- STEM教育における発達障害者支援の具体的な方法は?
- 障害を持つ人がSTEMに興味を持ちやすい教材やアプローチは?
- 障害のあるアニメーターが制作に関わる科学教育コンテンツは存在するのか?
どうしたら科学にもっと多くの人が興味をもってくれるでしょうか?
発達障害など障害をかかえる人たちがSTEMに興味を持てるようにするためのコラボレーションが行われています。
微生物学者であり、科学教育者でもあるリナ・フー博士によれば、一般的な学校の生徒と知的障害者向けの学校の生徒とでは、科学教育に大きなギャップがあるといいます。
「特別支援学校では、日常生活に必要なスキルに重点を置いているため、一般的にSTEMは優先されません。
重度の自閉症や知的障害のある人は、科学教育を受けられないことが多いのです」
そこでリナ博士は、アニメーションスタジオのRed Bird Creative社と協力して、科学教育用のアニメ「マイクロ・トゥーン」を制作しています。
これらは、自閉症の人向けに作られる特別な作品ではありません。
そうではなく、自閉症の人が制作に関わっています。
「ネット上にはたくさんの科学に関わる動画がありますが、障害を持つ人が作ったものはあまりありません。
私たちが作るストーリーは、障害のある人たちが科学を探求するきっかけになるはずです」
助成金を受けて実現したこの「マイクロ・トゥーン」は、免疫学、生理学、微生物学をテーマに作られています。
リナ博士は、自閉症の人など特別支援を必要とする人が家族にいます。
「私は、知的障害、自閉症をかかえ話すこともない兄の介助をする妹として育ちました。
私は自閉症の人たちに個人的な愛情を持っています」
リナの両親は、兄の名前をとって設立された、特別支援を必要とする人たちのためのトレーニング教材を提供する組織であるルイ・プログラムを通じて、これまでに4000以上の家族を支援してきました。
「マイクロ・トゥーン」は、リナ博士が高校の同窓会でRed Bird Creative社の創業者兼ディレクターのアーロン・ウェルチと出会ったことがきっかけで生まれました。
Red Bird Creative社は、障害をかかえるアニメーターと一緒に仕事をしてきた実績があり、リナ博士はコラボレーションできる可能性を感じました。
そして、アーロンを介してRed Bird Creative社で働いていた自閉症のアニメーター、サムとで出会いました。
喜んで「マイクロ・トゥーン」に参加してくれました。
アーティストのサムにとって、このプロジェクトは彼のアニメーションのキャリアにとって素晴らしい第一歩となりました。
「物語が好きだし、教育的でもあるし、アニメーションで作品に命を吹き込むことができるのもいいですね」
このプロジェクトは簡単ではありませんでしたが、リナ博士にとってはすべてが価値あるものでした。
「素晴らしいアーティストや組織でのコラボレーションを実現するために、アーティストは自分の居心地の良い場所から飛び出さなければなりませんでした。
しかしその結果は素晴らしいものでした」
マイクロトゥーンは、ポップコーンや科学的なアクティビティが用意され、障害をかかえる方も楽しめるように夏のイベントで公開される予定です。
(出典・画像:豪Particle)
CG、アニメ制作、好きな人は少なくないはずです。
大好きなことを追求して、すばらしい作品が出来上がるはずです。
(チャーリー)