- 自閉症スペクトラム障害の子どもを持つ親は、どのようにして子どもとの関係を改善できるのでしょうか?
- 発達障害の子どもを持つ家族が、ストレスや不安を軽減するためにはどのようなプログラムが効果的なのでしょうか?
- 発達障害の子どもに対する療育支援プログラムの具体的な内容は何ですか?
目的に沿って、「ピアレントワークス・スペクトラム」プログラムを試用した家族は子どもの行動上の問題が大幅に減少し、子どもの社会的コミュニケーションスキルが向上し、親の不安、ストレス、抑うつが減少したと報告しています。
クリスティー・グッドイヤーは、5歳の息子のジェシーが起こすパニックに悩まされていました。
ジェシーは発達障害の自閉症スペクトラム障害(ASD)をかかえています。
新型コロナウィルスのパンデミックによる施設の閉鎖や、ジェシーの弟のアッシャーの育児もありクリスティーのストレスは大きくなるばかりでした。
そこで、クリスティーとジェシーその家族は、12週間のオンライン試験的ASDプログラム「ピアレントワークス・スペクトラム」を受講しました。
ピアレントワークス・スペクトラムは、子どもの社会的コミュニケーションスキル、子どもの破壊的な行動、親の幸福を有益な方法で統合的に扱うプログラムです。
自閉症と診断された2歳から5歳11カ月までの子どもを持つオーストラリアの親や介護者が対象です。
クリスティはこう語ります。
「私たちの家族の生活に、あらゆる面でとても良い影響を与えてくれました。
ジェシーとの関わり方だけでなく、お互いの関係を改善し、結婚生活をより良いものにすることができました」
豪シドニー大学児童研究行動クリニックのマーク・ダッズ教授によって考案されたこのプログラムは、最近、臨床評価が行われ、有望な結果が得られています。
これに基づき、連邦政府の資金援助によるプログラムの展開が今月から始まります。
「ピアレントワークス・スペクトラムは、エビデンスに基づいているだけでなく、無料で、アクセス可能で、ASDの子どもだけでなく、家族全員のニーズを考慮したプログラムとなっています。
これらの特徴が、このプログラムの成功につながっていると考えています」
そう、ダッズ教授は述べています。
2020年に実施された無作為化対照試験では、ピアレントワークス・スペクトラムを受けた約40の家族は、子どもの行動上の困難さが有意に低く、子どもの社会的コミュニケーションスキルが向上し、親の不安、ストレス、抑うつが減少したと報告しました。
また、親の自己肯定感や子育ての能力に対する自信が高まり、子育てに関する問題も減少したと報告しています。
しました。
ピアレントワークス・スペクトラムを受けた親は、受けていない親に比べて、子どもとの積極的な交流が増え、家族の機能が向上したと報告しました。
ピアレントワークス・スペクトラムのプログラムは3つのモジュールから成り立ちます。
破壊的行動の改善:子どもの行動上の問題と、それが一般的な機能や家族システムに与える影響を軽減します。
社会的コミュニケーションスキルの向上 :親のスキルを向上させることで、親子の相互作用を強化します。
親のウェルビーイング:自閉症の療育は、親がそれを実行する能力があると効果的になります。
そのため、親のチームワーク、パートナーのサポート、ウェルビーイングの促進に焦点を当てています。
このプログラムに参加する介護者は、12週間にわたり、Zoomを使ったオンラインで、心理士による12回の個別家族セッション(約1時間30分)に参加することになります。
クリスティ・グッドイヤーは、このプログラムがオーダーメイドであることが特に役立ったと言います。
「ピアレントワークス・スペクトラムでは例えば、
『怒ってもいいけど、誰かを押したり叩いたりしてはいけない』
というように、考え方を変えることを教えました。
これは、ジェシーが人を傷つけずに自分を表現するのにとても役立ちました」
クリスティは他にも、一貫した感情的でない子育てやしつけの方法を学べたこと、親のメンタルヘルスが改善されたことを報告しています。
オーストラリアでの取り組みです。
Zoomなどによる、個別の家族向けの療育支援。
日本でもこうしたプログラムが行われるといいなと思います。
(チャーリー)