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自閉症の子の症状がより改善するかは6歳頃が分岐点。研究

time 2021/04/10

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

自閉症の子の症状がより改善するかは6歳頃が分岐点。研究
  • 自閉症の子どもの発達は6歳頃が重要なターニングポイントなのか?
  • なぜそのターニングポイントがあるのか、その理由は何か?
  • 学校への入学が自閉症の子どもたちの転機に影響しているのか?

多くの自閉症の子は、3歳から6歳までの間に自閉症の重症度が低下します。
しかしその後、約4分の3の自閉症の子については、その進行が停滞することが新たな長期研究で明らかになりました。

この研究結果は、自閉症の子にとって小学校が始まる6歳が重要なターニングポイントであり、家族、医療機関、学校、地域社会がさらなる支援を求められる時期であることを示唆しています。

この研究を行ったカナダマクマスター大学の精神医学・行動神経科学のステリオス・ジョージアデス准教授はこう言います。

「マイナスではなくプラスになるようにできる時期だと考えられます」

この研究結果は、2020年に行われた自閉症の特性は幼い子どもでは安定していないことが示された研究結果に合致します。

そして、この研究結果は自閉症の特徴は成長しても変わらないという長年の考えに反するものです。

2020年の研究を主導した、今回の研究には関与していない米カリフォルニア大学デービス校の医学精神医学ののデイビッド・アマラル教授はこう言います。

「自閉症の子どもの多くは、多くの文献とは対照的に、何らかの改善を示します。
症状の重症度の経時変化は、これまで考えられていたよりも可能性は高いのです」

ジョージアデス准教授は、自閉症の子の発達を追跡する長期プロジェクトに参加した自閉症の子ども187人のデータを分析しました。
自閉症と診断された時点(平均生後41か月)と4歳、6歳、10歳頃に、自閉症の特徴の重症度を測定しました。

子どもたちは、その期間中の特性の変化によって2つのグループに分けられました。

73パーセントの子どもたちは、6歳までは特徴の重症度がわずかに減少し、それ以降は変化がありませんでした。
残りの27パーセントの子どもたちは、最初のうちはより顕著な減少を示し、その後もゆっくりとした速度で特徴の重症度は減少を続けました。

継続的に改善しているグループの子どもたちは、他のグループの子どもたちに比べて、最初の症状がわずかに軽く、認知、言語、日常生活の能力に関するテストの成績もわずかに良いものとなっていました。
ジョージアデス准教授はこう言います。

「最初は他のグループの子どもたちとそれほど変わらなかったが、時間の経過とともにグループ間の差が大きくなっていきました。
このことから、診断時には、すべての子どもたちが前向きに成長できるようにするためのチャンスがあるのです。
家族、臨床、地域社会のサービスは、自閉症の子の特徴の改善が止まったり、停滞したり、後退したりしないようにする必要があることがわかりました」

今回の研究は、この特定のターニングポイントを明らかにした初めての研究だとジョージアデス准教授は言います。
この研究は”Journal of Autism and Developmental Disorders”に掲載されました。

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校精神医学のキャシー・ロード教授はこう言います。

「彼らのターニングポイントという考え方は、本当に重要だと思います。
私自身、軌跡分析を行おうとしている者として、自分たちの研究でどのようにターニングポイントを見つけるかを考えるのが楽しみです」

一方で、その転機となった理由はまだ不明だと他の専門家は指摘しています。
英キングズ・カレッジ・ロンドンの臨床児童心理学のトニー・チャーマン教授はこう言います。

「多くの自閉症の子にとって、学校という社会的環境が困難であることはわかっています。

しかし今回発表された研究では、子どもたちについての学校での状況などのデータがありません。

そのため、学校への入学が軌跡の変化に影響しているのかどうかがわかりません。
もしその影響があるとしたら、どのような要因が寄与しているのかについて、決定的な結論を出すことは困難です」

脳の発達も、この転機を説明するのに役立つかもしれません。
アマラル教授が2020年に実施した脳画像の研究によれば、自閉症の子の特徴が時間とともに薄れていく場合と、そうでない場合とでは、脳の発達が異なっていました。

なお今回の研究では、85パーセントが男の子であるため、自閉症の女の子にもこの転機が当てはまるかどうかはわからないとアマラル教授は言います。

これまでの研究では、女児の特性の重症度は、男児の特性よりも時間の経過とともに減少することが示唆されているといいます。
しかし、アマラル教授の研究室の大学院生のエイナット・ワイズバンドバトロフはこう言います。

「女の子に見られる症状の重さの減少は本当なのか、それとも症状を隠したりするのが上手になったのか、という疑問残ります。
不安、うつ、燃え尽き症候群など、このようなカモフラージュのために精神衛生上の悪影響があるため、それは注意すべきです」

ジョージアデス准教授は今後についてこう言います。

「研究データを家族と定期的に共有し、家族はそれを医療機関、学校、地域と共有して、今後のケアをどのように適応させ、改善していくかを話し合えるようにすることも計画しています」

(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay

自閉症の症状は改善する。

6歳頃が、その後も改善していくかの分岐点。

なので、その頃にもっと支援すべき。

そういう研究結果でした。その後も改善していくというのには心強く思います。

うちの子と過ごして思うのは、わずかであってもずっとずっと発達・成長していきます。

なので6歳を過ぎていても気にせず、親子楽しく一緒に成長していけば良いと思います。

「自発的」運動が自閉症の子の症状を改善する可能性。東大研究

(チャーリー)


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