- 感覚的な問題を持つ子どもの服選びはどれだけ難しいのだろうか?
- 特別支援を必要とする子どもたちが通常の服に抱える主な問題は何だろう?
- 新しい商品「Easy On Easy Wear」はどのような特徴を持っていて、それがどのような効果をもたらすのだろうか?
感覚的な問題をかかえる子どもを持つ親や介護者の多くは、問題を起こさずに一日中快適に着られる服を探すのがいかに難しいかを知っています。
英スーパーのAsdaがこの問題を解決する方法を考え出しました。
自閉症を含む特定のニーズを持つ子どもたちの自立した着替えをサポートする商品です。
「Easy On Easy Wear」(イージーオン・イージーウェア)と名付けられた新商品には、特別な機能が付いた学校の制服もあります。
それは、ボタンの代わりにベルクロに変更されていますが、通常の商品と同じように見えるようにモックボタンが付いています。
ジョージ社の調査によれば、特別支援を必要とする子どもの親の10人中9人が、子どもの毎日の着替えが簡単なものではないと答えています。
子どもに服を着せたり、子どもが自分で服を着ようとするのを見て「悩んだり、動揺したり」したことがあると答えました。
そして、その半数近くがそれがほとんど毎日だと答えています。
また、特別支援を必要とする子どもたちが服を着るのは、そうでない子どもに比べて2倍近い時間がかかっていることもわかりました。
特別支援を必要とする子どもたちにとって、通常の服で最も問題となっていることは、ラベルによるかゆみ、着脱が困難、素材の感触が不快、縫い目による刺激などがありました。
Asda社の新しい商品「Easy On Easy Wear」では、これらの問題がすべて解決されています。
例えば、面倒なボタンは簡単に留められるものに変更されています。
そしてモックボタンが付いているために、見た目は通常のものと変わりません。
また、すべてのウェアの縫い目には柔らかい糸を使用し、服の手入れ方法はラベルではなく生地にプリントされています。
ズボンのウエストにはゴムが入っており、簡単に履くことができ、快適な履き心地を実現しています。
英自閉症協会のキャンペーン担当部長であるトム・パーサー氏は次のように言います。
「自閉症の子どもたちにもやさしい服が開発されて、とてもうれしく思っています。
自閉症の子どもたちは、ラベルがかゆくなったり、縫い目がひっかかったり、生地が落ち着かなかったりと、感覚が敏感なために服を着るのが苦手だという話を親御さんからよく聞くからです。
そして、自閉症の子どもが着られる服を探し、買うのは簡単ではないので、ストレスになっていました。
多くの親御さんは、他の家族が簡単に買える日用品でも、専門店で探さなければなりませんでした。
だからこそ、Asdaのような大手小売業者がこの問題に取り組むことは、素晴らしいことです。
例えば、ラベルを取り除くといった簡単なことでも、大きく助かるのです。
英国では、100人に1人の割合で発達障害の自閉症の子どもがいます。
つまり、学齢期の自閉症の子が約12万人いるということです。
私たちは、より多くの小売業者が同様のアイデアを出し、自閉症の人々にとって生きていきやすい社会を作るために少しでも貢献してくれることを願っています」
Asdaのスクールウェア部門責任者のキャロライン・ヒックスは、次のように言います。
「私たちは、特別支援を必要とする子どもたちのための衣料品を提供する英国初のスーパーマーケットになったことを誇りに思います。
私たちは、お客様や自閉症の支援団体と一緒に幅広い調査を行い、私たちの服が彼らに適していることを確認できました。
私たちの主な目標は、自立して服を着ることができ、より快適な服を作ること。
特別支援を必要とする子たちのためにデザインされていない服の問題点を解決することでした」
(出典:英Leicestershire Live)(画像:英ASDA)
こうした洋服があると助かる子どもと親は、英国にとどまらないことは言うまでもありません。
うちの子が通う特別支援学校では、シャツなどはうるさく限定しているようなことはありません。
通常学校で制服があるところでも、必要とする生徒には配慮を頂くことを願います。
発達障害や感覚障害の子にとってマスクを着けるのは簡単ではない
(チャーリー)