- 発達障害や自閉症の原因を特定するために金属やミネラルの検査は意味があるのか?
- 毛髪分析や他の環境有害物質の検査は効果的ですか?
- 尿検査や血液検査で発達障害や自閉症の原因を見つけることはできますか?
発達障害の子どもに対して行われている、いくつかの化学物質を検査する方法とその測定値について、米国小児科学会環境保健委員会は医療の指針としては役に立たないことを指摘しています。
また、化学物質が体内に存在することが、害をもたらすとは限らないことも強調しています。
米国小児科学会環境保健委員会が、自閉症を含む行動障害や発達障害のある子どもの検査を評価する際に、医師や患者が「疑問」に思うべき5つの検査を挙げています。
それらは以下の通りです。
① 金属やミネラルの検査
金属や鉱物の定期的な検査は、その結果が治療の指針となった場合、むしろ有害となる可能性があるとしています。
これは、金属や鉱物が自閉症の行動の発現には、全く関連していないためです。
ワクチンに使用されている防腐剤に含まれる、チメロサールとエチル水銀についてよく言及されています。
これらについて因果関係が証明されていないにもかかわらず、自閉症率の増加の原因とする誤った考えがあります。
「自閉症の症状は幼少期の早い段階で発生し、数ヶ月から数年後に発生します。
そのように、継続的に神経毒性を持つ物質が存在する可能性は低いです」
そう米国小児科学会環境衛生委員会は述べています。
しかし、親たちが答えを求めて、ミネラルや金属の検査を推奨する誤った情報源を探すことの危険性も指摘します。
「それで異常な結果が出たとして、誤った治療を受け、死に至った人もいます」
② 毛髪分析
行動障害や発達障害のある子どもに対して、環境有害物質の毛髪分析を依頼することは、科学的根拠がないとしています。
③ カビ検査
米国小児科学会環境衛生委員会は、明確なアレルギーや喘息の症状がない患者、特に慢性疲労、関節のこわばり、精神(認知)障害、感情障害を持つ人に、カビの感受性検査を受けさせる必要はないといいます。
アレルギーや喘息の症状があり、アレルゲンへの曝露を減らす努力をしても効果が得られない人に対しては、アレルギー専門医や肺専門医がカビ感受性検査を行っています。
「カビには感作および臨床疾患を引き起こす可能性があります。
皮膚刺入試験や試験管内試験は、カビに感作された患者を効果的に特定することができますが、これが必ずしも臨床疾患に結びつくとは限りません。
これらの検査結果は、患者の臨床症状と照らし合わせて解釈する必要があります」
④ 尿検査
米国小児科学会環境衛生委員会はまた、鉛中毒が疑われる子供に対して、「キレートチャレンジ」と呼ばれる尿検査を行うことに反対しています。
通常の血中鉛濃度検査と比べて価値がないという証拠があり、危険につながる可能性さえあります。
⑤ 血液検査
鉛などの特定の重金属を除き、血液や尿中の環境化学物質の測定値は、臨床的な判断に使用すべきではないと米国小児科学会環境衛生委員会は述べています。
「食品、空気、水、土壌、粉塵、使用している製品などに含まれる化学物質を含め、人々が毎日何百もの化学物質に接触しないということは事実上不可能です。
そして、それらの化学物質が自分の健康に害を及ぼすかどうかを知ることは、さらに困難です。
化学物質が存在すること自体が毒性を意味するわけではありません」
血中または尿中のレベルが病気を引き起こすかどうかを判断するには、別の調査が必要です。
発達障害との関係が医学的には認められているとはいえない、疑わしい「原因」を設定して、「医学的」な検査を勧めるビジネスは日本でも目にします。
さらにその検査結果をもとに高額な、治療法、栄養食品へとつなげていくのが想像できる。。。
検査自体は医学的、科学的、正しいものだと思います。
しかし、発達障害の子や方にその検査を行うことは医学的、科学的なことでしょうか?
高い料金を払う前に、その検査を行うことが医学的、科学的なことなのか考えてみてください。
(チャーリー)