放課後、チコ高校のレスリングルームは熱くなっています。
スピーカーから音楽が流れるなか、レスリング選手たちはペアを組み、テイクダウンやマットスキルを磨いています。
シェイン・ブロッカーとアイシャン・パレアフッドが交互にお互いの足を狙い、絡み合って激しい練習をしている。
二人とも息が切れて汗をかいて練習しています。
ブロッカーとパレアフッドは、ともにチコ高校レスリングチームのグラップラーです。
彼らにとってレスリングは単なるスポーツではありません。
彼らの社会的、情緒的な成長に欠かせないものとなっています。
ブロッカーとパレアフッドの二人はともに発達障害の自閉症と診断されているからです。
「レスリングは単なるスポーツではありません。
私にとってはライフスタイルの一部です。
レスリングは難しい。
簡単ではありませんが、私は大好きです」
バレアフッドはそう言います。
「自閉症スペクトラムの選手は、レスリングでは強みを発揮することができます。
彼らは一生懸命努力し、正しいことをすることに執着しています。
彼らは練習を欠かすことはありません」
そうチコ高校のレスリングコーチ、ケイス・ロリンズは言います。
ロリンズコーチは、自閉症と診断された子どもたちにレスリングチームへの参加を勧めています。
そして、子どもたちには自分の得意分野を見つけてほしいと言います。
「レスリングは、毎日練習して、金曜日の夜にチームの試合を見るだけでなく参加して競争するものです。
何かに参加したいと思っている子どもには、個人スポーツが向いています。
ここのレスリングに参加したスペクトラムのある子どもたちは、うまくなるだけでなく、本当Iに優秀な選手になっています」
ブロッカーは、2年生になってからレスリングを始めました。
「楽しそうだと思ったからです。
もっとうまくなりたいと思います」
自閉症は、時間管理やコミュニケーション能力に影響するとブロッカーは言います。
脚を攻撃するショットなど、レスリングの基本的な動きを習得するのにも苦労したと言います。
しかし、それでも彼は上達し続けることを決意し、技の習得をあきらめませんでした。
ブロッカーはこう言います。
「最初はどうでもいいんです。
努力を続ければ、もっと良くなるのです。
1年目はあまり試合に勝てませんでした。
勝った試合よりも負けた試合の方が多かったんです。
2年目にはかなり良くなりました。
初勝利を挙げたときは、とても気持ちが良かったです。何かを成し遂げたような気がしました」
パリアフッドは、中学2年生のときにインターネットでレスリングを知り、1年生のときからレスリング部に入りました。
「トラブルに巻き込まれることなく、人を倒したり、投げたりすることができるんです。
最初は怖かったです。
最初は怖かったけど、初めて試合をしたときに楽しいと思いました」
ダリアン・コックスも自閉症をかかえています。
3年生で、陸上競技とレスリングを両立させています。
コックスは、レスリングのおかげで友達ができたと言います。
このスポーツは、社会的にも肉体的にも彼を成長させてくれました。
「ダリアンの強さは桁外れです」
そうとロリンズコーチは言います。
ロリンズコーチが、レスリングチームへの入団を勧めたとき、ジョー・ウェスリーはチコ高校の1年生でした。
「彼は学校の授業では苦労するかもしれませんが、物事を上手に素早くこなすことができます」
ウェスリーは最初、自分には合わないと思ってレスリング部への入部を断りました。
「どうして、お互いを持ち上げて、地面に投げつけなければならないのですか?
痛そうだし。
僕は家でゲームをしたかった」
しかし、ご褒美好きのウェスリーは、レスリング部に入ればピーナッツバターのクッキー1ダースがもらえるという家族との約束を破ることができませんでした。
「初めて、地面に叩きつけられました。
その後、クッキーをもらいました。
もっと、クッキーをもらいたかったので、一週間続けました。
いい運動になりました。
サッカーや陸上のシーズンの合間にすることもできる。
なので、私は夢中になりました」
子どもの頃、ウェスリーはアスペルガー症候群と診断されていました。
「小学校では、私のような兆候があると、誰もどうしたらいいのかわからず、校長室に送られていました」
高機能自閉症と診断されたのは、中学2年生になってからでした。
レスリングチームに入ってからは、人との付き合いができるようになり、リラックスできる環境になりました。
チコ高校卒業後にアシスタントコーチに就任しました。
ウェスリーは練習の運営を手伝い、シーズン中は試合やトーナメントのライブストリーミングをよく行っています。
「リラックスできるようになりました。
友達と一緒にいられるし、誰かが自分のことを気にかけてくれていることがわかる。
それはとても素晴らしいことです。
ロリンズコーチは、僕にとって父親のような存在」
ウェスリーは、チコ高校のレスリング部で初めての自閉症の選手でした。
今では、アシスタントコーチとなって自分と同じようにレスリングをやってみたいと思っている生徒たちを励ましたいと思っています。
「自閉症の私が頑張っている姿を見れば、他の誰かも自分にもできると思ってくれるはずです」
ロリンズコーチは、発達障害、自閉症である4人は一度も練習を休んだことがないといいます。
レスリングのルールとチームの一員であることが、彼らの成長を助けていると考えています。
「自閉症が足手まといになっていると感じている子どもたちにとって、素晴らしい存在だと思います。
自分も陸上やレスリングをやって成功するかもしれないと思うでしょう。
自閉症の子どもたちも、適切な環境であれば、本当に成功できるということを示しています」
(出典・画像:米ENTERPRISE RECORD)
団体競技よりも、たしかに向いていそうです。
本当に強くなるので、悪い輩も寄ってこなくなりそうです。
レスリングに限らず、興味を持てることを一緒に発見していきたいですね。
(チャーリー)