々の暮らしの中で、神経多様性を持つ人たちにもっと視覚的に表現できるといいと思います。

ブランドのマーケティングや収益の向上のためには、包括的な方法でメッセージを伝えたいものです。
そういったことを考えていないと、人々はあなたのブランドに興味を持ってくれません。
良いマーケティングとは、人々が望む方法で人々と関わることです」

ウォーズリーは、マーケティングにおけるアクセシビリティの実現方法のひとつとして、キャプション(字幕)を挙げています。キャプションは、ビデオや照明、動画などが苦手な人に向いています。

「私はビデオを見るのが苦手です。
見るよりも読む方が好きです。
なので、ブランドがそういった基本的なことをきちんと考えていないということは、
私がそのコンテンツに興味を持たないということであり、そのブランドから買いたいとは思いません」

しかし一方で、ディスレクシアの人々はキャプションに問題を抱えています。

そのため、ウォーズリーは最初からインクルーシブの考えに基づいて、テキスト、オーディオ、ビデオを網羅マーケティングを提唱しています。

「それは難しいことだと言われます。
しかし、私はその逆もまた然りだと思います。
そうしないで、無視をすれば市場を失うことになります」

この分野のツールは急速に進化しており、よりアクセシブルなフォント、キャプションの作成、ユーザー自身によるサイトのカスタマイズなど、マーケティング担当者がより迅速にアクセシブルな体験を提供できるようになっています。

ウォーズリーは、ソーシャルインクルーシブなビデオや画像にキャプションを付けてソーシャルメディアにアップロードする場合、30分から1時間程度の時間延長で済むと試算しています。

神経多様性を持つ人たちをステレオタイプ化することは、ウォーズリーのもう一つの懸念です。

ウォーズリーは、神経多様性を持つ人たちをマーケティングの対象とするマーケティング担当者は、明らかに困難な状況にある人を映し出し、その人を支援するサービスを紹介するのが一般的だと考えていると指摘します。
このような狭いステレオタイプは、完全に包括的なものではなく、時に幼児性や疎外感を与える可能性があるとウォーズリーは言います。

しかし、難しいという点にも同意しています。

「映画やマーケティングでよく見かけるのは、付加的な課題を抱えた人たちです。
極端な面を見て同情させる、感動ポルノのようなものです。

そこには、私のように仕事を持っていたり、大学に通っていたりする人は映されません。
他の面では苦労していても、表面的にはうまくいっているように見えるからです。
でも、私たちも商品やサービスを購入します」

ウェブベースのアクセシビリティ・ソフトウェア企業であるリサイトミー社は、神経多様性を持つ人々が仕事に応募したり、ウェブサイトをナビゲートしたり、一般の人々が行う日常的なことを行う際の個人的なストーリーを使用しています。
ウォーズリーは、この方法が神経多様性の人たちに力を与えると考えています。
リサイトミーは、サイトを訪れた人が自分にとってより利用しやすいようにカスタマイズできる支援ツールバーも提供しています。

 

マーケターがより迅速にアクセシブルなコンテンツを作成できるよう支援する企業に、クリップチャンプ社があります。
クリップチャンプは、音声合成技術を使った自動キャプション、音声合成によるボイスオーバー、色やコントラストの調整などの機能を使って、ディスレクシア(難読症)の視聴者に合わせたコンテンツを作ることができます。

ウォーズリーは、さまざまな神経多様性の人たちを表現することに加え、神経多様性のあるたちが自分のストーリーを語る姿を見せることを推奨しています。
IBMがIBMを包括的な雇用主として宣伝したビデオがその例になります。

このビデオでは、通常のナレーターが使われていましたが、否定的な意見が多かったため、IBMはビデオを再編集して、神経多様性の人のナレーションを入れることにしました。この決定は高い評価を受けました。

ウォーズリーは、神経多様性を持つ人たちの個人的で力強いストーリーだけでなく、神経多様性を持つアンバサダーをキャンペーンに起用することも勧めています。

ブランドは、キャンペーンやコミュニケーションをよりアクセシブルにするために、さまざまな方法を模索するべきでしょう。
コミュニティの中で口コミが広がるだけでなく、支援者や多くの人たちが、より共感的でアクセシブルなブランドを支持します。

「神経多様性の人たちに向けて質の高いマーケティングを行えば、そのニュースがソーシャルメディアで一気に広まります。
そして、神経多様性コミュニティだけでなく、その家族や支援者ともコミュニケーションをとることになります。
相乗効果があるのです」

(出典:豪CMO)(画像:Pixabay

「その家族や支援者ともコミュニケーションをとることになります」

本当にそのとおりだと思います。

そうでない企業より、いろいろな人に優しい企業の商品やサービスを私も選びます。

発達障害などニューロダイバーシティのメリットを企業が得るには

(チャーリー)


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