- 1. 自閉症と診断されたことがどのように自分に影響を与えるのか?
- 2. 発達障害や自閉症を持ちながら、社会で成功することは可能か?
- 3. いじめを受けた経験をどうやってポジティブに変えることができるのか?
3歳の頃から酷いいじめに遭っていた女性が自分の声を他の若者に伝えるために活動し、その結果「ナショナル・ダイバーシティ賞」にノミネートされました。
イギリスに住む、31歳のローレン・ラブジョイは幼い頃から自分は人と違うと感じていました。
他の人とは、人や物の見方が違っていて、感受性も強いのです。
「学校でも、その後の人生でも、いじめを受けていました」
ある事件では、身体的ないじめを受け、鼻を骨折しました。
そして地元の開業医から、自分が自閉症の一種であるアスペルガー症候群と診断されていたことを知りました。
「アスペルガー症候群と診断されていたことを知りました」
ローレンは14歳のときにそう診断を受けていましたが、母親は知らせていませんでした。
「振り返れば、知らなくて良かったと思いました。
今は、むしろそれは自分の才能だと思っています。
自閉症があるからといって、成功できないわけではないし、他の人にもそれを見てほしい」
20代前半のローレンはからかわれたり、さらなるいじめを受けて、自分の症状について詳しく調べました。
「私が経験したことの多くは、他の自閉症の人も経験していることだと知りました」
ローレンは、幼い頃から動物が大好きでした。
人を動物に見立てることも多かったそうです。
そして、自閉症スペクトラム(ASD)の人たちも同じような特徴を持っていることを知りました。
自分の診断を理解することで、自分自身や他の人を応援することができるようになりました。
ローレンは、自分と同じような人たちに自信を持たせたいと考えました。
そして、ミス・ユニバースの英国大会に参加することを決めました。
決勝に進出したローレンは、「Miss Congeniality」のタイトルと、ポジティブなロールモデルであることを示す「Not in Vain」キャンペーン賞を受賞しました。
そして、ローレンのことが報道され、他の人たちに勇気を与えました。
「自分の娘が私のことをニュースでみて、とても娘さんが力をもらったと連絡をもらいました。
私も元気になりました。
まわりが変わっていくことを感じました」
自分に自信が持てるようになり、自分のことをよく知るようになったローレンは、歌うことが好きであることにも気づきました。
そして、歌や作詞作曲を仕事にしようと決意しました。
これは、過去の経験が大きく影響しているといいます。
「心の病はタブーではないと思えるようになりました。
私の曲の多くは自分が経験したことから作られています」
ローレンは、夢のキャリアをスタートさせましたが、再びいじめに直面したと語っています。
しかし、31歳になった今、もう何にも邪魔はさせないといいます。
「今は自分の声と自信を持っています。
過去は過去で、私が経験していなかったら、他の人を助けることはできなかったでしょう」
この10年間、ローレンは、障害を持つ子どもたちや家族を支援するために、数多くのチャリティ活動を続けてきました。
今年初めには、英国の慈善団体Anna Kennedy Online (AKO)のアンバサダーに就任しました。
この団体は、いじめに関する意識を高め、学校や大学でのいじめを防止するための活動を行っています。
同団体のいじめ防止キャンペーンの一環として、ローレンは「Believe」という曲を書き、ショーで披露する予定です。
また、学校や大学と協力して、自閉症に対する認識を高め、生徒や保護者に自閉症への理解を深めてもらいたいと考えています。
ローレンの決意と英国の慈善団体での活動は「2021ナショナル・ダイバーシティ賞」のポジティブロールモデル部門にノミネートされました。
ローレンはこう言います。
「この賞にノミネートされたことで、より多くの人が、能力や障害の有無にかかわらず、すべての人が平等であることの必要性を認識していることがわかりました。
本当に幸運です。
私は、すべての人が尊重され、尊厳と理解を持って扱われることを望んでいます」
(出典・画像:英Leicestershire Live)(画像:Pixabay)
いじめは決して許しません。
しかし過去に囚われず、前を向かれたからこそ、
こうして多くの人を動かす力をもつ人になれたのでしょう。
(チャーリー)