自閉症スペクトラム(ASD)は、社会的なコミュニケーションが困難で、思考や行動が制限されたり反復されたりすることを特徴とする発達障害です。
米国では子どもの54人に一人がASDと診断されています。
ASDの人は、コミュニケーションに問題があり、日常生活の変化や新しい/慣れない場所での行動が苦手であったり、感覚処理の違いなど、特定の行動特性を持っている場合があります。
そのため、予防的な歯科治療や歯科評価が特に難しくなります。
自閉症の子どもは、歯科疾患のリスクが高いという研究結果もあります。
ASDの人は、感覚過敏のために、歯磨きやフロスなどの健康的な歯科衛生習慣を行うことが難しい場合があります。
また、歯ぎしりをする、口や歯を叩く、食べ物ではないものを噛む、甘いものを食べるなど、歯の健康に影響を与えるような習慣がある人もいます。
ASDの方の中には、歯の問題を伝えるのが難しく、ケアが遅れてしまう方もいます。
幼少期に口腔ケアの習慣をつけることをお勧めします。
歯磨きは、最初の歯が生えたらすぐに、フッ素入りの歯磨き粉を少しずつ塗って始めます。
味や食感に敏感なお子さんの場合は、さまざまなフレーバーのものや、無香料、無発泡の歯磨き粉(ラウリル硫酸ナトリウム不使用)などを試してみるとよいでしょう。
電動歯ブラシは、回転式や電池式のものなど振動気になるお子さんのために、さまざまな選択肢があります。
歯磨きを他の日課や入浴などの好きな活動と組み合わせることも有効です。
お子様を柔らかいカーペットやベッドに寝かせ、本や鏡などの視覚的な気晴らしをすることで、親御さんが歯に触れやすくなり、さらに快適に過ごすことができます。
子どもが大きくなってきたら、親が手を添えてから順番に行う方法もあります。
子どもが自立した歯磨きスキルを身につけるために、親は子どもに先に歯磨きをさせ、その後に親が磨くと 促すようにするのもよいでしょう。
言語聴覚士、作業療法士、行動分析学のセラピストと一緒に歯磨きの練習を取り入れるのも効果的です。
歯科医院では、明るい蛍光灯の光、人や器具の大きな音で、慣れない処置が行われることが多くあります。
強いにおいや味、感触に過敏なASDの子どもたちや、顔や口の近くに人や物があることを嫌がる子どもたちにとっては、歯科医院での診察や治療は特に困難です。
歯科医院の中には、特別なニーズを持つ子どもたちと接する経験やトレーニングが少なく、ASDの子どもたちの治療に消極的なところもあります。
ASDの方が健康的な習慣を身につけ、歯科治療を前向きに受けられるようにするためのヒントや戦略には次のようなものがあります。
【歯科医院通いを成功させるためのヒント】
- お子様が1歳の誕生日を迎えるまでに、経験豊富で親身な小児歯科医を見つけることができれば、お子様は生涯にわたる良好なお口の健康を手に入れることができます。
さらに、幼い頃から歯科医に通うことで、短時間で痛みもなく、歯科医との信頼関係や子どもの歯科環境への慣れを確立するのにも役立ちます。 - 歯科医には事前に電話で、お子さまの具体的なニーズや好みについてご相談ください。
ノイズキャンセリング機能付きヘッドフォン、音楽鑑賞、ウェイトブランケットやベスト、サングラス、天井の蛍光灯を消す、歯科治療中の会話を制限する、お気に入りのビデオを見るなどの方法が歯科医にはあります。
お子さんに手鏡を渡して見てもらうのも効果的です。
パノラマX線撮影は、従来の口腔内X線撮影に比べて、短時間で撮影でき、子供の口の中に物を入れる必要がないため、よりよく耐えられる可能性があります。
X線を照射する際には、親御さんや介護者の方が、頭を支えてくれるように部屋にいてもらうことができます。
おくるみに包まれることを好む子どももいれば、そうでない子どももいます。 - 視覚的なサポートや、「最初に歯の数を数えます。そのあとはお家に帰ります」などの最初と最後の説明をしてください。
物語や動画は、ASDの子どもたちが期待されることを理解し、手順に沿って行動するのに役立ちます。 - 歯科治療中は積極的な応援をします。
各ステップが完了した後や歯科治療の終わりに成功した場合にはご褒美を与えます。
ご褒美には、べたべたした甘い食べ物ではないものを用意するとよいでしょう。 - ASDのお子さんの中には、一度にすべてを達成しようとしてお子さんを拘束するのではなく、何度も通院して各ステップを徐々に導入していくことが有効な場合もあります。
歯科医院では、クリーニングや処置の準備のために脱感作療法を行うこともあります。
医療チームと協力して不安を軽減する計画を立てることは、ASD患者さんのケア全体の中で重要な役割を果たします。
対応や調整を行っても、ASDの子供や青年の中には、歯科の評価や処置の苦手を減らすことができない人はいます。
そうした人には不安を和らげる薬や軽い鎮静剤を歯科受診前に使用することで、不安を克服することができます。
専門のセンターによっては、必要に応じて全身麻酔での検査や歯科治療を行う場合もあります。
(出典:米ハーバード大学医学部)(画像:Pixabay)
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(チャーリー)
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