- 発達障害の子どもたちがマスクを着用できることを示す研究結果は、どのようなアプローチや支援が効果的だったのか?
- マスクを着けることが難しい子どもたちに対して、どのようなサポートや代替策が考えられるか?
- 子どもたちが定期的にマスクを着用する際に、どのようなポジティブな強化や報酬が効果的だったのか?
自閉症スペクトラム障害または注意欠陥・多動性障害を持つ子どもたちも、マスクを効果的に着用することができると、米ワシントン大学医学部の研究チームが”JAMA Network Open”で発表しました。
主執筆者のワシントン大学医学部小児科の代理助教授で、自閉症センターのエイペックス・サマー・キャンプのディレクターであるベンジャミン・アンダーソンはこう言います。
「今回の研究結果は、このような特別支援を必要とする子どもたちも、きちんとマスクをつけることができることを示すものです。
再び、学校に通う際にはそれを心配する必要はないことを示しています」
今回の研究では、自閉症スペクトラム障害、ADHD、またはその両方の症状を持つと診断された5歳から13歳の子ども104人のマスクの使用状況を記録しました。
彼らは、2020年の夏、ワシントン大学自閉症センターが運営する4週間の屋外デイキャンプに参加していました。
キャンプの活動内容は、グループディスカッション、スポーツ、ボードゲーム、スナックやランチ、休み時間などです。
マスクの着用は、子どもたちが報酬を得られる行動のリストに加えられました。
「子どもたちは、議論に貢献したり、手伝ったり、分け合ったり、スポーツマンシップを発揮したりすることでポイントを受け取ります。
そして1日の終わりには、そのポイントをおもちゃやその他の小さな賞品と交換することができるます」
キャンプのアクティビティは、10分から15分のインターバルで行われました。
その間、子どもたちが鼻と口を覆うフェイスマスクを適切に着用していた場合、マスキングボーナスが与えられました。
参加した子どもたちの平均年齢は9歳でした。
81パーセントが男の子で、86パーセントが公立学校に通っていました。
27パーセントが自閉症、36パーセントがADHD、28パーセントが自閉症とADHDの両方を診断されていました。
全体では、86パーセントにあたる89人の子どもたちが、観察されたすべての時間帯のうち少なくとも75パーセントの時間、フェイスマスクを着けることができていました。
これには、顔面を覆うことが想定されていないおやつや昼食の時間も含まれていました。
年長の子どもたちは、より一貫してフェイスマスクを使用していました。
年長の子どもは92パーセントの時間、フェイスマスクを着用していました。
7歳の子どもがフェイスマスクを着けている時間は61パーセントとなっていました。
「最初はマスクをしない子もいましたが、今回の調査では大半の子が最初からうまくいっており、時間の経過とともに改善する子もいました」
これまでの調査でも、学校に通う子どもたちはマスク着用を遵守できていることがわかっています。
今回の調査では、特別支援を必要とする子どもたちに焦点をあて、状況を直接観察したものとなります。
「今回の調査結果は、特別支援を必要とする子どもたちでも、学校でマスクを着用しつづけることが可能であることを示しています。
また、感覚障害やその他の特別支援を必要とする子どもたちがこのようにうまくできるのであれば、一般の生徒たちも同様に、あるいはそれ以上にマスク着用を遵守することが期待できます」
(出典:米ワシントン大学医学部)(画像:Pixabay)
なかなかマスクを着けることが難しいだろうと思われている発達障害の子どもたちも、多くは着けることができていたという研究です。
うちの子はマスクは着けてくれますが、そのうちとってしまいます。
マスクを着けることができない子どももやはりいるので、できない子への配慮や代替策はこれまでのように必要でしょう。
(チャーリー)